推理小説でも買って読もうかと、長野市内のブックオフに立ち寄ったところ、コミックの「坂道のアポロン」が全巻揃いでありました。ジャズが登場する青春ものだということは、どこかで読んで知っていたので、全巻購入しました。いま読んでいる途中ですが、ジャズのプレイを通じて知り合った仲間が、恋愛もからめて成長していくというようなストーリーです。ビル・エヴァンス、アート・ブレイキー、チェット・ベイカー、ミルト・ジャクソンらの名前が出てきます。今夜はミルトで。
MILT JACKSON (ミルト・ジャクソン)
STATEMENTS (IMPULSE 1961年録音)
ミルト・ジャクソン(vib)のリーダー作は、いくつも購入してきましたが、外れたという記憶がありません。スイングしてブルージーで、僕の好みに合っているからです。インパルスに録音した、このアルバムは、共演者が面白くて、初めてメンバーを見た時には、へんな組み合わせだと思いましたが、聴いた結果はいいものでした。
メンバーは、ミルト・ジャクソン(vib)、ハンク・ジョーンズ(p)、ポール・チェンバース(b)、コニー・ケイ(ds)。コニー・ケイは、モダン・ジャズ・カルテットの一員ですが、このアルバムでは、ずいぶんと伸び伸びと叩いています。ハンク・ジョーンズをはじめサイドメンのソロスペースも多く、リーダーはヴィブラフォンですが、他の3人の演奏に耳を傾けることもできます。
曲は、ミルト・ジャクソンの自作が主です。ミルト作が4曲で、「Statement」、「A Thrill From The Blues」、「Put Off」、「A Beautiful Romance」、ディヴィッド・ラクシン作「Slowly」と「The Bad And The Beautiful」、デューク・エリントンの「Paris Blues」、そしてソニー・ロリンズ作「Sonnymoon For Two」の全8曲。ロリンズの「Sonnymoon ~」はもちろん、ブルーズ系統のミルトの自作など、聴く前からワクワクします。
ポール・チェンバース(b)の太く豊かなサウンドに支えられて、ミルト・ジャクソン(vib)のブルージーなプレイが続きます。「Statement」では、コニー・ケイ(ds)が結構派手なドラミングをしていて、人違いしたのかと思いました。「Slowly」では、繊細でロマンティックなミルトのプレイがよく、おなじみの「Sonnymoon For Two」では、ミルトのプレイはファンキーで、ハンク・ジョーンズ(p)の美しい音色による端正なソロも印象に残ります。
【坂道のアポロン(小玉ユキ作)】