安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

イグナシ・テラザ HIGH UP ON THE TERRAZA

2019-06-30 20:09:12 | ピアノ・トリオ

先週日曜日の札幌は曇天で小雨がぱらつく天気だったのですが、ちょうど大通公園では、「花フェスタ」が行われていたので札幌駅へ向かう道すがら散策してみました。造園会社など専門家が作ったものから高校生のものまで様々な花壇が並び目を楽しませてくれました。直訳すると「花は愛である」という「A Flower is a Love Something」という曲が収録されたアルバム。

IGNASI TERRAZA (イグナシ・テラザ)
HIGH UP ON THE TERRAZA (SWIT 2018年録音)

   

スペインのピアニスト、イグナシ・テラザは、アンドレア・モティス(vo,tp,as)のグループで来日していて、僕も東京丸の内のコットン・クラブで一度聴きましたが、間口が広く柔軟で、曲によってはファンキーな演奏をするテラザにすっかり感心してファンになり、CDを購入するようになりました。これはピアノトリオによる新しいアルバムです。

メンバーは、イグナシ・テラザ(p)、Pierre Boussaguet(b)、ビクター・ジョーンズ(ds)。フランスのPierre Boussaguetは、日本語カタカナ表記だと、「ピエール・バウサエ」といったところですが、難しい。ベース、ドラムスの二人は、いづれも実績のあるベテラン奏者ですが、テラザとは共演経験があり、旧知の間柄です。

曲は、イグナシ・テラザの自作が「Take The Boussline」、「Grooving For Jaume」、「Cris」、「High and Up」、Pierre Boussaguet(b)の自作が「Beess & Flowers」、ビリー・ストレイホーン作「A Flower is A Love Something」、Joan Manel Serrat作「Paraules damor」、スペインの民謡だと思われる「Voem Pa aAb Oli」、あとはスタンダード曲で、「You Took Advantage of Me」、「What is This Thing Called Love」、「Time On My Hands」の全11曲。ジャズで取り上げられるのが珍しい「Paraules damor」はテテ・モントリュー(p)も演奏しています。

アート・テイタム以来の伝統を感じさせるスィンギーかつグルーヴィーなイグナシ・テラザ(p)の演奏が楽しめます。バーチュオーゾぶりは見事で、「Time On My Hands」における右手で細かなフレーズを弾きながら左手でメロディを綴っていくところなどは最高です。花(Flower)関連の2曲もよく、「A Flower is A Love Something」では詩的で叙情豊かなテラザ、「Beess & Flowers」は明るく躍動するBoussaguet(b)のプレイが印象的。「High and Up」はトレインソングのような楽しい曲想で、ビクター・ジョーンズ(ds)も活躍します。

【札幌大通公園の花フェスタ】

小雨が降っているにもかかわらず大勢の方がいました。

専門業者による花壇

農業高校生のガーデニングコンテストの結果が発表されています。これだけの高校が応募するのは、すごい。

中標津農業高等学校の花壇。


札幌のジャズ喫茶・バー巡りで憩いのひと時。【BAR81、GROOVY、JAMAICA】

2019-06-29 20:04:07 | ジャズ喫茶

6月21日(金)から23日(日)の札幌小旅行でもジャズ喫茶を何軒か訪れました。初めて寄った「喫茶店研究所」は別記事に書いたので、その他のジャズ喫茶・バーをまとめました。連絡をとったところブログ友のdukeさんがBAR81にやってきてくれて、久しぶりに再会でき、それも嬉しかった出来事です。

【BAR81】

住所:北海道札幌市中央区南6条西3丁目 第2桂和ビル4階
電話:011-531-7280
業時間:18:00~翌3:00 無定休
ホームページ:bar81.com

bar81は、年中無休で午後6時から開いているバーです。これには頭が下がるのですが、旅行者にとってはありがたいバーです。マスターは物静かですが、凛としていて気持ちのよい応対をしてくれます。レコード・CDはハードバップ中心で、オーディオも50~60年代のジャズに相応しいものが揃っていて、よい音で聴けます。

すすきの大交差点を越えてバー81へ向かっているところです。

BAR81の入口へ到着。

店内1

店内2。ビル・エヴァンス(p)の「Waltz for Debby」がかかっています。

バックバーには洋酒がずらりと並び、カクテルなども作ってもらえます。
Speaker ; (Network)ALTEC 605A、(Woofer)ALTEC 604C

Power Amplifier : McIntosh MC-225、Pre-Amplifier : McIntosh C-11
LP Player : (Turntable) Garrard301
      (Arm)  SME 3009 Old Model
      (Cartrdge)Ortofon 2M Red
CD Player : Creek Evolution

ビールをもらいました。

中本マリ(vo)

