安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジョー・スタッフォード SKI TRAILS

2010-07-29 17:04:44 | ヴォーカル(E~K)

7月22日に、乗鞍、上高地に行ってきました。午後まで青空ものぞくいい天気で、雄大な山岳景色に感激でした。スケジュールの合間をぬって、有名スポットに同行者を案内することもでき、たいへん喜んでもらいました。今年は降雪が多く、乗鞍大雪渓とその周辺には雪がまだ多く残っていて、スキーをしている人たちの歓声が聞こえてきそうでした。

JO STAFFORD (ジョー・スタッフォード)
SKI TRAILS (COLUMBIA 1956年頃録音)

 Skitrails

ジョー・スタッフォードについては、拙ブログでも「Jo+Jazz」をとりあげました。その他にも、「Autumn in New York」(Capitol)といった作品に聴かれるように、トランペットヴォイスと称された息の長いフレーズ作りで安定感のある歌唱をする歌手です。

冬のスキーなどに関連した歌を聴いたのは、乗鞍岳に随分と雪が残っていたことに加えて、標高2,702mの畳平の涼しさに、ついこのジャケットを思い出したからです。編曲と伴奏はポール・ウェストンで、ノーマン・ルボフ合唱団とスターライターズが加わっています。

曲は、「Baby, It's Cold Outside」(外は寒いよ)、「Moonlight in Vermont」(ヴァーモントの月)、「By The Fireside」、「It Happened in SunValley」(サン・バレーの出来事)、「The Nearness of You」、「Winter Wonderland」、「June in Junuary」、「Sleigh Ride」(そりすべり)など12曲です。

ヴォーカルファン向けの作品ですが、バラード「Moonlight in Vermont」、「The Nearness of You」あたりは誰でも楽しめると思います。また、「June in January」に聴かれるようにクール気味に伸ばした彼女の美しい声は、一服の清涼剤となりました。クリスマスに相応しい「Winter Wonderland」、「Sleigh Ride」と、よく考えれば冬に聴いた方が雰囲気が出ますね(笑)。

【乗鞍大雪渓】

 拡大(写真をクリック)していただくと、スキーヤーがいるのがわかります。

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ホームページの散策に梅雨明け後の乗鞍、上高地を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう 梅雨明け後の乗鞍、上高地


クラウディア・トンプソン GOODBYE TO LOVE

2010-07-25 18:19:33 | ヴォーカル(A~D)

猛暑の毎日ですが、今年の梅雨も、局地的な豪雨が目立ちました。近年の気候変動は、地球温暖化が影響しているかもしれません。そこで、僕も、少しは環境のことを考えて、レジ袋をもらわないように、マイ・バッグをなるべく持参して買い物をしています。セブン・イレブンでもらったバッグは、長野県の特産品がデザインされた優れもので、お気にいりです。「Stormy Weather」(荒れ模様)が収録された作品です。

CLAUDIA THOMPSON (クラウディア・トンプソン)
GOODBYE TO LOVE (EDISON 1959年録音)

 Goodbyetolove

「Stormy Weather」は、テッド・コーラー作詞、ハリー・アーレン作曲による1933年に発表された歌です。エセル・ウォーターズ、レナ・ホーンらによって歌われヒットしました。歌詞は、「あなたと別れてから、なぜだか太陽が空になく、荒れ模様で、ずっと雨が降っている」という大意で、失恋状態を表現したものですね。

クラウディア・トンプソンは、経歴が全く分かりません。クラウディアというと映画女優のクラウディア・カルディナーレを思い出しますが、トンプソンも美人だったのでしょうか。伴奏は、バーニー・ケッセル(g)、レッド・ミッチェル(b)、ベニー・カーター(as)など。12曲中、4曲がB・ケッセルのギターだけ、5曲がケッセルとミッチェルの2人だけというシンプルな伴奏です。

トーチ(失恋)ソング集ですが、失恋度が高そうな歌が集められています。スタンダードが多く、「Some of These Days」、「Body and Soul」(身も心も)、「If I Should Lose You」、「Stormy Weather」、「I'm Through With Love」、「The Morning After」、「Goodbye」、「Blue Prelude」、「Gloomy Sunday」(暗い日曜日)など。

