安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ナンシー・ウィルソン Nancy Wilson/Cannonball Adderley

2011-01-30 16:22:47 | ヴォーカル(L~R)

今日(1月30日)、全国中学校スケート大会のフィギュアスケート会場で、ボランティアの一員で会場案内などをやってきました。休憩時間に女子ショートプログラムを見ることができましたが、中学生といっても全日本級もいてレベルが高く、ビールマンスピンや難度の高いジャンプをこなす選手もいました。演技のこともあるのでしょうか、スタイルや姿勢がよい選手が多く、遠くから見てもそのあたりはよくわかりました。立ち姿の綺麗な女性歌手です。

NANCY WILSON (ナンシー・ウィルソン)
Nancy Wilson/Cannonball Adderley (Capitol 1961年録音)

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ナンシー・ウィルソンは、ポップスの分野などでも幅広く活躍した人気歌手ですが、ジャズフレイバーが感じられるキャピトル時代のものを手元に置いてあります。その中の一枚で、最近、廉価盤CDで発売になった本作品は、キャノンボール・アダレイ・グループの伴奏で歌った初期のころのものです。

このアルバムは、歌とバンド演奏が交互に入っています。ナンシー・ウィルソン(vo)と、その伴奏とバンド演奏のメンバーは、キャノンボール・アダレイ(as)、ナット・アダレイ(cor)、ジョー・ザヴィヌル(p)、サム・ジョーンズ(b)、ルイス・ヘイズ(ds)。ナンシーを見出した、キャノンボールが全面的にバックアップしています。ジョー・ザヴィヌルのプレイは、オーソドックスで小気味良いソロもとっています。

ナンシーの歌で、「Save Your Love For Me」、「Never Will I Marry」、「The Old Country」、「Happy Talk」、「The Masquerade is Over」、「A Sleepin' Be」の6曲。バンドの演奏が、「Teaneck」、「I Can't Get Started」、「One Man's Dream」、「Never Say Yes」、「Unit 7」の5曲です。このCDをドライブしながら聴いていたら、バラヱティに富んでいるので、2回繰り返しても飽きませんでした(笑)。

最初の曲「Save Your Love For Me」から素晴らしく、出だしのタイミングの良さ、声の伸びやかさなど、彼女の世界にすぐに引き込まれます。「Never Will I Marry」(フランク・レッサー作詞作曲)は、歌詞が日本語の「ねばねば」と聴こえて、納豆の応援ソングにもいいという冗談を思いつきますが、彼女の歌は華やかさも持っています。「The Masquerade is Over」はじっくりとききたいバラード。バンドの演奏による「Teaneck」や「I Can't Get Started」も優れているので、コストパフォーマンスの高いアルバムです。

【ポスターとビッグハット】

ビッグハットは第31回全国中学校スケート大会フィギャアの会場です。長野オリンピックの時には、アイスホッケー会場となったところですが、最近でも、全日本フィギャアなどの大会が開催されています。会場内では撮影禁止なので、残念ながら競技の写真はとれませんでした。

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チャーリー・パーカー COMPLETE STUDIO RECORDINGS ON SAVOY YEARS VOL.2

2011-01-23 22:45:30 | アルト・サックス

このところあちこち出かけたり、飲会が続いていたので、静かに過ごそうと今日は読書などをしていました。たまには詩もよいかと、本棚から田村隆一詩集(思潮社)を取り出しました。その昔、新聞に載った彼の詩「四千の日と夜」に感銘を受けて、この詩集を買い求めました。田村隆一にお酒は欠かせませんが、アメリカ滞在中も「ドナリー」という酒場に顔を出していたことを発見しました。今夜はパーカーの「ドナ・リー」を。

CHARLIE PARKER (チャーリー・パーカー)
THE COMPLETE STUDIO RECORDINGS ON SAVOY YEARS VOL.2 (SAVOY 1945年~47年録音)

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学生時代にチャーリー・パーカーのダイアルやサヴォイへの吹き込みを、LPを何枚も購入して聴いたのですが、プレイには感嘆しつつ、別テイクも含めて多数並んだトラックは扱いにくいものでした。気に入ったトラックをかけるのに難儀し、次第にしまいこんだままになっていきました。

CDは、繰り返しと飛ばしができるのは画期的で、トラックが多数並んでいるアルバムにはことに威力を発揮します。今回CDで聴いているコンプリート・スタディオ・レコーディングス・オブ・サヴォイ・イヤーズは、音質がよく、ゆきとどいた内容です。そのVol.2に「Donna Lea」(ドナ・リー)が入っていて、5つのテイクが収録されています。

