安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

深田久弥著「日本百名山」

2015-11-30 21:14:29 | 読書

今年は、四阿山、妙高山、苗場山という比較的高い山に登ることができました。連れて行ってもらったというのが正確なところですが、その際に、「日本百名山」だから混んでいるかもしれないといった会話を交わしました。「百名山」はどこで決めたのか最初疑問だったのですが、それは深田久弥さんが書いた「日本百名山」という本に登場する100の山のことでした。そこで、遅ればせながら、その本を手に取ってみました。

   

著者の深田久弥(1903~1971)さんは、石川県生まれの文筆家で、最初小説を書いていて「文学界」の創刊に携わり、戦後は、ヒマラヤの研究や山岳紀行など多数の本を書いています。中でも、「日本百名山」は、1964年に読売文学賞を受賞した作品で、登山に関心のある人ならたいていの方は読んでいるかもしれません。

驚いたのは、文学的な表現力がすごく、山に関連したボキャブラリーが豊富なことです。写真はそれぞれの山に一枚で、文章で山の様子や歴史を語っています。文章が生き生きとし、次第にこの山にも、あちらの山にも登りたくなってきます。

100の山のうち、日ごろ目にしているのが、北アルプスの「常念岳」なので、その章はことに興味深く読みました。文章を引用すると、『金字塔と呼ばれるにふさわしい山はわが国にいくつも数えられるが、その最も代表的な一つとして常念岳が挙げられよう。』と記しています。こんな文章を目にすれば、来年は登ろうと思わずにはいられません。

また、『山にはそれぞれ御ヒイキがある。常念には若い勇敢なクライマーを誘き寄せる岩壁や困難な沢はないが、その美しい形をもって、芸術家気質の人々を惹きつける。画家や写真家に、この山は多くの材料を提供してきた。その一例として、私は田淵行夫さんの写真集「尾根路」を思い出す。』と記しています。確かにこの山の形は優雅で、芸術家はもちろんそうでなくとも惹きつけるものがあります。

   
今年(2015年)7月に、安曇野市の自宅近くから撮影した常念岳です。拡大してあります。

今年は百名山のうち、はじめに挙げた三つの山に登ることができました。来年は、深田久弥さんが『雨飾山という名前も気に入った』と書いている雨飾山(あまかざりやま)や『しかしよく見ると火打は立派な山である。その悠揚とした姿にすっかり惚れてしまった~』とある火打山、そして常念岳と、この3つの山には登りたいと考えています。

来シーズンに備えて冬の間は、ウォーキングや里山への登山などを行い、体調の維持を図るつもりです。この本は、ガイドブックの役割も果たしているので、山や自然が好きな人向けですが、文章の格調が高く描写力が優れているので、それだけでも一読する価値があります。

【日本百名山リスト(目次)】

目次をスキャンしました。長野県内や隣接している県に所在する山には、難しいところを除いて登りたいと考えています。

   

   

   

   


ハーマン・フォスター HAVE YOU HEARD

2015-11-29 09:16:23 | ピアノ・トリオ

知人から丸山珈琲の「秋のスペシャルブレンド」と「クリスマスブレンド」の豆(中挽き)をいただきました。それぞれこの時期の限定の豆(粉)のようですが、通りがかった長野駅ビル「ミドリ」内にある丸山珈琲店に入店して、クリスマスブレンドを飲んでみました。ベンチプレスで提供され、ちょっとトロッとして味わい深いものでした。いただいたものは、まだ封を切ってないですが、自分でペーパードリップで淹れるとどんな味になるか楽しみです。味わい深いピアノです。

HERMAN FOSTER (ハーマン・フォスター)
HAVE YOU HEARD (Epic 1960年録音)

   

ハーマン・フォスター(1928~1999)は、ルー・ドナルドソン(as)のピアニストとして1953年から66年まで長く活動していて、ドナルドソンのブルーノートレーベルの諸作に聴かれます。1960年代前半に自身のピアノトリオでエピックやアーゴレーベルに作品を残していますが、80年代にはドナルドソンのサイドメンとして、またリーダー作の録音もあるものの、現在ではあまり知られていないピアニストかもしれません。

メンバーは、ハーマン・フォスター(p)、アール・メイ(b)、フランキー・ダンロップ(ds)。このアルバムは、今年ソニーから出された廉価版のCDを購入したものです。実は、今までLP時代を含め国内では出されておらず、ずっと聴きたかったアルバムなので、ありがたい復刻でした。ドナルドソンとコンビを組んだピアニストなので、エンターテイメント性ももちあわせているだろうと予想していましたが、そのとおりでした。

