安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

市川崑監督、役所広司主演の映画「どら平太」、その原作の山本周五郎著「町奉行日記」(新潮文庫)。

2024-09-12 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

山本周五郎の時代小説を、たまに読んでいます。作風は幅広いですが、「町奉行日記」は、明るい世直し小説で、気軽に読めます。その映画(DVD)があったので、レンタル店から借りてきて、観ました。

   

DVDのパッケージ

(概要)

ある小藩の江戸からきた新任町奉行の望月小平太は、ふるまいは放埒を極め、“どら平太"というあだ名がついていた。この藩の壕外(ほりそと)と呼ばれる一画では、密貿易・売春・賭博・殺傷が横行しており、三人の親分が権力を握っている上、藩の城代家老たちとも長年結託していた。どら平太に与えられた任務は、この腐敗を正すことだった。“飲む・打つ・買う"独特のやり方で、次第に敵の懐に入り込むどら平太・・・。

(出 演)

役所広司、浅野ゆう子、片岡鶴太郎、宇崎竜童、大滝秀治、菅原文太、石倉三郎、石橋蓮司、岸田今日子、江戸家猫八など。

(スタッフ)

監督:市川崑
原作:山本周五郎「町奉行日記」
脚本:黒澤明、木下惠介、市川崑、小林正樹

2000年公開

(感 想)

痛快娯楽時代劇という趣の映画で、まずまず楽しめました。物語は、わかりやすいもので、ストーリー展開も早いです。例えば、三人の親分が、どら平太に屈服していくところは、殺陣もありますが、とんとん拍子に進み、あっさりとしています。

主演の役所広司さんの演技は、もちろん悪くないのですが、悪役の菅原文太さん、石橋蓮司さんの演技が板についていて、役柄に同化しているように思われました。さすがというか、存在感も素晴らしい。

殺陣の場面すべてが、真剣による切り合いではなくて、みねうちによっていて、血が流れない演出になっていました。その他、コメディタッチの部分もあって、全体に明るめのエンタメ映画でした。

(映画の場面から)

(参考)短いですが、映像を観ることができます。

どら平太(2000年) 特報 (youtube.com)to

(以下映画の場面を撮影したもの)

トリミングもしてあるので、元の画面と多少違いがあります。

どら平太が、重役のまえで、上様(殿様)の書状を読み上げているところ。

家老役の大滝秀治。とぼけた味を出していました。

手前の橋を渡ると、壕外(ほりそと)と呼ばれる一画になります。どら平太はそこへ入り込みます。

きれいどころに囲まれるどら平太(役所広司)。

壕外(ほりそと)を取り仕切っている3人の親分。一番手前が、菅原文太、左側に石橋蓮司。

江戸からどら平太を追いかけてきた芸者役の浅野ゆう子。

 

【山本周五郎著「町奉行日記」(新潮文庫)】

   

カバー表紙

(本書の内容)

   

(著者紹介)

   

(感想など)

山本周五郎の時代小説は、人情の機微を描きながら、人としてどうあるべきかという命題に向きあった重厚なものが多いように思います。「町奉行日記」が収録された、この短編集は親しみやすい。


NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」を観て、佐藤貴浩著「奥州の竜 伊達政宗」(角川新書)を読みました。

2024-08-31 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

レンタルDVDで、NHK大河ドラマ「独眼竜政宗」(1987年放映)を見ました。当時、平均視聴率39.7%を記録したドラマです。併せて、佐藤貴浩著「奥州の竜 伊達政宗」(角川新書)を読みました。

   

DVDのパッケージ

(概要)
知恵と才覚で仙台62万石の礎を一代で築いた男、伊達政宗。信長、秀吉、家康という3人の天下人と同時代を生き、天下取りの夢こそかなわなかったものの、「独眼竜」とおそれられ、秀吉や家康からも一目置かれた奥州の覇者の生涯を、現代的なタッチでロマン豊かに描いた大河ドラマ。(NHKの解説から)

