安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

コンスタンス・タワーズ「Sings to The Horse Soldiers」、ダイアナ・ドーズ、ティナ・ルイーズ、ジャズ批評「銀幕の歌姫たち」。

2024-08-11 19:30:00 | ヴォーカル(A~D)

連休中なので、ジャズ批評2024年7月号の特集「銀幕の歌姫」中に紹介されている、女優さんのアルバムをまとめて聴いてみました。今回は、歌、ジャケットともに華やかなものです。

   

ジャズ批評2024年7月号表紙。

CONSTANCE TOWERS (コンスタンス・タワーズ)
SINGS TO THE HORSE SOLDIERS (United Artists 1959年録音)

   

コンスタンス・タワーズ(1933年5月20日生まれ)は、1955年に映画デビュー、1959年に「ホース・ソールジャーズ(Horse Soldiers)」に出演、以降スリラー映画で主役を演じるなど活躍。1965年にはブロードウェイミュージカルにデビューし、「王様と私」の復活公演ではユル・ブリンナーと共演。テレビ出演も多い。

コンスタンス・タワーズは、ジュリアード音楽院で歌を学び、ミュージカルにも出演するなど、歌は本格派です。編曲は、アーヴィング・ジョセフが担当し、オーケストラの指揮も行っています。

曲目は、次のとおり。

(レコードA面)

1  There's Something About A Soldier (Gay)
2  My Johnny (Lewis-Joseph-Amsterdam)
3  Constantly (Burke-Van Heusen)
4  God Bless The Child (Holiday-Herzog, Jr.)
5  You'd Be So Nice to Come Home To (Cole Porter)
6  Good Luck, Good Health, God Bless You (Adams-Leroyal)

(レコードB面)

1  The Prayer (Bernstein-Lewis-Neff)
2  Evertime We Say Goodbye (Cole Porter)
3  Black is The Color (P.D.  Arr. Irving Joseph)
4  Home (Van Steeden-A. Clarkson-J. Clarkson)
5  Lorena (P.D.  Arr. Irving Joseph)
6  Till We Meet Again (Whiting-Egan)
コール・ポーター作の「You'd Be So Nice to Come Home To」と「Evertime We Say Goodbye」やビリー・ホリデイが歌った「God Bless The Child」など、お馴染みの曲も含まれています。

コンスタンス・タワーズについては、ジャズ批評誌2024年7月号で茂木亮さんが『銀幕と歌姫をリンクさせたUNITED ARTISTSの功績』(68~69p)に本アルバムを紹介していて、「本格的なヴォーカル・アルバムになっている。」と記しています。まさにそのとおりで、ストレートに歌っていて、ジャジーさは少ないものの、楽しめます。「My Johnny」や「Constantly」、「God Bless The Child」、「You'd Be So Nice to Come Home To」と続くA面を聴くことが多いです。

   

レコードのラベル。

   

1960年のコンスタンス・タワーズ。

(参考)このレコードの収録曲は見当たらなかったので、ミュージカル「王様と私」から「Shall We Dance」を。

Yul Brynner & Constance Towers On The 1977 MDA Telethon - YouTube

 

(安曇野市宅で聴いているところ)

飾ってあるレコードは、右からティナ・ルイーズ「It's Time For Tina」(Concer Hall Flesh Sound再発盤、本作コンスタンス・タワーズ「Sings to The Horse Solders」(United Artist オリジナル盤)、ダイアナ・ドーズ「Swingin' Dors」(Columbia 米国オリジナル盤)。

ティナ・ルイーズとダイアナ・ドーズのジャズ批評誌2024年7月号の紹介ページを掲げます。

   

上記アルバムの拙ブログ記事へのリンク

   

上記アルバムの拙ブログ記事へのリンク。女優さんのアルバムでは、このダイアナ・ドーズのものを最も聴いてきました。


ドリス・デイ「DAY IN HOLLYWOOD」、ジャズ批評2024年7月号「銀幕の歌姫たち」。

2024-07-21 19:30:00 | ヴォーカル(A~D)

今月(2024年7月)号のジャズ批評誌は、「銀幕の歌姫」を特集し、ヴォーカルアルバムが多数紹介されています。アナ・マリア・アルバゲッティ、シビル・シェパードに続き、ドリス・デイを聴いてみました。

   

ジャズ批評2024年7月号表紙

(ドリス・デイの紹介ページ)

   

DORIS DAY (ドリス・デイ)
DAY IN HOLLYWOOD (COLUMBIA 1950~55年録音)

   

