安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

オーケストラ・アンサンブル金沢 長野公演with五嶋みどり

2015-06-29 21:04:12 | 演奏会・ライブ

北陸新幹線が、今年3月金沢まで開業しましたが、それを契機にオーケストラ・アンサンブル金沢が長野市など長野県内で公演を行うようになりました。不定期ですが、長野県の音楽愛好家にとっては、嬉しい開業効果です。その初めての演奏会が6月23日に行われたので聴いてきました。

指揮:井上道義
ヴァイオリン:五嶋みどり
管弦楽:オーケストラ・アンサンブル金沢
会場:長野県民文化会館(長野市)

ロッシーニ作曲歌劇「シンデレラ」序曲
シューマン作曲「ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 WoO.23」
ブラームス作曲「交響曲第2番 ニ長調 op.73」

本公演に先立ち、室内楽のロビーコンサートも行われて、サービス精神が旺盛でした。

   

ロッシーニの歌劇シンデレラ(チェネレントラ)序曲からコンサートが始まりましたが、最初ヴァイオリンの音が固くて、あまり調子が出ていないように感じましたが、次第に乗ってきて最後のほうはまとまりもありました。

シューマンのヴァイオリン協奏曲は、第1楽章の出だしから、メランコリックな音の重なりが続きます。その間をぬって、独奏ヴァイオリンが登場しますが、五嶋みどりの情念を込めたような力強い演奏は素晴らしく、すぐに彼女のソロに耳が釘付けになりました。やはり世界の一流奏者だけのことはあります。ゆるやかな第2楽章を経て、第3楽章は幾分華やかなヴァイオリンソロが続き、オーケストラと一体になって閉じました。

休憩をはさんで、後半はブラームスの第2番。本来は、室内オーケストラである、アンサンブル金沢は、この曲では弦やホルンを中心に20人近く客演奏者を入れています。したがって、本来のアンサンブル金沢かどうかは、よくわかりませんが、井上道義の指揮のもとにかなりよい演奏をしたと思いました。第1楽章の、ヴァイオリンとチェロによる第2主題が、ちょっと憂いを帯びていて、大好きなのですが、この部分が柔らかく美しく演奏されていて、もうそれだけで満足しました。メリハリはつけているものの、全体に優しい演奏でした。この曲は、名曲です。

かなり満足したコンサートでした。12月には、マルク・ミンコフスキ指揮で、シューマンの4つの交響曲が2日間にわたり演奏されるコンサートが金沢で予定されていますが、今日の演奏を聴いていたら行きたくなりました。

   


ジョン・ルイス THE WONDERFUL WORLD OF JAZZ

2015-06-28 09:50:22 | ピアノ

先日、オーケストラ・アンサンブル金沢の長野公演に行ってきました。北陸新幹線長野金沢間の開業に伴い、長野金沢間は、約1時間で結ばれたので、その効果の一つの現れです。公演の最後に指揮者の井上道義さんが、「文化度が高い長野県にプロのオーケストラがあってもいいのに、どうしてやらないのでしょうか」と話していました。いつの日か長野県内にもプロオーケストラができるといいなと考えながら帰途につきました。クラシックに造詣の深いピアニストです。

JOHN LEWIS (ジョン・ルイス)
THE WONDERFUL WORLD OF JAZZ (ATLANTIC 1960年録音)

   

ジョン・ルイス(p)は、モダン・ジャズ・カルテット(MJQ)での活動が長く、クラシカルな味わいをモダン・ジャズに持ち込みました。僕の学生時代(1970年代)の友人に、ジャズは嫌いだけど、MJQは聴くという熱烈なクラシックファンがいました。MJQは、幅広い層に受け入れやすかったと思います。ジョン・ルイスは、MJQを離れてもいくつかの秀作を残していますが、これもその一枚です。