ウェイン・ショーター(ts)。Vee-Jayレーベルのものですが、bar81で聴くと雰囲気が出ます。ハードバップを記録したVee-Jayレーベルのアルバムは、どれもこれも好きです。

【GROOVY(グルーヴィー)】

住所:北海道札幌市中央区南3条西24丁目2-5 稲辺ビル 1F
電話:011-631-8280
営業:10:00~21:00 木曜定休

ホームページ:groovy (食べログのページです)

ジャズファンはもちろんミュージシャンも集うお店です。マスターの人柄がそうさせるのだと思いますが、店内でもライブを開催したり、かつては、ミュージシャンから頼まれて北海道ツァーの段取りを行ったりと、様々な活動を行っているからでもあるのでしょう。教えていただくことが多く、珈琲も美味しいので札幌に来たら必ず寄ります。

お店の外観。

店内。

スピーカーはJBL4312を使用しています。

ラックスマンのアンプを使っています。

窓際には観葉植物が。

今回、これなかなかいいとかけていただいた、市原ひかりの新譜「シングス&プレイズ」

マスターは、ディック・モーガン(p)を気に入っています。新しめのものをかけていただきました。

【JAMAICA(ジャマイカ)】

住所:北海道札幌市中央区南3条西5丁目  3条美松ビル4F
電話:011-251-8412
営業:13:00~翌0:00 定休日:日曜日
ホームページ:ジャマイカ (食べログのページです)

前回は寄らなかったので、久しぶりにジャマイカに入りましたが、相変わらずスピーカーのパラゴンから素晴らしい音が出ていました。1961年創業のお店なので、札幌のジャズファンは通われた方が多いようです。今回初めて入ったジャズ喫茶「喫茶店研究所」のマスターも常連だったと話していました。ジャズに包まれて心地よく過ごせるお店です。

   

入口。

店内1

スピーカー:JBL パラゴンD44000

マッキントッシュのアンプ、トーレンスのレコードプレーヤー、CDプレーヤーはWadiaでしょうか。

アーネスティン・アンダーソンの歌声、レイ・ブラウンのベースの音が素晴らしかった。

コーラを注文。グラスに大きな氷を入れてあって、いかにもジャズ喫茶のコーラという感じが嬉しい。


チャリート(vo)ライブ (6月22日 北海道札幌市Cats & Dogs)

2019-06-28 20:01:32 | 演奏会・ライブ

チャリートは、マニラ出身で東京中心に日本で活躍しているジャズシンガーですが、札幌滞在の2日目にすすきののジャズバー「Cats & Dogs」に出演するというので聴きにいってきました。本人の歌にも興味があったのですが、伴奏の若井優也(p)、楠井五月(b)、山田玲(ds)の演奏を聴きたくて出かけました。

 (出 演)

Charito(vo)(チャリート(vo))
若井優也(p)
楠井五月(b)
山田 玲(ds)

チャリート(vo)

若井優也(p)

右に楠井五月(b)、隠れていますが、山田玲(ds)。

(曲 目)

Spring Has Sprung With A Little Melancholy  (楠井五月作曲)
I've Got The World On A String
So In Love
Dearly Beloved
Watch What Happens
Love for Sale
How Do You Keep The Music Playing?
Fascinating Rhythm

<休憩>

ショパンの練習曲 作品10-6 (若井優也編曲)
New York State of Mind
Dreamer
I Get a Kick out of You
Guess I’ll Hang My Tears Out To Dry
Blue Skies
Nica's Dream (アンコール曲)

(感 想)

若井優也(p)は、キース・ジャレット、ビル・エヴァンスを思わせるところがあり、抒情が感じられました。とりわけ、ピアノのサウンドが美しく印象に残り、現代的な演奏をやったかと思うとファンクにいってみたりと、柔軟性があります。若井さんのピアノを聴くのは初めてですが、日本にもこんなピアニストがいるのかと感心しました。

楠井五月(b)は様々なグループで活躍していて、僕が聴くのは3~4回目ですが、「Love for Sale」では、いきなりチャリートからフューチャーと言われたようで、メロディアスな前奏、伴奏をさっとつけていました。音も豊かです。ドラムスの山田さんは、影に隠れて全く見えず、会場も狭いので大きな音も出していませんでした。どこかでまた聴いてみたいドラマーです。

チャリートの歌を聴くのは初めてですが、大ベテランだけあって、スタンダード曲を自在といった感じで歌っていました。ぐいぐいスイングして盛り上げていましたが、バラードでも最後は絶叫系になるので、そのあたりを落ち着いて歌ってほしいと願いながら聴いていました。

聴衆は30人程度で満席状態でした。なお、前半、後半ともに最初の曲は、ピアノトリオによる器楽曲です。

【Cats & Dogs】

住所:札幌市中央区南4条西5丁目 F45ビル7F
電話:011-231-3611
ホームページ:cats-and-dogs.jp

 