ドリス・デイ(vo,  1922~2019年)は、元々歌手としてスタートし、レス・ブラウン楽団の専属歌手であった、1945年に「センチメンタル・ジャーニー」の大ヒットを飛ばします。映画の方は、1948年から出演を始めましたが、こちらも演技派として、数多くのヒット作に出演しています。

このアルバムは、1950~55年の間のミュージカル映画から、ドリス・デイが歌った曲を12曲集めたもので、米国で、1956年に発売されました。僕の持っているのは、日本発売のレコードです。

曲目は次のとおり。

1  Tea For Two
2  Lullaby of Broadway
3  Cuddle up a little Closer
4  I Mya Be Wrong
5  Makin' Whoopee!
6  Be My Little Baby Bumble Bee
7  Secret Love 
8  Till We Meet Again
9  Ain't We Got Fun?
10  Just One of Those Things
11  It Had to Be You
12  Love Me or Leave Me
古いスタンダード曲が選曲されています。1953年の映画『カラミティ・ジェーン』で歌われた「Secret Love」は、ポール・フランシス・ウェブスター(詞)とサミー・フェイン(曲)によるオリジナル・ソング。

ドリス・デイは、「銀幕の歌姫」ではあるものの、歌手が映画女優になった例なので、他の女優さんとは、正反対です。どんなものを歌っても、聴いている人に語りかけてくるようで、とりわけ、ミディアムテンポにおける安定感抜群の歌には、惚れ惚れします。本作は、オムニバスですが、「Tea For Two」、「Lullaby of Broadway」、「Secret Love」、「Just One of Those Things」そして「Love Me or Leave Me」と、ポピュラー黄金時代の名曲を最高の歌声で楽しめます。

(参考)本作から「Secret Love」が聴けます。

Doris Day - Secret Love (youtube.com)

(安曇野市宅で聴いているところ)

飾ってあるレコードは、右から「Young Man with a Horn」(CBS  国内盤)、本作「Day In Hollywood」、「Love Me or Leave Me」(サウンドトラック、Columbia オリジナル盤)。


シビル・シェパード「VANILLA」、ジャズ批評2024年7月号「銀幕の歌姫たち」。

2024-07-14 19:30:00 | ヴォーカル(A~D)

今月(2024年7月)号のジャズ批評誌は、「銀幕の歌姫」を特集。ヴォーカルのアルバムが数多く紹介されています。アナ・マリア・アルバゲッティを既に取り上げましたが、2回目はシビル・シェパードです。

スタン・ゲッツが共演した「Mad About The Boy」(その記事へのリンク)は2010年9月に拙ブログで取り上げましたが、今回は、メンフィスで録音され、フィニアス・ニューボーン(p)が共演した「Vanilla」です。

     

ジャズ批評2024年7月号表紙

   

シビル・シェパード紹介のページ。

CYBILL SHEPHERD (シビル・シェパード)
VANILLA (Peaboy 1978年録音)

   

シビル・シェパード(vo, 1950年生)は、映画「タクシー・ドライバー」やテレビシリーズ「こちらブルームーン探偵社」に出演しているので、日本でも知られている女優さんだろうと思います。歌の方も、本格的です。

シェパードは、テネシー州メンフィス出身で、同地で録音した「Vallia」は、フィニアス・ニューボーン(p)、ジャミール・ナッサー(b)、Fred Ford and His Beale St. USA Orchestra、による伴奏。編曲は、同OrchestraのEdger Matthewsによるものです。

曲目は、次のとおり。

1  I Can't Give You Anything But Love (Jimmy McHugh)
2  More Than You Know (Vincent Youmans)
3  Vanilla   (S. Silverstein)
4  Ain't Misbehavin' (Thomas Waller,  Harry Brooks)
5  When It's Sleep Time Down South (Rene,  Rene)
6  'S Wonderful (George Gershwin,  Ira Gershwin)
7  I Didn't Know What Time It Was (Richard Rodgers,  Lorenz Hart)
8  My Ship (Kurt Weill)
9  A Foggy Day (George Gershwin,  Ira Gershwin)
スタンダード曲集です。良く知られた曲が多いですが、「Vanilla」は、わかりませんでした。コマーシャルソングかもしれません。「When It's Sleep Time Down South」(南部の夕暮れ)は、ルイ・アームストロングの持ち歌として有名。

