安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ロンダ・フレミング RHONDA

2009-07-26 22:14:40 | ヴォーカル(L~R)

自宅でゆっくりできた日曜日です。午前中は小さな庭の草取りをし、午後は和田誠著の映画の本「お楽しみはこれからだ」を拾い読みしていました。そうしたら西部劇が観たくなって、映画「OK牧場の決闘」のDVDを借りてきました。「OK牧場の決闘」(1957年)には、バート・ランカスターやカーク・ダグラスと並んでロンダ・フレミングが出演をしています。

RHONDA FLEMING (ロンダ・フレミング)
ROHNDA (COLUMBIA 1957年録音)

 Rhonda

ロンダ・フレミング(1923年ハリウッド生まれ)は、赤い髪の毛、緑色の目、白い肌がカラー作品で映えることからテクニカラーの女王と呼ばれた女優さんですが、さすがに今の日本では古い映画やヴォーカル好きの間で知られているだけになっているのかもしれません。

彼女は、1957年に始めてナイトクラブ(ラスヴェガス・トロピカーナ・ホテル)に歌手として出演し、それが評判になりこのアルバムの録音につながりました。映画中でも歌い、スクールバンドでも歌ったことがあるので、収録には張り切って臨んだことでしょう。なお、プライベート録音が追加収録された輸入版CDが発売されていました。

ジャケットにみる容姿から想像できるとおり、声は甘さを含み、潤いにあふれたものです。丁寧にしっとりと歌うバラードがよく、ジャケットを観ながら聴くとさらによいです。編曲はFrank Comstockで、バックは弦も入ったビッグ・バンドですが、うるさくはありません。

「Don't Take Your Love From Me」、「Around The World in Eighty Days」、「The End of a Love Affair」、「Under Paris Skies」、「Baby,Baby All The Time」、「When I Fall in Love」、「Then I'll Be Tired of You」など12曲。大好きな曲「Under Paris Skies」(パリの空の下)が入っているのが嬉しく、「Then I'll be Tired of You」も歌詞の意味どおり、聴いている方がとろけてしまいそうです。 


バド・シャンク HOLIDAY IN BRAZIL

2009-07-19 11:16:26 | アルト・サックス

ジャズ・ファンの皆さんは連休をどのように過ごされているのでしょうか。僕は、ホームページ(モダンジャズやヴォーカルを聴こう)の更新を始め出したのですが、日ごろの疲れと暑さからという理由をつけて、放り出してぐたぐたと過ごしています。聴く方もソフトなものがよさそうなので、お休みにちなみタイトルに「Holiday」が入ったものにしてみました。

BUD SHANK (バド・シャンク)
HOLIDAY IN BRAZIL (WORLD PACIFIC 1958年録音)

 Holiday_in_brazil_bud_shank

アルト・サックス奏者のバド・シャンクが今年の4月に亡くなりました。とうとう西海岸ジャズ全盛期の巨人もいなくなってしまったと寂しいものがありました。本作品では、ボサ・ノヴァ流行前の1958年という時点でブラジル音楽をとりあげています。はじめて聴いたとき、彼がリズム面において新鮮さを追究していたのに驚きました。

もう一人の主役のローリンド・アルメイダ(g)は、1954年に「ローリンド・アルメイダ・カルテット」というリーダー作を作り、シャンクと共演をしており、それに続くシャンクとの共演作品になります。その他のメンバーはゲイリー・ピーコック(b)、チャック・フローレス(ds)です。

曲目は、スタンダードの「Little Girl Blue」、「I Didn't Know What Time It Was」、シャンク作の「Mood Antigua」、アルメイダ作の「Nocturno」、「Carioca Hills」に加えリズムに特徴のある「Simpatico」、「Rio Rhapsody」など10曲が収録されています。それぞれサンバ風やボサ・ノヴァ風だったりしています。

アルメイダ作のメロディやリズムも魅力的な「Nocturno」、シャンクのフルートが美しい「Littlr Girl Blue」、ギターとアルトサックスの掛け合いが楽しい「Carioca Hills」など、通して聴いても安らぎます。さわやかなので日曜の午前中に聴くのもよしです。ジャケット写真は持っている日本盤LPですが、同内容収録の輸入盤CDがあります。


ハンプトン・ホーズ FOUR!