曲は、ハーマン・フォスターの自作が「Herman's Blues」、スタンダードが「Volare」(ヴォラーレ)、「Lover Man」、「When I Fall In Love」、「Angel Eyes」、そしてLa Toucheという人の書いた「Strange」(ライナーノートでは、フォスターの自作とされています)です。リズミカルなところが持ち味なので、スローテンポのものがどう扱われているかにも興味が湧きます。また、ジャズでは珍しい「Volare」を取り上げています。

ハードバップをベースにソウルフルなところもある楽しいアルバム。ブロックコードを用いるなど両手をフルに使っていて、テンポの速い曲は、ダイナミクスがあり、自作の「Herman's Blues」はまさにそんな特徴がよく出たもので、続く「Volare」も次第に盛り上がります。「When I Fall in Love」は、通常はバラードですが、フォスターはリズミックに扱っていてちょっと驚きました。しかし、これはこれで楽しい。リズムの二人は、基本的に伴奏に徹しています。

【丸山珈琲長野駅ミドリ店】

   

お客様がいたので写らないように横から撮りました。以下スマホによる撮影です。

   

店内の最も奥から。

    

注文した「クリスマスブレンド」です。2杯分最初からきます。


RONDO (北海道札幌市)

2015-11-27 21:05:03 | ジャズ喫茶

先日札幌に滞在したときに、はじめてジャズ喫茶「Rondo(ロンド)」に行きました。所在地は、地下鉄琴似駅の近くなので、地下鉄の大通駅から東西線を使いました。ロンドは、1959年オープンの歴史のあるお店で、現在地では1979年から営業されているということです。

   

1階にケンタッキー・フライドチキンがあるビルの地下にお店はあります。外観はレンガ調の壁でいいムードです。入り口を開けると大きなスピーカーが目立ちますが、お店はそう広くなく、親密な感じのちょうどいい距離感を保てるくらいの大きさです。

   

   

午後5時からの営業なので、ジャズ喫茶というよりもジャズバーと行ったほうがしっくりくるかもしれません。しかし、音量は結構あって、ジャズを十分に楽しむことができます。常連の方が多いのか、後で続けて入ってきた女性二人はそれぞれカウンターに座りました。

   

かけているのはCDで、LPもおいてありますが、普段は使っていないようです。僕がいる間にかかったのは、マイク・ノックとAri AmbroseというミュージシャンのCDで、ノックのほうはともかく、Ari Ambroseは全く知らない人で、少しマニアックなものもかかるようです。歴史のあるジャズ喫茶らしくて好感が持てます。

   

珈琲をいただきましたが、目の前でミルで豆を挽いてから丁寧に淹れてくれました。アップライトピアノが置いてありましたが、現在はライブはやっていないそうです。マスター(2代目だそうです)はもの静かなかたで、お店の雰囲気とあわせ一人で静かに音楽を楽しむのにふさわしいジャズ喫茶(ジャズバー)です。

   

     

【RONDO(ロンド)】

住所:札幌市西区琴似1条5丁目細川ビルB1
電話:011-621-5611
営業:午後5時から午前0時 定休日:日曜日、祝日
ホームページ:rondo


スタンリー・タレンタイン LET IT GO

2015-11-25 21:30:19 | テナー・サックス

長野市内を歩いていたら、「新そば・きのこまつり」(主催:長野麺類業協同組合)というポスターが目に留まったので、たまにはお昼に蕎麦を食べようと、権堂のイトーヨーカドーの近くにある「大平庵」という蕎麦屋に行ってきました。100年以上続いている老舗(大正3年(1914年)創業)だそうですが、入るのは初めてです。注文は、もちろんチラシにあった「きのこせいろ」で、きのこがたくさん入ったそばつゆに蕎麦をつけて食べました。蕎麦ときのこ汁のコラボが珍しい一品でしたが、お蕎麦は普通に美味しかったです。テナーサックスとオルガンのコラボ有名作品。

STANLEY TURRENTINE (スタンリー・タレンタイン)
LET IT GO (impulse! 1966年録音)

   

スタンリー・タレンタインは、ブルージーでソウルフルなテナーサックス奏者として知られていますが、昔は大きな評価はされていなかったように思います。CTIにも作品があって、エンターテイメント性が高いアルバムも作っているせいかもしれません。しかし、黒っぽい演奏は魅力的で、僕は彼のアルバムは結構持っています。1960年代は、ブルーノートへの録音が多いのですが、これはインパルスレーベルに録音したものです。