掲示したジャケットはCDのものです。レコードが欲しいのですが、なかなか困難で、未入手です。シビル・シェパードは、フェイクも交えて歌い、声は伸びています。編曲はややうるさくて今一つですが、フィニアス・ニューボーンのピアノも聴けるので、入手してもよいアルバム。シビルが軽快にスイングした「I Can't Give You Anything But Love」では、ニューボーンの華麗なロングソロが楽しめ、バラードの「More Than You Know」と「My Ship」も、しっとりとしていい雰囲気です。

安曇野宅で聴いているところ。飾ってあるのは、シビル・シュエパードのリーダー作で、右から「Cyvill Does It to....Cole Porter」(Paramount オリジナル盤)、本作「Vanilla」(CD)、「Mad About The Boy」(Inner City 仏再発盤)。

(出演映画などから)

   


アナ・マリア・アルバゲッティ「I CAN'T RESIST YOU」、ジャズ批評2024年7月号「銀幕の歌姫たち」。

2024-06-29 19:30:00 | ヴォーカル(A~D)

今月(2024年7月)号のジャズ批評誌は、「銀幕の歌姫」を特集。海外・日本で活躍した総勢65人の歌うヒロインを一挙紹介という内容です。ヴォーカルのアルバムが数多く紹介されていて、楽しめました。

演技ができて、歌も歌えるという人は、豊かな才能があるごく限られた人だと改めて思いました。紹介されている中から何人か取り上げていきますが、まず、アナ・マリア・アルパゲッティを。

   

ジャズ批評2024年7月号表紙

   

アナ(アンナ)・マリア・アルパゲッティの紹介ページ。

ANNA MARIA ALBERGHETTI  (アナ・マリア・アルバゲッティ)
I CAN'T RESIST YOU (CAPITOL 1957年録音)

   

アナ・マリア・アルバゲッティ(女優、歌手 1936年生)は、イタリアのペーザロ生まれ。ブロードウェイでスターとなり、1962年に『カーニバル!』でトニー賞主演女優賞(ミュージカル)を受賞。映画では、『底抜けシンデレラ野郎』が知られていると思います。

このアルバムの伴奏は、ヴァン・アレキサンダー楽団が担当。編曲が良くできていて、弦を入れてしっとりなところもあり、ややクラシカルなアルバゲッティの歌をポピュラー寄りにしています。

曲目は。次のとおり。

1  I'm Glad There Is You (Jimmy Dorsey,  Paul Merz)
2  They Didn't Believe Me (Jerome Kern,  Hebert Reynolds)
3  Tenderly (Walter Gross,  Jack Lawrence)
4  I Only Have Eyes for You (Al Dubin,  Harry Warren)
5  My One and Only Love (Rovert Mellin,  Guy Wood)
6  I Can't Resist You (Will Donaldson,  Ned Wever)
7  I've Got a Crush on You (Geroge Gershwin,  Ira Gershwin)
8  I Concentrate on You (Cole Porter)
9  Don't Blame Me (Dorothy Fields,  Jimmy McHugh)
10  With Every Breath I Take (Ralph Rainger,  Leo Robin)
11  Too Young (Sylvia Dee,  Sidney Lippman)
12  I'll See You in My Dreams  (Isham Jones,  Gus Kahn)
よく知られたスタンダード曲特集です。最後が「I'll See You in My Dreams」で、後をひくように聴き終わりました。
 
父親がオペラ歌手、母親がピアニストで、アナ・マリアは才能に恵まれて12歳でヨーロッパ各地で歌い、14歳ではカーネギーホールでデューしています。歌の方は、基本的にクラシカルのソプラノで、ミュージカルで活躍しています。リーダー作は、4枚と思われ、他に、ミュージカル「CARNIVAL」のオリジナル・キャスト盤があります。音源は全部持っていますが、ヴォーカルファン向けの一番は、この「I Can't Resist You」です。気品のある歌声に、ストリングスが絡んで夢の世界に連れて行ってくれます。「I Only Have Eyes for You」をはじめどれも良し。

   

当時のキャピトルのアルバムは、ジャケットの裏面にもイラストが描かれていて、豪華です。

(参考)本作から「I Only Have Eyes For You」が聴けます。

I Only Have Eyes For You - Anna Maria Alberghetti - YouTube

 

(出演映画から)

(安曇野市宅で聴いているところ)

飾ってあるレコードは、アナ・マリア・アルバゲッティのアルバムで、右から「Love Makes The World Go Round」(MGM オリジナル盤)、本作「I Can't Resist You」(Cpitol 東芝盤)、「Warm and Willing」(Capitol オリジナル盤)、「Songs by Anna Maria Alberghetti」(Mercury オリジナル盤)。