お店の入口。

店内。まだこれからぞくぞく入ってきました。


四季花まる 北口店 (寿司・炉端焼 6月22日 北海道札幌市)

2019-06-27 20:02:02 | グルメ

2泊3日の札幌滞在中、どこかで寿司を食べようと、2日目の6月22日(土)のお昼は、四季花まる北口店(札幌駅の北口です。)へ出かけました。ホテルに置いてあった飲食店紹介の冊子を見たのですが、店内写真から落ち着いて食事ができそうな気がしたからです。

お店は、カウンターも広くゆったりとした店内で期待どおりでした。四季花まるは、回転寿司の根室花まるグループの一店舗ですが、ランチの値段がリーズナブルで、料理の方も美味しくいただきました。さらに、冊子のクーポン券で汁ものの無料サービスも行っていただき、満足しました。

看板が出ているので、比較的わかりやすいです。

地下鉄駅の入口から入ります。

NCO札幌ビルの地下1階になります。この扉をあけて中に入りました。

お店の入口。

ランチメニュー。左上に掲載してある「おさかな自慢のお昼」にしました。

店内広々としています。カウンター席も多く、一人でも入りやすいです。座敷もあり複数でも大丈夫です。

御膳にのって寿司などがでてきました。

お寿司は、珍しいネタはありませんが、それぞれ美味しいものでした。

花咲ガニが入った汁です。

続いて、サバの干物の焼いたものが出てきました。店内で仕込んだものだと話していました。

これは、クーポンで無料でいただいた、本日の汁物です。おおきなアサリでしょうか。

料理が揃ったところです。次回は、夕食に来てもよいと思いました。

【寿司と炉端焼 四季花まる 北口店】

住所:札幌市北区北7条西1丁目2-6 NCO札幌 B1
電話::011-726-0870  
ホームページ:四季花まる 北口店


アン・バートン BALLADS AND BURTON

2019-06-26 20:06:45 | ヴォーカル(A~D)

札幌市では、数は減ったものの中古レコード店が営業をしていて、まだまだレコード探しも楽しめます。まず、地下鉄南北線幌平橋駅近くにあるディスク・エヴァンスへ行き、試聴させてもらったアン・バートン(vo)のレコードの盤質が良かったので購入。次に、市電に乗って音楽倉庫タナカへ行きましたが、こちらは日本盤中心に在庫が豊富でした。エヴァンスで購入したレコード。

ANN BURTON (アン・バートン)
BALLADS AND BURTON (Artone 1969年録音)

  

  

オランダの歌手アン・バートン(vo,1933~89年)は大好きな歌手で、このアルバムのオリジナル盤は持っていたのですが、今回、ディスク・エヴァンスで聴いたものの盤質がそれより良かったので、即購入しました。これは、はるか昔に、下北沢のDisk Union店頭で聴いて、ウェットな歌声、絶妙なテンポ感に飛びついて国内盤レコードを購入して以来の愛聴盤です。

メンバーは、アン・バートン(vo)、ルイス・ヴァン・ダイク(p)、ジャック・スコルス(b)、ジョン・エンゲルス(ds)。4曲にルディ・ブリング(ts)が加わります。ルディ・ブリング(ts)とルイス・ヴァン・ダイク(p)が随所でソロをとり、伴奏もなかなか見事です。

曲目は、「A Lovely Way To Spend An Evening」、「Try A Little Tenderness」、「Bang Bang」、「Someone To Watch Over Me」、「Shadow Of Your Smile」、「It Never Entered My Mind」、「That Old Devil Called Love」、「Here's That Rainy Day」。スタンダード曲ばかりですが、「Bang Bang」は、シェールのヒット曲をジャズ化したものです。

心に沁み込んでくるような、温もりがあり、しっとりとした歌声に癒される作品。アン・バートンにはたくさんのアルバムがありますが、最初の「Blue Burton」と、続くこの「Ballads and Burton」は格別です。一言一言かみしめるように歌われる「A Lovely Way to Spend An Evening」、アン・バートンの個性が出ているバラード扱いの「Shadow Of Your Smile」、情感豊かな名唱といってよい「It Never Entered My Mind」、歌詞がダブルミーニングで、切々と歌うバートンによく似合う「Here's That Rainy Day」など全て素晴らしい。 

【ディスク・エヴァンス(Disc Evans)と音楽倉庫タナカ】

地下鉄幌平橋駅

ディスク・エヴァンス(Disc Evans)

エヴァンスの店内。壁に取り付けたスピーカーからよい音が出てきます。

市電の東屯田通駅で下りれば、音楽倉庫タナカはすぐです。

音楽倉庫タナカ。