(出演など)
渡辺 謙、藤間遼太、嶋 英二、北大路欣也、岩下志麻、桜田淳子、後藤久美子、秋吉久美子、竹下景子、
三浦友和、西郷輝彦、大滝秀治、いかりや長介、村田雄浩、竜 雷太、神山 繁、寺泉 憲、林 与一、陣内孝則、
奥田瑛二、樋口可南子、原田芳雄、八千草薫、津川雅彦、勝新太郎 ほか

脚本:ジェームス三木
音楽:池辺晋一郎
○1987年 放送

(感 想)

伊達政宗の生涯を概観できる優れたドラマでした。ジェームス三木さんの脚本が良くできているのが、成功の要因だと思いますが、政宗の生涯そのものがドラマティックで、エピソードに満ちていて、ドラマになりやすいということもあるのかもしれません。

出演俳優が豪華です。当時、あまり知られていなかった渡辺謙(政宗役)さんは、はまり役とも言える演技でしたし、勝新太郎(秀吉)、津川雅彦(家康)さんも、役柄に相応しかった。女性陣では、岩下志麻(政宗の母)、八千草薫(高台院、秀吉の正室)さんは品が感じられました。

物語が進むに連れてわかってくるのが、伊達家の家臣の有能さで、さすがに名門の大名家だけのことはあります。演じた西郷輝彦(片倉景綱)や三浦友和(伊達成実)さんも、次第に重厚な感じを醸し出していました。

(ドラマの場面から、大阪夏の陣のあたりの映像です)

渡辺謙(伊達政宗)

 
津川雅彦(徳川家康)
 
 
政宗が家康と話をしているところ。政宗は、お洒落で、いろいろな服装が登場します。
 
 
高台院(秀吉の正室)役の八千草薫
 
 
大坂夏の陣で亡くなった真田信繁(真田幸村)の娘(阿梅)が、片倉小十郎重綱(鬼小十郎)とともに、政宗にあっているところ。保護を求めてきた阿梅を匿う懐の深さは、伊達家だからこそでしょう。
 
 
左側に、三浦友和演ずる伊達成美。
 
 
沢口靖子演ずる五郎八(いろは)姫。右には、愛姫(政宗の正室、いろは姫の母)役の桜田淳子。
 
 
片倉景綱を見舞う、政宗と成美(三浦友和)。
 
 
片倉小十郎(景綱)役の西郷輝彦。
 
【独眼竜政宗の再放送について】
 
独眼竜政宗 - NHK
 
BSP4Kで絶賛再放送中の「独眼竜政宗」を来年1月(2025年1月)からNHK BSでも再放送するそうです。
 
 
 
【佐藤貴浩著「奥州の竜」伊達政宗(角川新書)】

拍子

(おおまかな内容)

(著者略歴)

(感 想)

伊達政宗の書状(文書)は、4500も残っているそうで、一次資料のその書状をベースに、政宗の生涯を述べた新書です。書状は、素人にもわかるように現代語訳で記されています。また、当時の情勢についても、要領よく記載されていて、わかりやすかった。

政宗のエピソードは、多数ありますが、新しい研究を踏まえ、再考されているものもあります。例えば、政宗毒殺事件について、通説がいいのかどうか迷っていると記しています。政宗は、和歌・絵画・茶について造詣が深いなど教養人としての側面も記され、楽しんで読めました。

(本書のページから)

 


NHK時代劇「真田太平記」(DVD)、池波正太郎作『真田太平記』50周年記念「草の者・お紅と真田太平記展」。

2024-08-12 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

小説「鬼平犯科帳」や「仕掛人・藤枝梅安」を書いた池波正太郎さんは、信州(長野県)や上州(群馬県)を舞台に戦国武将真田一族に関する物語を書いていて、その代表が『真田太平記』です。

NHKドラマの『真田太平記』(DVD)をようやく全巻見終わりました。また、この7月20日から『草の者・お紅』に関する挿絵の展示が行われている上田市の真田太平記館を訪れました。感想など記します。

