木曽音楽祭は、室内楽に焦点を当てた音楽祭で、今年で44回目になります。今回初めてコンサートを聴きにいったのですが、町を挙げて運営が行われていて、会場全体にアットホームな雰囲気が漂っていました。フェスティヴァル・コンサートのⅠも聴きたかったのですが、日程の都合で、土曜日のⅡを聴きました。
(曲目と出演者)
ドホナーニ / ピアノ五重奏曲第1番 ハ短調 op.1
寺嶋陸也(p)、漆原啓子・水谷晃(vn)、佐々木亮(va)、伝田正則(vc)。
スタンフォード / 九重奏曲 ヘ長調 op.95
佐久間由美子(fl)、金子平(cl)、河村幹子(fg)、日髙剛(hr)、加藤知子・白井圭(vn)、大島亮(va)、辻本玲(vc)、菅原政彦(cb)。
ベートーヴェン / 七重奏曲 変ホ長調 op.20
山本正治(cl)、岡本正之(fg)、日橋辰郎(hr)、水谷晃(vn)、村上淳一郎(va)、山崎伸子(vc)、星秀樹(cb)。
(感 想)
ドホナーニのピアノ五重奏曲は、全体に抒情が漂う佳曲です。漆原啓子(vn)さんがリードするアンサンブルが素晴らしく、第3楽章冒頭の佐々木亮(va)さんの深い音色のソロにも惹きつけられ、この曲を実演で聴けただけでも出かけた甲斐がありました。
スタンフォード(1852~1924)は、伝統的な作風の人だったようですが、この曲は、第4楽章など軽快でリズム的にも面白いものでした。演奏の方では、加藤知子(vn)さんの芳醇なサウンドによる流れるような演奏が素晴らしく、強く印象に残りました。
ベートーヴェンの七重奏曲は、第3楽章のメヌエットがピアノソナタ第20番からの転用なので、親しみが湧く曲です。演奏時間が長く、現代の聴衆には長すぎるかもしれず、緊張感をもって聴き続けるのはなかなか難しい曲だと思いました。
出演者は、日本のトップクラスの方ばかりで、素晴らしいサウンドが近くで聴けて予想以上によかったので、来年も出かけるつもりです。
【木曽文化公園文化ホール】
住所:長野県木曽郡木曽町日義4898-37
木曽音楽祭ホームページ:town.kiso.com (木曽町のホームページです)
全体は公園のようになっています。左手にホール入口があり、入るとホワイエです。
ホールの前から広場など
ホワイエ。
716席のホール内部。まだ始まる前の写真ですが、最終的に8割くらいが聴衆で埋まりました。