安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョン・ヒックス IN CONCERT

2009-12-27 21:09:18 | ピアノ

夜遅くまで居酒屋やスナックの梯子を続けていたためか、とうとう風邪にかかってしまいました。土曜日になじみのお医者さんにいって薬をもらい、今日は午前中ずっと寝ていました。幸いインフルエンザではなさそうです。さすがに寝ているのも飽きたので、ジャズを聴こうと取り出したのはレーベル名が優しそうなTheresaレーベルの作品です。

JOHN HICKS (ジョン・ヒックス)
IN CONCERT (Theresa 1984年録音)

 Inconcertjohnhicks

はじめてTeresaレーベルを知ったのは、ファラオ・サンダース(ts)の「LIVE」をあるジャズ喫茶で聴いたからですが、まさに激烈、痛快な一枚で、すぐに買いに走りました。Theresaは80年代に現れた硬派レーベルだと、その時目を見張りました。今日聴いたのは、ジョン・ヒックス(p)の同レーベルにおける3枚目のリーダー作です。

ヒックスは、アート・ブレイキーのジャズ・メッセンジャーズの一員で1965年に来日しており、亡くなる2006年まで活躍を続けました。歌の伴奏を行うなど間口の広いピアニストですが、力強く鍵盤を弾き切るプレイが印象に残ります。

本作品は西海岸ツァーでのライブ録音です。メンバーは、ヒックス(p)の他、ウォルター・ブッカー(b)、アイドリス・ムハマッド(ds)のトリオに曲によりボビー・ハッチャーソン(vib)、エリーゼ・ウッド(fl)が加わります。1曲目はピアノソロによる「Some Other Time/Some Other Spring」ですが、途中ラフマニノフの「パガニーニの主題による狂詩曲」の響きを想起させるところがあったり、美しい演奏です。

ハッチャーソンが加わったS・ロリンズ作の「Paul's Pal」、ピアノ・トリオの「Pas de Trois」、ピアノとフルートのデュオで「Say It」、トリオのM・ウォルドロン作「Soul Eyes」とLPでは5曲です。「Pas de Trois」や「Soul Eyes」における疾走感溢れるアドリブでヒックスは本領発揮しています。風邪にはよくないでしょうが、興奮しました。


ジョー・モレロ COLLECTIONS

2009-12-23 20:24:17 | ベース・ドラムス

先日、歯医者さんに行きましたが、その際歯ブラシの使い方を教えてもらいました。僕の場合、こする圧力が強すぎるので、もっと弱く小刻みに動かせという指導でした。ここ2~3日はついゴリゴリとやりたくなるのを我慢してサワサワと動かしています。でも、親しくなった歯科衛生士さんいわく、「歯は生まれついての素材がよくなきゃ結局だめなの」とのことです(笑)。ブラシの名手のアルバムです。

JOE MORELLO (ジョー・モレロ)
COLLECTIONS (INTRO 1957年録音)

 Collections_joe_morello

ブラシの名手というと、すぐに頭をよぎるのは、スイング時代の名ドラマー、ジョー・ジョーンズで、レイ・ブライアントがピアノに座ったアルバムはモダンファンにも知られていると思います。モダンの方で、僕がすぐに思い浮かぶのは、ジョー・モレロです。

ジョー・モレロは、録音当時はデイブ・ブルーベック・カルテットの一員となり、目覚ましい活躍をはじめたところです。その前にはマリアン・マクパートランド・トリオなどで十分な実績があったわけですが、ブルーベックの下での印象が強いです。リーダー・アルバムは少ないですが、初リーダー作がこの作品です。

メンバーの顔ぶれがユニークで、アート・ペッパー(as)、レッド・ノーヴォ(vib)、ハワード・ロバーツ(g)、ジェリー・ウィギンス(p)、ベン・タッカー(b)そしてモレロのドラムスです。ペッパーが5曲に参加しているのがアルバムの価値を高めています。

モレロは、「Yardbird Suite」や「Straight Life」でブラシの名人芸を披露しています。後者におけるペッパーのプレイは、乗りのよさとスピード感が出ていて素晴らしい。他にも、ペッパーの舞いあがるようなアルト・サックスが聴ける「You're Drivin' Me Crazy」や、ハワード・ロバーツをフューチャーした「Little Girl」など、聴きどころの多いアルバムです。