(NHK時代劇 真田太平記)

   

DVDのパッケージ。観たのは、レンタル用のDVDです。

【概 要】

上杉、北条、徳川ら大名と互角に戦い、戦国の世に名を知らしめた真田一族の波乱万丈の物語を1年間、全45回(各回44分)で描いた。軍略と反骨の武将・真田昌幸を丹波哲郎、真田の命脈を守り通す嫡男・信之を渡瀬恒彦、武勇の誉れ高い次男・幸村を草刈正雄が熱演。原作:池波正太郎。脚本:金子成人。音楽:林光。出演はほかに遥くらら、紺野美沙子、榎木孝明、中村橋之助ら。

【出 演】

真田 信幸(後に信之に改名)………… 渡瀬恒彦
真田 幸村 …………………………………草刈正雄
真田 昌幸 …………………………………丹波哲郎
真田の女忍び お江……………………… 遥くらら
信幸と幸村の徒弟 樋口角兵衛 …………榎木孝明
真田忍びの頭領 壺谷又五郎 ……………夏八木勲
真田の忍び 向井佐助 ……………………中村橋之助
幸村の小姓 向井佐平次 …………………木之元亮
信幸の妻 小松殿 …………………………紺野美沙子
昌幸の愛妾 お徳 …………………………坂口良子
昌幸の正室 山手殿 ………………………小山明子
徳川 家康 …………………………………中村梅之助
徳川 秀忠 …………………………………中村梅雀
豊臣 秀吉 …………………………………長門裕之

【原作、脚本など】

原作:池波正太郎、脚本:金子成人、音楽:林 光、タイトル題字:池波正太郎、制作:榎本一生、演出:大原 誠 ほか
○1985~1986年 放送

(感 想)

実は原作(新潮文庫全12巻)を現在改めて読んでいるところで、まだ5巻目です。テレビドラマは、原作に沿った形で作られていて、重厚ですごく面白かった。

史実に、池波さんの創作が加わり、草の者(真田家の忍者)を登場させて活躍させているのが特徴です。草の者を通じて、真田昌幸が豊臣、徳川らの動向を得ている設定が説得力があります。

上田城の攻防など戦や忍者同士の格闘場面など、スケールが大きく、迫力があります。真田昌幸や幸村が有名ですが、長男の信幸(信之)を軸にしているのは、池波さんの卓見だと思いました。

(以下DVDの場面から)

題字は、池波正太郎さんによるものです。

シルエットを用いた真田武将隊の映像、背景に流れる林光さんの音楽ともども見事です。

渡瀬恒彦演じる真田信幸(信之)。

丹波哲郎演ずる真田昌幸。いかにもくせ者という雰囲気が醸し出されていて、はまり役だったような気がしました。

草刈正雄演ずる真田幸村。草刈正雄は、NHK大河ドラマ「真田丸」においては、真田昌幸を演じています。

信幸の妻 小松殿(稲姫)を演じる紺野美沙子。小松殿に関するエピソードも印象深い。

真田の女忍び お江を演ずる元タカラジェンヌの 遥くらら。主役に準ずるくらいに登場場面も多かったです。

遥くらら演ずるお紅は、年をとらないのがすごいところで、これは最終回に登場したお紅。お紅は、度重なる危機も脱出して上田に戻り、真田一族の姿を見届けます。

 

【池波正太郎 真田太平記館】

住所:長野県上田市中央3丁目7番3号
電話:0268-28-7100 
ホームページ: ◆池波正太郎真田太平記館◆ - 上田市ホームページ (city.ueda.nagano.jp)

太平記館外観

看板など

(企画展の内容)

『真田太平記』全編に渡って登場し、物語を最後まで見届けた「草の者・お江」の印象的な登場場面を、風間完氏が描いた挿絵を中心に展示します。艶麗な魅力を持ち、緊迫感漂う暗躍シーンなど、物語を背後から支えた草の者・お江を通して『真田太平記』の世界をぜひご堪能ください。とのことです。

   