市岡仁著「チャーリー・パーカーの音楽」という本があります。「ドナ・リー」について書かれた部分を引用すると、”古いスタンダード「インディアナ」のコード進行に新しいメロディをのせたもの。ここでのベースはトミー・ポッターだが、タイトルはべーシスト、カーリー・ラッセルの娘の名に依っているとされる。”とあります。というわけで、田村隆一が通ったバーとはなんの関係もなさそうです。

「ドナ・リー」の作曲者は、パーカーとされていますが、マイルス・デイビスとする説もあります。この曲には、アート・ペッパー(as)、レッド・ロドニー(tp)、ジャコ・パストリアス(b)ら多数のヴァージョンがありますが、パーカーの演奏を聴くと、スピード、音色、アドリブの連続と、信じられないような創作意欲に圧倒されます。他に忘れられない「ドナ・リー」は、宮間俊之とニューハードのモンタレー・ジャズ・フェスティヴァル出演時の演奏(1974年録音)で、日本のビッグ・バンドもやるもんだと感嘆したアルバム。

ホームページのBOOKSに、市岡仁著「チャーリー・パーカーの音楽」を掲載しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう チャーリー・パーカーの音楽

【田村隆一の詩集】

 「ドナリー」がでてくるのは、新選田村隆一詩集(思潮社)収録の「灰色の菫」という詩です。
 はじめの部分を引用すると、

 67年の冬から
 68年の夏まで
 ぼくは「ドナリー」でビールを飲んでいた
 朝の九時からバーによりかかって
 ドイツ名前のビールを飲んでいると
 中年の婦人が乳母車を押しながら
 店に入ってきて
 ぼくとならんでビールを飲んだりしたものだ
 

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ウェス・モンゴメリー GROOVE YARD

2011-01-19 20:37:38 | ギター

今年に入り、結婚式の招待状をいただいたり、お子さんが誕生したのでお祝いを贈ったりと、お目出度い出来事が続いています。少子高齢化の現在、こういう人口増に結びつく出来事は大歓迎です。結婚の方は、昨年4月に入社した新人男性で、子供(第2子)の方は同じく昨年4月から出向できている若手男性です。彼らに刺激されて、他の男性独身者も婚活に乗り出しているようなので成果が楽しみですが・・・。兄弟で演奏した作品です。

WES MONTGOMERY (ウェス・モンゴメリー)
GROOVE YARD (RIVERSIDE 1961年録音)

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本来ならば、ウェスのリーダー作品ではなくモンゴメリー・ブラザーズの名義にしなければなりませんが、便宜的にウェスの名前としました。ジャズの世界で活躍した3人の兄弟としては、ジョーンズ兄弟、ヒース兄弟をすぐに思いつきますが、このモンゴメリー兄弟も忘れることができません。

メンバーは、ウェス・モンゴメリー(g)、バディ・モンゴメリー(p)、モンク・モンゴメリー(b)そしてボビー・トーマス(ds)。一番のお兄さんはモンクで、真ん中がウェス、弟がバディです。バディはヴァイブも演奏しますが、ここではピアノだけを弾いています。

バディ・モンゴメリー作が2曲で「Back to Back」と「Just For Now」、ウェス作「Doujie」、カール・パーキンスの「Groove Yard」、ハロルド・ランドの「Delirium」、ミルト・ジャクソンの「Heart Strings」に、スタンダードの2曲「If I Should Lose You」と「Remember」です。スタンダードの2曲は、ハンク・モブレイ(ts)が「ソウル・ステーション」(Blue Note)で取り上げているものと同一ですが、それに気付いたことも購入の動機でした。

最初の「Back to Back」からブルージーで寛ろぎに満ちていますが、ウェスのソロは、オクターブ奏法で盛り上げ、「Birks Works」を引用しています。バディ(p)の面目躍如たるグルーヴィーなソロ・プレイが入る「Groove Yard」、スロー・テンポでウェスがテーマ、ソロと寂しげに奏で、早いパッセージのピアノ・ソロも入る「If I Should Lose You」と続くA面(CDだと前半)が好みですが、裏面に回り、ミルト作「Heart Strings」の黒さにも惹きつけられます。


エセル・エニス HAVE YOU FORGOTTEN?

