安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

コニー・スティーヴンス AS CRICKET

2011-11-27 21:45:22 | ヴォーカル(A~D)

今日、今シーズン初めて灯油を買いに行ってきました。今までは、エアコンの暖房で大丈夫でしたが、ここのところの冷え込みでさすがにストーブがほしくなりました。ことに奥様が寒がりで、日本だったら愛媛県、外国だったらハワイに住みたいそうです。僕は、松山市(愛媛県の県庁所在地)は何回も訪れたことがあり、ハワイにも行ったことがあるので、その気持ちはわからないでもないです。ハワイがらみで、オールディーズの歌手(女優)です。

CONNIE STEVENS (コニー・スティーヴンス)
AS CRICKET (WARNER BROS. 1960年録音)

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コニー・スティーヴンスは、オールディーズファンの間で人気が高くて、日本盤のシングルはなかなか出ないし、出ても高価で、とうに僕は集めるのを諦めています(笑)。しかしながら、彼女のミラクル・シュガー・ヴォイスは、たまにどうしても聴きたくなるので、CDやLPのアルバムは、そこそこ持っています。本来は女優さんなのでしょうが、歌手としても60年代は大いに活躍しました。

彼女は、1959年から放映を開始したテレビ映画「ハワイアン・アイ」にCricket Blakeという名前のクラブ歌手として出演し、歌の方も披露し、「The New Singing Sensation of Television」と言われ、テレビから巣立ったアイドルのさきがけでした。ハワイアン・アイの中では、スタンダードを歌っていたようですが、この第2作目のアルバムでは、キュートな声を生かして、ティーンポップ路線の曲も収録されました。

曲は、「Sixteen Reasons」、「On A Slow Boat to China」、「Too Young to Go Steady」、「A Little Kiss is A Kiss is A Kiss」、「Why Try To Change Me Now」、「Love of The Month Club」、「Apollo」、「Too Young」、「Lulu's Back in Town」、「Why Do I Cry For Joey?」、「Let's Do It」、「The Trolley Song」の12曲。「Sixteen Reasons」は、ビルボードHot100の最高第3位の大ヒット、「Too Young to go Steady」は71位を記録しました。

胸キュンの歌声に、甘くひねりの効いたストリングス、バックの三連音符を刻むピアノの音、彼女の歌声に被さるコーラスと、たまりません。ヒット曲の「Sixteen Reasons」、「Too Young to Go Steady」、そして「Why Do I Cry For Joey?」とこの路線です。「On a Slow Boat to China」(中国行きのスローボート)をはじめ、「Too Young」、「Let's Do It」、「Lulu's Back In Town」といった、ソニー・ロリンズ、ナット・キング・コール、メル・トーメらの演奏や歌でおなじみのスタンダードも彼女のキュートな歌いぶりで楽しめます。

【HAWAIIAN EYEのサウンド・トラック盤】
本文のジャケット写真は、CDのものです。このサウンド・トラック盤は、ワーナーのオリジナルLPですが、彼女の歌は、「Let's Do It」が1曲収録されているだけです。

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【今日(2011/11/27)の安曇野市御宝田(白鳥飛来地)の光景】

買い物のついでに、よってみたら白鳥が既に多数来ていました。天気がよかったので、北アルプスの山を入れて撮ってみました。

   Gohouden20111127


ジョージ・ベンソン THE GEORGE BENSON COOKBOOK

2011-11-23 22:04:54 | ギター

タワーレコード長野店は閉店しましたが、ポイントが920点も残っていて、もったいないので、あと80点増やし1000円分として使おうと、上田市(長野県)のイオンショッピングセンター内にあるタワレコまで、ドライブも兼ねて買い物に行ってきました。ジャズの品揃えは少ないですが、東芝EMIのシリーズものなどが置いてありました。そう遠くないので、また遊びに行くことにします。行き帰りの車の中で聴いていたアルバム。

GEOREGE BENSON (ジョージ・ベンソン)
THE GEROGE BENSON COOKBOOK (Columbia 1966年録音)

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ポップスやリズム&ブルースなどジャンルを超えてスターとなったジョージ・ベンソン(ギター、歌)ですが、初期のアルバムはジャズ色が濃いものもあります。このアルバムは、その一つですが、調子のいいナンバーが多く、ドライブのお伴にも重宝しています。ベンソンには「This Masquerade」などのヒット曲がありますが、ここでも「All of Me」を歌っています。

メンバーは、ジョージ・ベンソン(g、vo)、ロニー・スミス(org)、ロニー・キューバー(bs)、ビリー・ケイ(ds)、曲によりベニー・グリーン(tb)などが加わります。この顔ぶれを見ると、ギターとオルガンという、どちらかというとリズム&ブルース寄りの音が聴こえてきそうですが、バリトン・サックスを加えた編成が興味を惹きます。

