安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

イシュトヴァン・ケルテス(指揮)の「シューベルト:交響曲全集」に魅せられ、彼の指揮したブラームスやモーツァルトのCDを聴いています。

2024-11-15 19:30:00 | クラシック

飯森範親指揮 群響室内オーケストラの演奏会で、シューベルトの交響曲第5番が取り上げられた(その記事へのリンク)ので、イシュトヴァン・ケルテス指揮ウィーン・フィルで同曲の演奏(CD)を聴きました。

そのCDが気にいり、ケルテス指揮ウィーン・フィルの演奏にはまっています。叙情的で、ダイナミクスに溢れた指揮、ウィーン・フォルの嫋やかな弦楽器の音色、DECCAレーベルの優秀録音と、際立っています。

イシュトヴァン・ケルテス(指揮者、1929ー73年)の紹介

1929年ハンガリーのブダペスト生まれ。73年没。ブダペストのリスト音楽院で指揮をショモジーに師事し、ヴァイオリンと作曲も学ぶ。53年ジュール歌劇場の指揮者となり、55年にブダペスト国立歌劇場の副指揮者に就任するも、ハンガリー動乱で亡命。アウグスブルク歌劇場指揮者を経て、64年からケルン市立歌劇場の総監督を務め、65年から3年間ロンドン響の首席指揮者を兼任。音楽界を背負う才能に恵まれていたが、遊泳中に水死。(タワーレコードのHPからお借りしました。)

(購入して聴いたCD)

   

シューベルト:交響曲全集(CD4枚組)。ケルテス指揮ウィーン・フィル。1963~71年録音。ウィーンフィルの響きが素晴らしく、全部良いですが、特に、小編成で演奏される第5番が、テンポや音色など出色。

   

本CDのライナーノートに掲載されている第8番のオリジナルレコードのジャケット写真。ケルテスが若々しい。

   

ブラームス:交響曲全集(SACD3枚組)。ケルテス指揮ウィーン・フィル。1964年、72年、73年録音。全て好きな曲なので、うっとりとして聴きました。ウィーン・フィルの管楽器の音も魅力あります。   

ライナーノートに掲載された、ケルテスの指揮姿。

    

ドヴォルザーク:交響曲第9番「新世界より」ほか(SACD)。ケルテス指揮ウィーン・フィル、イスラエル・フィル。1961年、62年録音。「新世界より」は、ウィーンフィルとの初録音で、有名な録音です。

   

モーツァルト:交響曲集(25番、29番、35番、36番、39番、40番)ほか(CD3枚組)。ケルテス指揮ウィーン・フィル。1962年、63年、72年録音。まだ40番だけしか聴いていませんが、特に第4楽章が良かった。

   

モーツァルト・オペラ・フェスティバル(CD2枚組)。ルチア・ポップ(ソプラノ)、ブリギッテ・ファスベンダー(メゾ・ソプラノ)、ヴェルナー・クレン(テノール)、トム・クラウゼ(バリトン)、マンフレート、コングヴィルト(バス)。ケルテス指揮ウィーン・ハイドン管弦楽団。1971年録音。

ウィーン・ハイドン管弦楽団は、実質ウィーン・フィルのようです。ケルテスは、歌劇場の仕事も多く、ザルツブルグ音楽祭にも登場しています。本CDは、モーツァルトのオペラ名場面集で、歌手も揃っています。

 

(購入してあって、これから聴く予定のCD)

今週末から来週にかけて、上記のうちまだ聴いていないものに加え、以下のCDを聴くつもりです。楽しみ。

   

モーツァルト:レクイエムほか(SACD)。ケルテス指揮ウィーン・フィル、ロンドン交響楽団。1965年、68年録音。

   

ドヴォルザーク:交響曲第7番・第8番(CD)。ケルテス指揮ロンドン交響楽団。1963年、64年録音。

   

コダーイ:組曲「ハーリ・ヤノシュ」ほか(SACD)。ケルテス指揮ロンドン交響楽団。1964年、69年録音。

   

モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」、第27番(CD)。クリフォード・カーゾン(ピアノ)、ケルテス指揮ロンドン交響楽団。1967年録音。ケルテスによるピアノ協奏曲の伴奏を聴きたくて購入。

イシュトヴァン・ケルテスは、若くして亡くなっているので、そう多く録音は残されていませんが、他のものも聴いてみたい。

(参考)イシュトヴァン・ケルテス協会のホームページ:ケルテス会とは:入会方法のご案内: イシュトヴァン・ケルテス協会


藤田真央(ピアノ)の新作「72 Preludes」など最近聴いたクラシックのCD。 

2024-10-25 19:30:00 | クラシック

クラシックの新譜CDもたまに購入しています。最近では、ユジャ・ワン(p)の「ウィーン・リサイタル」(その記事へのリンク)が良かったです。今回、藤田真央(p)の新譜を購入し聴きました。