2009-07-12 20:17:39 | ピアノ

このところ出張が重なり、長野県内を走り回っていますが、軽井沢では夏本番に入り、お客様が増えているようです。夏の軽井沢というと、かつては(今も?)ゴルフでした。72ゴルフ場などでプレーをしましたが、標高が高いので、ボールの飛びがよく、スコアがよくなる傾向があります。それでも、僕は110近辺をうろうろしていたのでいつしかゴルフから遠のきました。4人でクラブをふっているジャケット写真のアルバムです。

HAMPTON HAWES (ハンプトン・ホーズ)
FOUR! (Contemporary 1958年録音)

 Fourhamptonhawes

ゴルフのジャケットというと、真っ先に思い浮かべるのはペリー・コモの「Como Swings」ですが、4人が集まってこれからスタートというこちらの写真も微笑ましいものがあります。ゴルフの人気は高いようですし、学生もゴルフをするようになり、4人集まれば麻雀と相場が決まっていた僕の学生時代の生活も遠くなりました。

ハンプトン・ホーズは、コンテンポラリー・レーベルに多数の録音をしています。フォーマットとしてはトリオが多いのですが、ここでは、ギターを加えて、ホーズ(p)、レッド・ミッチェル(b)、シェリー・マン(ds)、そしてバーニー・ケッセル(g)というメンバーです。

ホーズは、当時もブルース弾きとして通っており、ノンレガートでフレーズを綴っていくのは変わりませんが、ケッセルの音色、音楽性が影響したのか明るいハード・バップが繰り広げられています。ドラマーがシェリー・マンであり、彼のブラシによるプレイもそのような感じを与えているのかもしれません。このアルバムは、CD化で2曲追加されていますが、その追加曲がよく買ってよかった1枚です。

LPのときには、バップの「Yardbird Suite」やスタンダード「There Will Never Be Another You」、そしてバラード「Like Someone in Love」が印象に残っていました。CD化に当たり「Thou Swell」と「The Awful Truth」が加えられました。残りものとは思えぬ出来栄えで、特に「The Awful Truth」におけるホーズのプレイはじっくりと聴きたくなるブルース感覚にあふれたものだと思います。


アート・ブレイキー BUHAINA'S DELIGHT 

2009-07-05 20:09:27 | ベース・ドラムス

梅雨の最中ですが、長野市は比較的いいお天気が続いています。7月7日は、七夕です。この日は環境省提唱のライト・ダウン・キャンペーンの日でもあり、20時から22時まで照明をつけない施設も多いのではないでしょうか。市街地でも月や星の輝きがよく見えるかもしれません。「ムーン・リバー」を聴いてみます。

ART BLAKEY (アート・ブレイキー)
BUHAINA'S DELIGHT (BLUE NOTE 1961年録音)

 Buhainas_delight_art_blakey

月に関係する有名曲はたいへん多く、思いつくままにあげてみても「Moonlight Serenade」、「Moonlight in Vermont」、「Moon Over Miami」、「Moonglow」などが出てきますが、Moonが入っているものとしては「Moon River」がダントツで知られているのではないでしょうか。

この曲は、オードリー・ヘップバーン主演の映画「ティファニーで朝食を」(1961年)で使われ、彼女がギターを弾きながら歌う場面があります。ジョニー・マーサー作詞、ヘンリー・マンシーニ作曲のアカデミー賞受賞曲で、アンディ・ウィリアムズの歌が大ヒットしました。原曲は、きれいなメロディを持ったワルツなので、ヴォーカルがふさわしいともいえますが、ジャズ・ヴァージョンもたくさんあります。

歌詞の意味がよくわからないところがあり、月に直接関係しているかというと、そうともいいきれませんが、「Moon」が題名にあるので、月に関係をさせました。掲げたのは、ジャズ・メッセンジャーズがフレディ・ハバード(tp)、ウェイン・ショーター(ts)、カーティス・フラー(tb)を擁していた時期に録音された作品です。

3管のアンサンブルとショーターやシダー・ウォルトン(p)のソロが聴けるので、よく聴いた作品です。ショーターの編曲による「Moon River」は、熱いテーマと彼のテナー・サックス・ソロ中に飛び出るテーマ・メロディがかっこいいです。他にも、ブレイキーのドラムも快調な「Bu's Delight」、テナー・サックスによるバラッド「Contemplation」など充実した内容です。