メンバーは、スタンリー・タレンタイン(ts)、シャーリー・スコット(org)、ロン・カーター(b)、マック・シンプキンス(ds)。当時、タレンタインとスコットは、結婚していたので、息もあっていそうです。オルガンだとペダルを使うので、通常ベース奏者は入りませんが、ここではロン・カーターが参加しています。スコットは、軽快な鍵盤さばきで、比較的短めの切れ味のよい音によりソロをとっています。

曲は、タレンタインの自作が、「Let It Go」、「Ciao, Ciao」、「Good Lookin' Out」の3曲。スタンダードが「On A Clear Day You Can See Forever」、「Deep Purple」、サイ・オリヴァー作「'Taint What You Do」、ジョニー・マンデル作「Sure As You're Born」と全7曲。タイトル曲の「Let It Go」は、CTIレーベルでは「Sugar」として録音されています。なお、近年GRPから出されたCDでは4曲追加になっていて、それらもよさそうなのですが、今回は聴いていません。

テナーサックスとオルガンのコラボが楽しいソウルフルなアルバムで、ミディアムテンポの抑制されたプレイが多く、じっくりと聴くことができます。タレンタイン作の「Ciao, Ciano」(チャオ・チャオ)は、ラテンの香りとダークな哀愁が漂っていて、私的お気に入り曲です。「Let It Go」や「Good Lookin' Out」におけるタレンタイン(ts)とスコット(org)のプレイは、伝統を受け継ぐもので豪快。こういったブルーズ系統の曲は、彼らの得意なものなのでしょうが、聴き惚れました。

【新そば・きのこまつりチラシ】

    

【大平庵】

住所:長野県長野市南石堂1248
電話:026-226-6579
大平庵ホームページ:Taiheian

   

   

「きのこせいろ」です。きのこがたくさん入っていて驚きました。


パソコンを買いました。

2015-11-23 22:12:13 | お出かけ・その他

今までOSがWindowsVista搭載のパソコンをずっと使用してきたのですが、夏モデルのWindows8.1搭載のパソコンを買いました。Windows10搭載のパソコンも発売されて主になってきていますが、ほぼ同じ仕様でも8.1搭載の旧型が4~5万円安いので、それにしました。安くなった分で、プリンターなどを買う予定です。なお、Windows10は、2~3か月8.1を使って、このパソコンに慣れたらインストールするつもりです。

   

購入したのは、NEC製の「LAVIE NS750/BAW」というノート型パソコン(白色)で、基本的な仕様は次のとおりです。

OS:Windows8.1
統合アプリ:Office Home&Business Premium プラスOffice365
ディスプレイ:15.6型 1920×1080ドット タッチパネル
CPU:第5世代 Core i7-5500U
メモリ:8G デュアルチャネル対応
ハードディスク:約1TB(SSHD)
ドライブ:ブルーレイディスク

起動はもちろん、処理のスピードが早く、機械的な動作に対してストレスがなく、今までのものとは雲泥の差です。ディスプレイのドット数が比較的多く画面がきれいなところや、ヤマハの技術によるスピーカーなので、再生音がまずまず聴けるものになっているところもよい点です。

パソコンの初期設定を行ったところ、インターネットとはすぐ接続できましたが、メールの設定にはまいりました。現在のプロバイダーのOCNのメールアドレスで、マイクロソフトのアカウントは作れたのですが、メールの送受信ができなくて困りました。POP3のサーバーからは受信できないと表示されたので、仕方がないので、Outlook.comのメールアドレスを作り、それを使うことで解決できました。

とりあえず、ネット、メール、写真の処理などぼちぼちと使えるようになりました。しばらくの間は、このパソコンでブログも更新していけそうです。読んだり書いたりしてみると、文字がやや小さいので、大きさを通常の1.5倍に設定して読みやすくしました。マシーンがよくなったからといって、内容のある文章が書けるわけではありませんが、気分はかなりよくなっています。

   

【追 記】
購入して5日目で、Windows10にアップグレードしました。アプリがうまく作動しなくなる場合があると以前に聞いていたので、躊躇していたのですが、どうせなら早いほうがいいので実施したところ、3時間かからず終了しました。Windows10は、POP3もフォローしているので、プロバイダーメールも使えるようになります。次は、プロバイダーを変更する予定です。