   

藤田真央(ピアノ)「72 Preludes」(Sony)。

曲目は、ショパン:24の前奏曲、スクリャービン:24の前奏曲、矢代秋雄:24の前奏曲。

(感想など)

モーツァルトのピアノソナタ全集に続く、ソニークラシカルからの2作目。特徴は、前奏曲に焦点を絞り、ことに矢代秋雄のものを収録したことでしょうか。矢代秋雄という日本人作曲家の作品を取り上げることによって、本作の存在価値を高め、また、藤田真央自身の個性も表出させようとしたのでしょう。

ショパンとスクリャービンの曲は、気持ちよく聴けました。とりわけ、スクリャービンの前奏曲は、きらきらと音色やハーモニーが変化して、素晴らしい。スクリャービンの曲自体が、ビル・エヴァンス以降のジャズピアノを連想させるものがあり、興味が尽きません。

矢代秋雄の作品ですが、作品自体がそれほど面白いとは思いませんでした。新しいことを書いているのかもしれませんが、地味で曲想が伸びやかでなく、演奏は悪くないのでしょうが、もっと聴きたいという気持ちになれませんでした。

【ソニーミュージックの本アルバム発売のお知らせ】

セカンドアルバム「72Preludesショパン/スクリャービン/矢代秋雄:24の前奏曲」ついに国内盤発売! | 藤田 真央 | ソニーミュージックオフィシャルサイト

(ライナーノートにある藤田真央の紹介)

(特典として、チケットホルダーをいただきました。)

 

(クラシック音楽情報誌ぶらあぼ2024年11月号に、藤田真央72Pureludesのレビューが載っていました。)

   

表紙

   

本作品のレビュー。

(併せて聴いたCD)

   

リリー・クラウス(p)のコンサートホールレーベルへの録音を、復刻されたCDで聴きました。モーツァルト集です。ピアノ協奏曲第9番「ジェノーム」は好きな曲です。

   

往年の名ヴァイオリニストのダヴィッド・オイストラフの「ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲」(1958年録音)をSACDで聴きました。アンドレ・クリユイタンス指揮フランス国立放送管弦楽団の伴奏も典雅です。


阪田知樹「ILLUSIONS(イリュージョンズ)」、群響7月定期公演の曲目など最近聴いたクラシックのCD。

2024-08-06 19:30:00 | クラシック

群馬交響楽団の定期会員になっていて、ほぼ毎月高崎芸術劇場に演奏を聴きに出かけています。しかし、最近、別の予定が入ってきて、出かけられない回が増えています。7月公演にも行けなかったので、その演奏曲目を手持ちのCDで聴いてみました。

また、最近購入したピアニストの阪田知樹のCD「ILLUSIONS」が、良かったので、それについて、まず触れます。

阪田知樹 (TOMOKI SAKATA) 
ILLUSIONS (KING 2019年、2020年録音)

   

阪田知樹(p)さんは、東京芸大を経て、ハノーファー音楽演劇大学大学院に在籍。2016年フランツ・リスト国際ピアノコンクール優勝、2021年エリザベート王妃コンクール第4位、内外のオーケストラと共演するとともに国際音楽祭へ出演、作編曲も多数。

(収録曲)

1  ミリー・バラキレフ(1837-1910):東洋風幻想曲《イスラメイ》
2  フレデリク・ショパン(1810-1849)(バラキレフ編曲): ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 作品11より第2楽章「ロマンス」
3  フランツ・リスト(1811-1886): リゴレット・パラフレーズ  S.434/R.267
4  ピョートル・チャイコフスキー(1840-1893)(サムイル・フェインベルク(1890-1962)編曲): 交響曲第5番 ホ短調 作品64より第3楽章「ワルツ」 世界初録音
5  チャイコフスキー(フェインベルク編曲): 交響曲第6番 ロ短調 作品74『悲愴』より第3楽章「スケルツォ」
6  セルゲイ・ラフマニノフ(1873-1943)(阪田知樹編曲): 私は彼女のもとにいた 作品14-4 世界初録音
7  ラフマニノフ(阪田知樹編曲): ヴォカリーズ 作品34-14 世界初録音
8  リスト:ハンガリー狂詩曲 第2番 嬰ハ短調  S.244/R.106  (カデンツァ:阪田知樹)

(感想など)

今まで阪田知樹さんの演奏は、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番と第3番、辻彩奈(ヴァイオリン)さんの伴奏と、計3回聴いたことがありますが、このCDを聴くと彼自身のリサイタルに行きたくなりました。超絶技巧に加えて、音色の素晴らしさや、彼自身の編曲の良さにも俄然注目しました。

阪田さん自身の編曲によるラフマニノフの「私は彼女のもとにいた」と「ヴォカリーズ」は、しっくりときて、感情移入もできて素晴らしい。美音が際立ち、メランコリックな情緒も感じられました。リストの2曲も圧巻でしたが、チャイコフスキーの交響曲の2曲は、ピアノ一台では、そもそも厳しい気がしました。