メンバーは、ジョン・ルイス(p)、ジム・ホール(g)、ジョージ・デュヴィヴィエ(b)、コニー・ケイ(ds)のカルテットが基本です。そこに、ハーブ・ポメロイ(tp)、ポール・ゴンザルヴェス(ts)、ガンサー・シュラ―(Fhr)、エリック・ドルフィー(as)、ベニー・ゴルソン(ts)、ジミー・ジェフリー(bs)が曲によって加わります。

カルテットによるものが、「I Should Care」、「Two Dgrees East, Three Degrees West」(二度東、三度西)、「I Remember Clifford」(クリフォードの思い出)、管楽器が加わった「Body and Soul」(身も心も)、「Afternoon in Paris」、「The Stranger」、「If You Could See Me Now」の全7曲。「The Stranger」だけ馴染みがありませんが、当時バークリー音楽院の学生だったアリフ・マーディンの作曲になるものだそうです。

あまり話題に上りませんが、品格の漂う落ち着いた演奏により、じっくりと楽しめるアルバムです。「Body and Soul」では、ポール・ゴンザルヴェス(ts)、ハーブ・ポメロイ(tp)のプレイが印象に残りますが、ポメロイの録音は少ないだけに貴重。「Two Degrees East, Three Degrees West」は、ジョン・ルイスのオリジナルですが、ここでは、ジム・ホール(g)がいいソロをとっています。CDで追加された「The Stranger」は、エリック・ドルフィー(as)のスリルに富んだプレイが圧巻です。

【オーケストラ・アンサンブル金沢公演パンフレット】

   

2015年6月22日金沢、23日長野、24日新潟と、五嶋みどりを独奏者に迎えて、公演が催されました。その様子は別記事に書きます。


雨上がりの夢農場  

2015-06-26 21:16:05 | お出かけ・その他

先週の日曜日に長野市から安曇野市に行く途中、ラベンダーの季節なので、夢農場に寄ってみました。梅雨の時期とあって、車を運転中はかなりな雨が降っていたのですが、夢農場に着いたときには、パラパラ程度になっていたので、農場内を散歩できました。今回は、ぐるっと一回りして、かなり上の方にまで行ってみました。

   

   

   

早咲きのイングリッシュ・ラベンダーのようです。

   

農場の上の方から。

   

雨上がりとあって、霧状に靄がかかっていました。

   

   

喫茶店「吠龍亭」です。この時期の週末だけオープンしています。お店で働いている女性の方は、東京から池田町に移住された方でした。北アルプスを毎日見ることができ、寒いのはたいへんだけど、かなり満足されているようです。

   

カステラセット。カステラには、農場でとれたラベンダーが使われていて、さわやかな香りと味がして、美味しかった。

   

農場内は、蝶が飛んでいました。上の方では、モンキチョウが乱舞していましたが、これは、スジグロシロチョウのオスです。

約1時間くらい農場を見たり、喫茶店にいたのですが、帰る頃になってようやく、農場にお客様が何組か入ってきました。現在ラベンダー祭り開催中なので、沢山の方にこの場所を楽しんでもらいたいと思いながら、安曇野市方面に向かいました。

【夢農場】

住所:長野県北安曇郡池田町大字陸郷7454-6
電話:0261-62-5510
ホームページ:yumefarm 


シェリル・ベンティーン SINGS WALTZ FOR DEBBY

2015-06-24 22:43:38 | ヴォーカル(A~D)

安曇野市の畑の片隅に梅の木が植えてあります。毎年、この時期に実がなり、今年も収穫をしました。かつては、それを使って、焼酎漬けの甘い味の、青みがかった梅漬けをたくさん作っていました。僕の好物なのですが、砂糖をたくさん使うので、このごろは控え気味です。甘さ控えめで、味わい深い作品。

CHERYL BENTYNE (シェリル・ベンティーン)
SINGS WALTZ FOR DEBBY (Paddle Wheel 2004年録音)

   