クラウディアの低めの落ち着いた声と、B・ケッセルのギター伴奏があわさり、情感が表出された素晴らしい作品。「Some of These Days」、「I'm Through With Love」、「Goodbye」としみじみと歌われ、また、難しい歌の一つとされている「If I Should Lose You」が編曲もよくて聴き惚れました。「Gloomy Sunday」は、有名な歌ですが、メロディ、歌詞ともに暗く虚無的なので、僕はやや苦手です。

【マイ・バッグ】
セブン・イレブンでもらったデザインがよい優れモノ。長野県内限定で、既に配布は終了しているようです。買物の中身は、お酒かおつまみ(笑)、たまにお弁当です。

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【ブーベの恋人 サウンドトラック日本盤EP】
 クラウディア・カルディナーレ主演。

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キース・ジャレット STANDARDS, VOL.1

2010-07-21 21:08:29 | ピアノ

安曇野市の北にある松川村(長野県北安曇郡)に、ジャズ喫茶「M-gate」が開店したというので行ってきました。店主は、前から面識のある方なのですが、本格的オーディオ装置でレコードを聴かせるジャズ喫茶をオープンするとは、本当に驚きました。仕事をリタイアされてからのスタートですが、そのエネルギーに脱帽です。入店していた時に、キース・ジャレット「スタンダース・ライブ」がかかりましたが、拙ブログでは既にとりあげたので、「スタンダーズVol.1」を聴いてみます。

KEITH JARRETT (キース・ジャレット)
STANDARDS, VOL.1 (ECM 1983年録音)

 Standardsvol1

「M-gate」では、大きめな音量を出していましたが、うるさくはなく、まじりけのない自然な音のような気がしました。キースのピアノやデジョネットのシンバルの音が、高い天井の空間に放出され、きれいでした。ベースの音は、ゲイリー・ピーコックということもあってか、ずしんとくる音ではなくて、やや軽めでした。

ジャレットは、ソロやテナー・サックスを加えたバンドで活動をした後に、1983年1月のこの録音から、ピアノ・トリオで演奏するようになります。僕は、テナー入りの作品があまり面白くなかったので、トリオというフォーマットで、スタンダード曲を素材にとりあげたというのは、嬉しい変身ぶりでした。

キース・ジャレット(p)、ゲイリー・ピーコック(b)、ジャック・デジョネット(ds)という最高のメンバー。「Meaning of The Blues」、「All The Things You Are」、「It Never Entered My Mind」、「The Masquerade is Over」、「God Bless The Child」の5曲。それぞれの演奏時間は、5分~15分と長めですが、どこかしらに聴きどころをもっています。

一番の聴きものは「All The Things You Are」で、早いテンポによるアドリブが素晴らしく、跳躍しない連続したフレーズによる変幻自材の展開がかっこいいです。そこにからむデジョネットのドラムスがしなやかで力強い。抒情的な「It Never Entered My Mind」は、単音によるテーマ処理が印象的。「God Bless The Child」はゴスペル調で、リズムが強調されています。この編曲は現代的であるものの、ピアノ・プレイが細切れになっていることもあり、好みが分かれると思います。

ホームページのジャズ喫茶にM-gateを掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ジャズ喫茶 M-gate

【M-gate店内】

 住所:長野県北安曇郡松川村 電話:0261-62-2384

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カーティス・フラー THE MAGNIFICENT TROMBONE

2010-07-18 08:23:29 | トランペット・トロンボーン

僕は珈琲が大好きで、つい最近まで一日に10杯近く飲んでいました。最近、保健師さんから少し控えるように言われ、平日帰宅後は珈琲に代えて紅茶にしています。紅茶用のマグカップは、新しいものへ買い換えましたが、淹れるのは手軽なティーバッグを利用しています。コーヒー豆は自家焙煎している長野市内の専門店「まめの木」で購入していますが、紅茶の葉も売っているようなので今度買ってみます。「Teabags」という曲が入った作品。

CURTIS FULLER (カーティス・フラー)
THE MAGNIFICENT TROMBONE OF CURTIS FULLER (EPIC 1961年録音)

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珈琲に関連した歌は、「The Coffee Song」、「Black Coffee」、「You're The Cream in My Coffee」、「Coffee,Cigarette,Memories」とすぐ浮かび、紅茶についても「Tea For Two」があり、嗜好品の飲物をタイトルにした曲は多そうです。クラシックに「コーヒー・カンタータ」、歌謡曲に「一杯のコーヒーから」なんてあります。