バルネ・ウィラン FRENCH BALLADS

2009-12-13 23:08:11 | テナー・サックス

久しぶりに安曇野市に帰ったので、母を車に乗せて温泉(市営の日帰り温泉です。)に連れて行きました。もちろん自分も入浴してきましたが、帰宅後ちょっと遅い昼ごはんを食べると、猛烈な眠気が襲ってきたので昼寝をしました。最近、集会や宴会で夜も忙しいので、体が疲れているせいでしょうか。起きてから、こういう日曜日にはバラードでも楽しもうと、バルネの作品を聴いてみました。

BARNEY WILEN (バルネ・ウィラン)
FRENCH BALLADS (IDA 1987年録音)

 Frenchballads

バルネ・ウィランといえば、「Barney」(RCA)などで聴かれるように、フランスの1950年代を代表するテナー・サックス奏者ですが、60年代、70年代は目立った活動が見られませんでした。86年になり「ラ・ノート・ブルー」を録音してカムバックし、翌年録音したのが、この作品です。

フレンチ・バラッズという名前からして企画もののイメージがありますが、そのとおりでフランスのシャンソンや、ミシェル・ルグランの映画音楽に題材をとって演奏をしています。メンバーは、バルネの他にミシェル・グライエール(p)、リカルド・デル・フラ(b)、サンゴマ・エベレット(ds)で、グライエールのピアノにも注目です。

曲は、日本語で記します。シャンソンの「詩人の魂」、「パリの空の下」、「マイ・ウェイ」、「枯葉」、「バラ色の人生」、「シラキューズ」、「今宵ただ一人」、そしてミシェル・ルグラン作曲「これからの人生」、「思い出の夏」、「ワンス・アポン・ア・タイム」、「風のささやき」、ジャンゴ・ラインハルト作曲「夢の城」、「ティアーズ」の13曲。メロディを知っているものが多いので、どう展開しているか興味が湧きます。

「マイ・ウェイ」を初めて聴いたときに、結婚式場でよく流れているなあと変な感想を持ちましたが、バルネの音が優しくてそんな感覚を持ちました。「枯葉」はうれしいことに前奏の3連音符を吹いてくれます。「パリの空の下」や「詩人の魂」も緩急をつけた美しい出来ですが、実は一番の聴きものは「ティアーズ」におけるピアノ抜きのトリオ演奏で、スリリングなプレイが続きます。

ホームページに、ミッチ・ゲイナー(ヴォーカル)を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ミッチ・ゲイナー


モニカ・ゼッタールンド MAKE MINE SWEDISH STYLE

2009-12-06 08:46:40 | ヴォーカル(L~R)

4日の金曜日に今シーズン初めての忘年会に参加しました。以前勤務していた職場の小人数な集まりで、和気あいあいとやってきました。会場は松本市内だったので長野と松本を電車で往復しましたが、帰りはぐっすりと寝込んで、声をかけられなければ長野駅を乗り過ごすところでした。声をかけてくれた女性(綺麗な方でした)に感謝で、親切な方もいるのだと明るい気持ちになりました。美人女優のアルバムです。

MONICA ZETTERLUND (モニカ・ゼッタールンド)
MAKE MINE SWEDISH STYLE (PHILIPS 1964年録音)

 Makemineswedishstyle

スウェーデンの女優兼歌手のモニカ・ゼッタールンドは、ピアニストのビル・エヴァンスと共演したアルバムによってよく知られています。彼女のアルバムは多数あり復刻もされていますが、これは1964年にロンドンで英国のミュージシャンと録音したものです。

母国語で歌うことも多いモニカですが、ここではすべて英語により歌っています。また、クインテット編成でスイングする伴奏が心地よいです。メンバーはビル・マクガフィー(P)、ジミー・デューチャー(TP)と名前は不明ながらギター、ベース、ドラムスで曲によりボンゴが加わります。

曲目は、スタンダードばかりです。「Speak Low」、「The Thrill is Gone」、「The More I See You」、「He's My Guy」、「Detoure Ahead」、「What's New」、「Left Alone」、「Blue Prelude」、「The Second Time Around」、「You've Changed」の10曲。つい他の女性歌手の歌と比較してしまいそうです。

ややハスキーながら透明感のある声で、抑揚を抑えた歌い方です。ピアノの伴奏もスウィンギーな「Speak Low」、バラードでクール気味な声が合っている「Detoure Ahead」、トランペットのソロも入る「What's New」、ペギー・リーを想起させる「Blue Prelude」、そして「You've Change」など有名曲が楽しめる一枚です。

ホームページにジャズ喫茶として「書翰集」を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう 書翰集

松本駅前の彫刻(ヴァイオリン奏者) 22時ごろ

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