アン・リチャーズ「THE MANY MOODS OF ANN RICHARDS」、コメダ珈琲の「スイート・パープル・モンブラン」でお茶タイム。

2023-11-26 19:30:00 | ヴォーカル(A~D)

久しぶりに、コメダ珈琲で午後のお茶タイム。「スイート・パープル・モンブラン」というケーキをいただきましたが、形、味ともに映える一品でした。ジャケットが映えるアン・リチャーズ(vo)のアルバムを。

ANN RICHARDS (アン・リチャーズ)
THE MANY MOODS OF ANN RICHARDS (Capitol 1959年録音)

   

アン・リチャーズ(1935~1982年)は、サンフランシスコで歌い始め、チャーリー・バーネット楽団で短期間歌い、1955年にスタン・ケントン楽団に参加し、ケントンと結婚(1961年に離婚)。美貌で知られ、プレイボーイ誌の表紙を飾ったことでも有名。離婚後、5枚のアルバムを録音し、これは2枚目。

メンバーは、アン・リチャーズ(vo)、ラルフ・カーマイケル(arr, cond)、ビル・ホルマン(arr, cond)など。ビッグバンド、コンボ、ストリングスを曲によって使い分けています。

曲目は、次のとおり。

1  By Myself (Arthur schwartz,  Howard Dietz)
2  Be Easy, Be Tender (Joe Greene)
3  Where Did You Go? (Jordu) (Duke Jordan,  Norman Mapp)
4  I'm Gonna Laugh (Cy Coleman,  Joseph Allen McCarthy)
5  I Gotta Have You (Arnold Horwitt,  Richard lewine)
6  Lazy Afternoon (Jerome Morass,  John Latouche)
7  Something's Coming (Lenard Bernstein,  Stephen Sondheim)
8  Everytime (Hugh Martin,  Ralph Blane)
9  When The Sun Comes Out (Harold Arlen,  Ted Koehler)
10  Poor Little Extra Girl (Mel Torme)
11  Seasons Reasons (Joe Greene)
12   I'm Late (Sammy Fain,  Bob Hilliard)
「By Myself」、「Lazy Afternoon」、「Something's Coming」、「When The Sun Comes Out」といったスタンダード曲に加え、メル・トーメ作「Poor Little Extra Girl」といった珍しいものも。「Where Did You Go?」は、デューク・ジョーダン作曲「Jordu」に歌詞をつけたもので、お楽しみ曲。

「The Many Moods」というタイトルどおり、アン・リチャーズ(vo)のいろいろな面が楽しめます。改めて聴いてみると、バラード「Be Easy, Be Tender」や「Lazy Afternoon」あたりに、同じくケントン楽団に在籍したジューン・クリスティの影響が感じられます。「Something's Coming」や「I'm Late」では軽妙にスイングし、ピアニストのデューク・ジョーダン作「Jordu」の歌ヴァージョン「Where Did You Go?」はブルージーさも感じられる佳いアルバム。

(参考)本アルバムから「Where Did You Go?」(デューク・ジョーダン作曲「Jordu」)が聴けます。

Ann Richards - Where did you go (Jordu) - YouTube

安曇野市宅で聴いているところ。飾ってあるレコードは、いずれもアン・リチャーズのリーダー作で右から「Ann Man!」(ATCO オリジナル)、本作「The Many Moods of Ann」(Capitol 国内盤)、「Too Much」(Capitol 国内盤)。

   

最近、入手した「Ann, Man?」のオリジナル盤。ジャケットにビニールをかけてあるので鮮明ではありませんが、美貌はさすがです。

   

上記レコードのラベル。これは、プロモーション盤です。

「Ann, Man!」も聴いてみました。声質、声量など素質ではケントンガールズの中でもピカイチだと思います。右から、「Ann, Man!」(日本盤)、「Ann, Man!」(オリジナル)、そして、「Ann, Man!」で伴奏を務めているバーニー・ケッセル(g)の「On Fire」を並べてみました。

 

【コメダ珈琲店上田緑が丘店】

住所:長野県上田市緑が丘1丁目1番6号
電話:0268-71-5133
ホームページ:コメダ珈琲店 (komeda.co.jp)

   

2024年の福袋の注文用紙が置いてありました。内容が良さそうなので、注文予定。 

店内

おすすめケーキが4種類ありました。

ケーキセット

スイート・パープル・モンブラン。『濃厚、なめらかでやさしい甘さの紫いもモンブランクリームが絶品。カスタードホイップの甘さ、ココアスポンジのほろ苦さがアクセント』だそうです。

切り分けたところ。中のクリームも美味しかった。

飲み物は、カフェオーレにしました。