ネーミングが面白い「Teabags」は、カーティス・フラーが書いた曲です。彼は好きなトロンボーン奏者の一人で、ホームページでも取り上げました。本作品のメンバーは、フラー(tb)、ウォルター・ビショップ,Jr(p)、スチュー・マーティン(ds)、ジミー・ギャリソン(b)又はバディ・カトレット(b)、レス・スパン(g)で、ワンホーン作品です。

「I'll Be Around」、「Dream」、「Mixed Emotions」、「Sometimes I Feel Like a Motherless Child」(時には母のない子のように)、「I Loves You Porgy」、「Two Different Worlds」というよく知られた曲などに、フラー自作の「Playpen」と「Teabags」の8曲。「Teabags」ですが、トロンボーン向きの軽快なテーマで、ちょっとした佳曲です。

「Dream」と「Two Different Worlds」は、テンポがかなり遅くて、じわじわと良さがにじみ出てくるような演奏。黒人霊歌「Sometimes I Feel Like A Mothereless Childs」は、はじめのルバート部分でフラーが吹く柔らかい低音が、もの悲しい曲想にすごく似合っています。「Mixed Emotions」における、W・ビショップの跳ねるようなソロに、同年録音の「スピーク・ロウ」(JazzTime)をイメージしました。


【こおひい工房 まめの木】 長野市にある
自家焙煎コーヒー豆専門店。
 ひと月に2回くらい買いに行き、豆は挽いてもらいます。
 
所在地:長野市栗田190-3  電話:026-228-4535

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【紅茶用マグカップ】           

 ナルミボーンチャイナです。コーヒーにもいいかもしれません。

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ルー・ドナルドソン QUARTET QUINTET SEXTET

2010-07-12 18:51:49 | アルト・サックス

昨日、長野市から安曇野市に向かい国道19号を走って行く途中、ちょっとだけ脇へ入り、池田町(長野県北安曇郡)にある夢農場ラベンダー園によってみました。ラベンダーのグロッソという種類の花が山の斜面一面に咲き誇り、あたりは紫色に染まっていました。摘んでいる人も多くいましたが、僕は農場を一周した後は、売店でラベンダーのソフトクリームをいただき、しばし憩いました。憩えるアルト・サックスです。

LOU DONALDSON (ルー・ドナルドソン)
QUARTET QUINTET SEXTET (Blue Note 1952年、54年録音)

  Quartet_quintet_sextet_lou_donaldso      Signifyin
                                (参考、SIGNIFYIN')

ルー・ドナルドソン(アルト・サックス)は、1950年代前半から活躍したアルト・サックス奏者ですが、50年代のバップから60年代に入ってからのソウルフルな傾向へと方向を変えています。彼のバップやブルースに基礎をおいた演奏そのものは、そう変わっていなくても、リズムやバックの楽器、共演者などで違いが出ています。

好みで、どちらの時期がいいか分かれることになるのでしょうが、フレーズの切れやソロのスリルといったものはブルーノート初期にとどめをさし、本作品は、その代表です。とはいっても、僕はソウルフルなものも嫌いではなく、参考に掲げたアーゴ・レーベルの「SIGNIFYIN'」なども聴いています。

本作は、3つのセッションを集めたものです。メンバーも、ルー・ドナルドソン(as)、ホレス・シルバー(p)、ジーン・ラミー(b)、アーサー・テイラー(ds)がQuartetで、他にブルー・ミッチェル(tp)、アート・ブレイキー(ds)などです。LPでいうとA面が特に気に入っているので、繰り返して聴きました。

ルー・ドナルドソンは、スタンダードをとりあげることも多く、ここでは「If I Love Again」や「The Best Things in Life Are Free」をやっています。ミディアムで楽しげな「Sweet Juice」、そしてブルースで彼の自作「Down Home」、ラテン・リズムの同じく自作「Caracas」と、それぞれ彼の原点ともいえるナンバー、プレイが収録されています。3つのセッションを集めたので、アルバムとしてはややまとまりを欠くのはやむを得ないところでしょうか。

ホームページに、ルー・ドナルドソンを掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう ルー・ドナルドソン

【夢農場】 Lavender Garden
  長野県北安曇郡池田町大字陸郷7454-6  電話0261-62-5510

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