1979年以来、コーラス・グループのマンハッタン・トランスファーの一員として華々しく活躍してきたシェリル・ベンティーン(vo)は、優れたソロ歌手でもあって、傾聴に値すべきアルバムをいくつも作っています。これは、ピアノとベースの伴奏で、テンポの遅い曲を中心としたものなので、静まった夜などにじっくりと耳を傾けたいアルバムです。

メンバーは、シェリル・ベンティーン(vo)、ケニー・バロン(p)、レイ・ドラモンド(b)。ケニー・バロンは、ベンティーンの唄が引き立つように弾いていて、好感が持てますし、随所で入れるソロも見事です。日本のキングレコードがニューヨークで録音したものですが、周到な人選など準備が行われたことが伺えます。

曲はスタンダードです。「Last Night When We were Young」、「Blue Moon」、「The Boy Next Door」、「I Must Have That Man」、「But Beautiful」、「Thou Well」、「When Your Lover Has Gone」、「Easy Living」、「In A Sentimental Mood」、「Stompin' At The Savoy」(サヴォイでストンプ)、「I Get Along Without You Very Well」、「Waltz for Debby」(ワルツ・フォー・デビー)。ビル・エヴァンス曲、ジーン・リース詞の「Waltz for Debby」は、ピアノだけの伴奏です。

シェリル・ベンティーン(vo)は、曲を慈しみながら丁寧に歌っていて、芸術的な香りもするアルバム。聴いているうちに、歌詞の世界に入り込んでいる気がしてきます。バラードでは、「But Beautiful」や「Easy Living」がとりわけ気に入り、特に後者は、穏やかで、ゆっくりとスイングする歌が素晴らしい。 早いものでは、「Stompin' at The Savoy」が、変幻自在な歌唱で楽しい。そして、バロン(p)とのデュオで演じられる「Waltz for Debby」は、歌とともにバロンのつける伴奏の美しさに聴き惚れます。

【梅の木と収穫した梅】

梅を獲ってとりあえず袋に入れたので、いいものばかりではありません。

   

   


Aroma (山梨県甲府市)

2015-06-22 22:48:09 | ジャズ喫茶

山梨県の甲府市内で昼間からやっているジャズ喫茶は、このAromaだけのようです。実は、かつて、お店の前まで行ったことがあるのですが、当日は日曜で休みでした。今回は、マスターの携帯電話に電話をして6月13日(土)に安曇野市から出かけ行きました。1974年開業で、33年間営業をして閉店したのですが、2009年に再開しています。

   

独立した店舗ですが、全体にそう大きくないです。裏に駐車場がありました。

   

看板。TOMIYA COFFEEとありますが、はじめて見ました。

   

僕が入店した時は、お客様が誰もいなくて、かかっていたのは、エラ・フィッツジェラルド「Like Someone in Love」(Verve)で、いいムードで流れていました。50年代ジャズを中心にヴォーカルもあって、僕の好みにあいます。

   

CDをかけています。一人で営業をしているし、店が狭いので、LPはおけないとのことです

   

   

   

パワー・アンプは、エアータイト ATM1S。アンプ類は真空管です。真空管でないと固い音になってしまい、使えないとおっしゃっていました。

   

コントロールアンプは、ラックスマン、CDプレイヤーはソニーを使用。

   

スピーカーはJBLです。

   

今日は、ほとんどお客様がいなかったのですが、きのう(6月12日金曜日)は、半日で25人来たそうです。7~8年やっているけど、繁閑の差が激しくて、お客様の動向は全くつかめないと言っていました。お酒は、ハイボールだけで、珈琲などソフトドリンク主体です。音量も適度で、音の傾向も長時間聴いているのに相応しいものです。甲府へ来た時には必ず寄りたいお店です。

【Aroma】

住所:山梨県甲府市緑が丘1-16-3
電話:090-8777-6631(藤井さん)
営業時間:午後1時~午後8時 
定休日:日曜日 

お店のポストカード(裏面)。