企画展のチラシ表

   

チラシの裏面。

上田市内の喫茶店で、真田太平記第4巻を読書中。

ポスターをもらってきて、安曇野市宅の音楽部屋に飾りました。


映画「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を観ました。(7月20日 アイシティ・シネマ)

2024-07-24 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

映画「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」を観てきました。アポロ計画の月面着陸成功へ向けた物語で、面白そうなので出かけました。

   

チラシ表

(あらすじ)

1969年、アメリカ。人類初の月面着陸を成功させる「アポロ計画」の開始から8年が過ぎ、失敗続きのNASAに対し国民の関心は薄れ、予算は膨らむ一方。ニクソン大統領の側近モーはその状況を打開すべく、PRマーケティングのプロであるケリーをNASAに雇用させる。ケリーはNASAのスタッフにそっくりな役者たちをメディアに登場させ偽のイメージ戦略を仕掛けていくが、NASAの発射責任者コールはそんな彼女のやり方に反発する。
ケリーのPR作戦により月面着陸が全世界の注目を集めるなか、「月面着陸のフェイク映像を撮影する」という極秘ミッションがケリーに告げられる。

(スタッフ、出演)

監督:グレッグ・バーランティ
出演:スカーレット・ヨハンソン(ケリー)、チャニング・テイタム(コール)、ウッディ・ハレルソン(モー)

ケリーをヨハンソン、コールをテイタムが演じ、物語の鍵を握る政府関係者モー役でウッディ・ハレルソンが共演。「Love, サイモン 17歳の告白」のグレッグ・バーランティが監督を務めた。

(感想など)

1969年、アポロ計画の成功に向けて、NASAの職員が一丸となって打ち込んでいる姿がとても印象的でした。当時は、ベトナム戦争の痕跡が米国内に残されていたはずなので、政府のアポロ計画成功への執念、そして、失敗は許されないとして月面着陸のフェイク画像作成の指示も真実味がありそうで、絵空事とも思えませんでした。

現在のNASAもこの映画の製作に協力をし、古い映像の提供や技術的観点からのアドバイスなどを行ったようです。そのためもあり、月面着陸に向けた準備やロケット発射の模様など、実際に近い再現ぶりになっていたと感じられました。

また、広告業界のケリーと、NASAの技術者コールのラブ・ロマンスが、もう一つのストーリーとなっていて、「Fly Me to The Moon」の歌詞を具現化していて、脚本が見事でした。劇中の音楽は、アレサ・フランクリンやサム・クックなどが歌ったソウル(R&B)ナンバーで、それも良かった。

【フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン・オフィシャルサイト】

映画『フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン』オフィシャルサイト | ソニー・ピクチャーズ (flymetothemoon.jp)


(購入したパンフレットから)

   

表紙

(以下、パンフレット内にある映像シーンなど)

   

   

   

スカーレット・ヨハンソン、チャニング・テイタムともに、演技が達者で、この二人の起用も成功していたように思いました。


NHK大河ドラマ「功名が辻」(DVD)を観て、渡部淳著「検証・山内一豊伝説」を読みました。

2024-06-22 19:30:00 | 映画・DVD・テレビ

先月観たNHK大河ドラマ「徳川家康」(1983年放映)が面白かったので、引き続き、「功名が辻」(2006年放映)を観ました。また、史実はどうかと、渡部淳著「検証・山内一豊伝説」を読んでみました。

    

愚直なまでの真っ直ぐな生き方で信長・秀吉・家康に仕えた戦国武将・山内一豊と、見事な内助の功で一豊を初代土佐藩主にまで押し上げた妻・千代を描いたドラマ。

出演:仲間由紀恵、上川隆也、前田 吟、永作博美、玉木 宏、生瀬勝久、田村 淳、長谷川京子、香川照之、
成宮寛貴、中村橋之助、浅野ゆう子、柄本 明、佐久間良子、西田敏行、坂東三津五郎 ほか