2011-01-16 09:33:41 | ヴォーカル(E~K)

10日の午後、長野市の自宅近くで行われた町内会の「どんど焼き」に行きました。もちろん、自宅の門松も持っていき燃やしたのですが、餅を焼くために長い棒を用意してきた人や近所の子供達も集まり、しばしの間は、お正月らしい光景でした。風が強いこともあって、火は勢いよく燃えていました。長野県内では「どんど焼き」が一般的ですが、松本・安曇野界隈では、「三九朗(さんくろう)」と呼んでいます。炎(トーチ)からヴォーカルものです。

ETHEL ENNIS (エセル・エニス)
HAVE YOU FORGOTTEN? (Capitol 1958年頃録音)

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エセル・エニスは、自分のホームページに載せたお気に入りの歌手ですが、この作品は、その時点ではLPを入手していなかったので掲載しませんでした。前から探していましたが、ようやく去年の12月に札幌に行った際入手できました。2枚のLPを一枚にした輸入盤CDが出たことはあります。

かつて、彼女のアルバム「My Kind Of Waltztime」をブログに掲載したところ、コメントをいくつかいただき、意外に愛好者がいたので喜びました。「Have You Forgotten?」を購入したお店ディスク・エバンス(Disk Evans)の御主人も、これもいいけど同じキャピトルの「Change of Scenery」が素晴らしいと強調されていました。

曲目は、「Have You Forgotten?」、「There's No Fool Like An Old Fool」、「Serenade in Blue」、「A Little Bit Square But Nice」、「It Was So Beautiful」、「Three On A Match」、「How About Me」、「For All We Know」、「All I Am Is You」、「Then I'll Be Tired Of You」、「The Things I Love」、「My Apple Pie Guy」。知っているのは4~5曲ですが、エニスの歌のせいか、他のものも慣れ親しんだ曲のように感じます。

編曲は、シド・フェラーで、3種類の編成を使い分けています。エニスの自然で穏やかな歌唱に癒されます。アドリブや極端なフェイクはありませんが、それでいてスイングもよくしているし、情感が籠っているかのようです。特に、「It was So Beautiful」、「How About Me」、「Then I'll Be Tired Of You」は印象的。この作品の入手により、ようやくエニスの主要なアルバムが揃いましたが、ずっと聴き続けていきたいものばかりです

ホームページのヴォーカルのエセル・エニスにこのLPを追加しました。時間があればご覧ください。モダンジャズやヴォーカルを聴こう エセル・エニス

【どんど焼き】

 この地区では由緒正しく、道祖神の前でどんど焼きをやっています。

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サム・リヴァース FUCHSIA SWING SONG

2011-01-12 20:59:43 | テナー・サックス

成人の日を含む連休は、主に安曇野市の実家で過ごしていましたが、家にいるだけではつまらないので、豊科に飛来している白鳥を観てきました。安曇野市には、2か所の白鳥飛来地があり、もう一か所は自宅近くの明科御宝田ですが、今回は豊科インター近くの方にいってみました。写真も撮りましたが、うまく撮れないのはセンスの問題でしょう。才能豊かなサックス奏者の作品です。

SAM RIVERS (サム・リヴァース)
FUCHSIA SWING SONG (Blue Note 1965年録音)

 Fuchsiaswingsongsamrivers

サム・リヴァースについては、マイルス・デイビス・バンドに短期間在籍したということは知られていますが、1970年代のロフト時代以降の活動については、フリー~アバンギャルドというくくりの中に入れて、関心を寄せない傾向があるのではないでしょうか。僕がまさにそうなのですが、モーダルな新主流派ともいってよい初期の作品は手元に置いてあります。

これはリヴァースの初リーダー作で、メンバーは、サム・リヴァース(ts)、ジャッキー・バイアード(p)、ロン・カーター(b)、トニー・ウィリアムス(ds)。トニー・ウィリアムスは、ボストン時代にリヴァースの生徒であり、また彼をマイルス・デイビスに推薦し、同バンドに入るきっかけを作ったこともあり、緊密なプレーが期待されます。

曲はすべてリヴァースのオリジナル。「Fuchsia Swing Song」、「Downstairs Blues Upstairs」、「Cyclic episode」、「Luminous Monolith」、「Beatrice」、「Ellipsis」の6曲。曲名にSwing Songとか、Downstairs Bluesと出てきて、内容を示唆しているようです。バラードの「Beatrice」(ベアトリーチェ)は、彼が奥様に捧げたものなので、彼女の名前をもってきて曲名にしています。

トニー・ウィリアムスのドラムスは期待通りで、「Fuchsia Swing Song」から爽快に走り抜けます。同曲におけるリヴァースのソロは、フリーキーな音や無駄な繰り返しがなく、一音一音が力強く、簡潔にメロディがつながります。「Downstaire Blues Upstairs」も同じで、ブルースを感じさせますが、ややアブストラクトです。「Beatrice」は、美しいテーマをもったバラード。中音域で細かいフレーズを重ねていくリヴァースのソロが素晴らしい。

【犀川白鳥湖(安曇野市豊科)の白鳥】

長野自動車道豊科インターチェンジの近くに、白鳥飛来地があります。犀川白鳥湖と名付けられていますが、犀川の本流の一部でゆるい水の流れもあるところです。白鳥はじめ、水鳥が数多く越冬しています。

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