曲は、ベンソンの自作が多く、「The Cooker」、「Benny's Back」、「Big Fat Lady」、「Benson's Rider」、「The Borgia Stick」の5曲、スタンダードの「All of Me」、J・スミス作「Ready and Able」、H・Ousleyの「Retern of The Prodigal Son」、そしてレスター・ヤングの「Jumpin' With Symphony Sid」の全10曲。CDでは、他に4曲が追加されています。

レスター・ヤング作「Jumpin' With Symphony Sid」を聴きたくて入手したレコード(後にCDも購入)ですが、ほとんど4ビートではなくて8ビートで、オルガンも入りR&Bよりです。ベンソンのギタープレイは定評あるところですが、キューバー(bs)とユニゾンでテーマを弾くなど音色的にも面白いものです。ベニー・グリーン(tb)を迎えての「Jumpin' With Symphony Sid」が好みですが、出来からすると演奏だと「The Cooker」、そしてシャウトを交えて歌っている「All of Me」が素晴らしく、はじめから専業歌手でもいけたのだと感嘆しました。

【タワーレコード上田店】

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【北アルプス 常念岳 2011/11/23】

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 安曇野市内からの今日の常念岳です。ようやく、雪が見えてきました。   


レイン・デ・グラーフ DRIFTING ON A REED 

2011-11-20 11:51:16 | ピアノ

シクラメンの鉢を、生産している方からいただきました。花の形状が細かく複雑で、色合いがすっきりとして、可憐な中にも華やかさが感じられます。鉢をひとつ置いたら、部屋が急に賑やかになりました。長野県では、カーネーション、アルストロメリア、トルコギキョウなどが多く生産されていますが、シクラメンの栽培も盛んですし、技術も高いようです。花の栽培が盛んなオランダのピアニスト。

REIN DE GRAAFF (レイン・デ・グラーフ)
DRIFTING ON A REED (Timeless 1976~77年録音)

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オランダのピアニストで、すぐ名前が出てくるのは、ミシャ・メンゲルベルク、シーズ・スリンガー、ヤン・ハイツ、ピム・ヤコブス、ルイス・バン・ダイクらですが、このレイン・デ・グラーフも同国を代表する一人だと思います。グラーフは、ディック・ベニーク(ts)と組んだバンドで、コルトレーンに近づいた演奏もしていて、「Cloud People」や「Point of No Return」では、カルテットによる熱演が聴けます。

カルテットによるものは、マッコイ・タイナーの手法を取り入れていますが、ピアノ・トリオによる「Drifting On A Reed」は、タイトルからもわかるとおり、バップ~ハードバップ色の濃い内容になっています。メンバーは、レイン・デ・グラーフ(p)、ヘンク・ハヴァーホック(b)、リロイ・ウィリアムス(ds)。ただし、「Autumn Leaves」だけは、グラーフ(p)、Roger Cooke(b)、Eric Ineke(ds)によるライブ録音。

曲は、有名ジャズ・オリジナルとスタンダードが主で、C・パーカーの「Drifting on a Reed」、D・ガレスピーの「Anthropology」、G・フラーの「「I Waited for You」、K・ドーハムの「Blue Bossa」(ブルー・ボッサ)、A・シュワルツの「Alone Together」、J・コスマの「Autumn Leaves」(枯葉)、それにグラーフの3作「For Lennie and Lee」、「Sunrise」、「Lonely Friday Blues」の9曲。

「Drifting on a Reed」では、グラーフは、パウエル直系というべきプレイをしていて、迫力が感じられます。「Alone Together」は、右手で長いラインを描き、詩情豊かなところを聴かせ、「Blue Bossa」は、ルパートによる前奏から、リズムに乗ったテーマ、ソロと続き期待に応えてくれる楽しいプレイ。「Autumn Leaves」におけるグラーフのソロは、細かな音符によるフレーズを交ぜて、力強い展開をしています。「Anthropology」でフェンダー・ピアノを使っていますが、意外にフワフワとしたタッチが、この曲には似合っていました。

【シクラメンの鉢】

本文でふれたのは、2枚の写真のうちの上のものです。窓辺においたものを携帯電話のカメラで撮影したので、写りがあまりよくありませんが、全体の雰囲気だけでもわかっていただければ嬉しいです。

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ジぜル・マッケンジー MAM'SELLE GISELE

2011-11-16 23:00:40 | ヴォーカル(E~K)

きのうの火曜日は、長野県松本文化会館(コンサートホール)で行われた、催し物にいってきました。開会時間より早く着いたので、近くを散歩してみました。このあたりには、運動公園、信州大学のキャンパスなどもあり、散歩するにもいい場所です。落葉した木々が目立ちましたが、イチョウの黄色い葉は残っているものもありました。今年は、暖かくて本格的な寒さはこれからでしょうか。「枯葉」をフランス語で聴いてみます。

GISELE MacKENZIE (ジゼル・マッケンジー)
MAM'SELLE GISELE (VIK 1956年録音)