原作:司馬遼太郎「功名が辻」、脚本:大石 静、音楽:小六禮次郎

(感想など)

戦国大名の山内一豊と妻・千代の夫婦愛を中心に、一豊が50石から土佐20万石の城主に上り詰めたその課程を、戦場場面も含めなかなかリアルに描き、面白いドラマでした。千代役に仲間由紀恵、一豊役に上川隆也と、配役もよかった。細川ガラシャ役の長谷川京子さんの気高く美しい姿も素晴らしい。

【渡部淳著 検証・山内一豊伝説(講談社現代新書)】

   

表紙

(著者略歴)

渡部淳さんは、1962年生まれ、名古屋大学大学院終了。財団法人土佐山内家宝物資料館で、山内家から高知県へ移管された約7万点の古文書などの整理、調査、展示などに当たっている。学芸員を経て館長。論文多数。

(本書の概要)

日本史上最強の「内助の功」伝説は本当か。うだつの上がらない下級武士・山内一豊を土佐一国の大名にした妻・見性院の知力、胆力を史実から検証し、戦国時代を生き残った秘訣を探る新書版『功名が辻』

(大まかな目次)

第1章 流浪時代と「黄金十両の名馬」
     夫人の出自と「名馬購入伝説」
第2章 秀吉の天下と「天皇献上の小袖」
     夫人の「小袖献上伝説」、掛川5万9千石と秀次事件
第3章 関ヶ原の戦いと「笠の緒の密書」
     家康を感涙させた小山軍議
第4章 「土佐24万石」の真実
     長宗我部旧臣の抵抗、「高知」をつくった一豊藩政
第5章 藩祖夫人の「最後の戦い」

(感想など)

全体は、山内一豊とその妻の生涯、山内家の家臣や政策について記した内容です。関連資料を精査した真摯な内容で、妻の内助の功伝説についても、真偽を検討していて、エキサイティングです。

著者は、内助の功伝説について、『名馬購入と小袖献上の逸話は、・・・ともに事実かどうかは疑わしい。一方、関ヶ原における密書の送付、一豊亡きあとの京都における北政所との交流、この二つは事実と考えてよい』と記し、夫人は、政治感覚に優れた女性だと結論づけています。

ドラマでは、山内一豊は、武勇だけの武将のように描かれますが、本書を読むと、先の読める優れた武将であったと思わざるを得ません。秀吉により、甥の秀次の宿老(面倒をみる役目)を命じられ、秀次失脚後8千石を与えられている点、そして、豊臣大名から徳川大名への転身と、全く見事です。

 

なお、山内一豊の妻の「伝説」とは
○一豊に名馬を買わせるために妻(千代)は、へそくりの黄金十両を差し出した。
○関ヶ原前夜、千代が届けた「密書」で一豊は家康の信頼を得た。
○そのおかげで一豊は土佐二十四万石の藩主となり大出世をとげた。。

      

(大河ドラマ「功名が辻」(DVD)の場面から)

土佐は、長宗我部元親時代は9万8千石だったので、掛川5万9千石から10万石弱への出世のように思えます。20万石としたのは、家格の点からか、土佐藩自ら幕府への報告で石高を上げたもの。

高知城築城は、一豊によるもの。土佐は、長宗我部元親の旧家臣がいて、その制圧のために、引き渡し前の徳川藩士、引き渡し後の土佐藩も苦労しています。

秀吉時代の一豊の同僚で、その後も深い交流のあった3家(堀尾、中村、山内)のうち、明治まで続くことのできたのは、山内家だけです。

一豊(上川隆也)と千代(仲間由紀恵)。千代という名前は、実際には不明。

一豊亡きあとは、弟の安豊の嫡男山内忠義が2代目となる。妻は、家康の養女阿姫。

一豊没後、夫人は出家して見性院に。その出自は、確定できないが、近年は、歌道で知られる東常縁の子孫で、美濃郡上城主であった遠藤盛数の娘という説が唱えられている。達筆で政治感覚に優れた点など、このあたりの出自かもしれないと思いました。