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ジゼル・マッケンジーは、出身はカナダですが、アメリカでヒット曲を放ち、ラジオ、テレビで活躍したポピュラー歌手です。このアルバムは、シャンソンを取り上げて、フランス語で実に自然に歌っています。この季節にちょうどいい内容ですが、伴奏は、弦によるものだけでなく、ビッグ・バンドの編曲もあり、変化がつけられています。

編曲は、ジョージ・シラヴォ、シド・バス、二ール・へフティが担当し、曲によりコーラスが被ります。曲は、「C'est si Bon」(セ・シ・ボン)、「Autumn Leaves」(枯葉)、「La Vie en rose」(バラ色の人生)、「September in The Rain」(9月の雨)、「The River Seine」(ラ・セーヌ)、「Under Paris Skies」(パリの空の下)、「Passing By」(去りゆく君)、「Tell Me That You Love Me」(過ぎゆくはしけ)、「Dinner For One Please James」、「Comme Ci, Comme Ca」、「Hands Across The Table」、「Cherry Pink and Apple Blossom White」(チェリー・ピンク)の12曲。

軽くリズムに乗り、長い音も無理なく出していて、ゆとりのある感じがします。「枯葉」は、ジゼルの品の良い歌が聴けますが、弦楽器による定番の伴奏もムードを高めています。「九月の雨」は、意表を突いてかなりのスローテンポで歌われます。僕の大好きな曲「パリの空の下」、そして「Tell Me That You Love Me」、「Cherry Pink And Apple Blossome White」(ペレス・プラード楽団のヒット曲「セレソ・ローサ」の原曲)など、優しい歌声による懐かしいメロディを堪能しました。

【松本市内の光景】

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ハワード・マギー MAGGIE'S BACK IN TOWN

2011-11-13 21:22:01 | トランペット・トロンボーン

映画については、コメディやドラマ、ミュージカルなどが好みで、アクションやスパイ物はパスしていました。しかし、このごろは派手なアクションものにも慣れてきて、そういうものも受け付けるようになり、1950年代のロサンゼルス市警が舞台の刑事もの「L.A.コンフィデンシャル」を借りてきて観ました。時間の経つのを忘れさせ、ドキドキハラハラもある面白い映画でした。今夜は、ロサンゼルス録音の明るいジャケットのアルバムにしてみます。

HOWARD McGHEE (ハワード・マギー)
MAGGIE'S BACK IN TOWN (CONTEMPORARY 1961年録音)

 Maggiesbackintown

ハワード・マギーは、チャーリー・パーカーとの共演歴もあるバップ・トランペッターですが、麻薬の悪癖により、キャリアに中断期間があるので、ベツレヘムの「The Return of Howard McGhee」(1955年録音)、この「Maggie's Back in Town」と、タイトルにリターン、バックという文字が目につきます。空白期間後のこの2作がいい出来なのは、やはり本来の実力がものをいっているのでしょう。

トランペットのワン・ホーン・アルバムで、ハワード・マギー(tp)、フィニアス・ニューボーン・ジュニア(p)、ルロイ・ヴィネガー(b)、シェリー・マン(ds)というメンバー。このリズム陣は素晴らしい人選といってよく、ことにニューボーンのプレイが好調で、意外にもファンキーさも感じられます。

曲目は、マギー作「Demon Chase」、テディ・エドワーズ作「Sunset Eyes」と「Maggie's Back in Town」、クリフォード・ブラウンの「Brownie Speaks」に、スタンダードの3曲「Willow Weep For Me」(柳よ泣いておくれ)、「Softly, As In A Morning Sunrise」(朝日のごとくさわやかに)、「Summertime」です。T・エドワーズ(ts)の2曲が入っていますが、エドワーズの「Together Again」にマギーが参加するなど、親しかったせいでもありましょう。

マギーのプレイには、ゆったりとしたスイング感もあり、中音域を主に用いるなど、バップというイメージだけではとらえられません。「Demon Chase」で、マギーは、ハリー・エディソンを想いうかべるようなフレーズも交えながらご機嫌なプレイをしています。「Sunset Eyes」や「Maggie's Back in Town」では、ブルージーさを醸し出しています。フィニアス・ニューボーン(p)は、「Demon Chase」、「Maggie's Back In Town」をはじめ、随所でリズミカルでアイデアに富んだソロやバッキングを行っています。

【L.A.コンフィデンシャル】

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1997年公開。監督はカーティス・ハンソン、出演は、ケヴィン・スペイシー、キム・ベイジンガーらで、この演技によって、ベイジンガーはアカデミー助演女優賞を獲得。

時代背景は、1950年代なので、バックの音楽には、ジャズやヴォーカルが用いられていて、「But Not for Me」や「OH! Look Me at Now」などのメロディが流れます。さらに、映画にちょこっと出てきたバンドの編成はジェリー・マリガンのカルテット風で、ジェリー・マリガン(bs)とチェット・ベイカー(tp)があたかも演奏しているようなショットになっていました。