ライナーノートにある演奏写真。

阪田知樹ホームページ:Tomoki Sakata 阪田 知樹 | Facebook

 

(群響2024年7月定期演奏会の曲目を手持ちCDで聴きました。)

   

チラシ表。

今回のプログラムは、モーツァルト:6つのドイツ舞曲、コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲、R・シュトラウス「家庭交響曲」でした。演奏会には行けませんでしたが、次のCDを聴いてみました。

   

コルンゴルト:ヴァイオリン協奏曲。ヴィルデ・フラング(vn)、ジェイムズ・ガフィガン指揮フランクフルト放送交響楽団。(2015年録音)。コルンゴルトのヴァイオリン協奏曲は、最近、日本の演奏会で取り上げられることも増えているように思います。今回はダメでしたが、どちらかで聴いてみたい。

   

リヒャルト・シュトラウス:家庭交響曲。ルドルフ・ケンペ指揮シュターツカペレ・ドレスデン。交響曲ですが、連続して演奏され交響詩のような感じも。第4部などトランペットをはじめ演奏がすごくたいへんだと思われ、よく群響が演奏会で取り上げたものだと感心。実演を聴いてみたかった。


ユジャ・ワン(ピアノ)の新譜「ウィーン・リサイタル」や群響5月定期の演奏曲目などクラシック関連のCD。

2024-06-01 19:30:00 | クラシック

ピアニストのユジャ・ワンの新譜「ウィーン・リサイタル」が発売されたので、購入しました。また、所用で聴きに行けなかった群馬交響楽団5月公演の曲目を、参考に購入してあったCDで改めて聴いてみました。

YUJA WANG (ユジャ・ワン)
THE VIENNA RECITAL (ウィーン・リサイタル)

   

ユジャ・ワンは、超絶技巧の持ち主で、2022年に行われたウィーン・リサイタルでは、リゲティやカプスーチンの曲目も演奏していますが、ベートーヴェンのソナタ18番「狩り」も素晴らしく、古典派の作品も見事に弾きこなし、レパートリーが広く、深化していることに感嘆しました。次のアルバムも楽しみです。

(曲目)

(ライナーノートに掲載された写真)

   

   

   

(タワーレコードから購入。特典としてもらった絵はがき)   

 

【群響2024年5月公演の演奏曲目のCD】 
 

   

2024年5月公演のチラシ。指揮は原田慶一郎です。ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」、ファリャ「バレエ音楽〈恋は魔術師〉」、芥川也寸志「交響曲第1番」と魅力的な曲目が並んでいます。

ロドリーゴ「アランフェス協奏曲」
ティボー・ガルシア(ギター) ベン・グラスバーグ指揮 トゥールーズ・キャピトル国立管弦楽団

   

群響5月公演では、このティボー・ガルシアがソリストとして登場しました。ガルシアのプロフィールを記載しておきます。名曲の名演といってよいCDだと思われます。(Erato 2020年録音)

   

ファリャ「恋は魔術師」
パブロ・エラス=カサド指揮マーラー室内管弦楽団 

   

スペイン出身の指揮者、エラス=カサドが、自国の作曲家ファリャの名曲を録音したもの。録音の良さもあいまって、絢爛たる管弦楽が楽しめます。(ハルモニア・ムンディ 2019年録音)

芥川也寸志「交響曲第1番」
藤岡幸夫指揮東京シティー・フィルハーモニック管弦楽団

   

芥川也寸志「交響曲第1番」を初めて聴きましたが、重厚で本格的な交響曲で、すごい作品が日本にもあったのだと、驚きました。藤岡幸夫指揮東京シティフィルも熱演を繰り広げています。(スリーシェルズ 2019年録音)

CDのライナーノートにある指揮者の藤岡幸夫さんの写真。


2023年タワーレコードクラシック売り上げTOP40、中から2作品(CD)を新たに購入。

2024-01-23 19:30:00 | クラシック

最近、CDの購入は、主にタワーレコード(タワレコ)の通信販売を使っています。長野市ではCDの新譜を置いてあるお店は無くなり、通販が頼りです。もっとも、CDが、この先、作り続けられるかも不明ですが。

「2023年タワーレコード CLASSICAL 年間TOP40」という冊子を入手しました。タワレコのホームページにある内容ですが、一覧で売れ行きの動向がわかり、興味深い。中から気になる2作品を新たに購入しました。

   

冊子の表紙。

   

2023年、タワーレコードで最も売れたクラシック輸入盤TOP40。3位までは次のとおり。

1位 イザイ:6つの無伴奏ソナタ。ヒラリー・ハーン(vn)。
2位 ストラヴィンスキー:バレエ「春の祭典」、「火の鳥」。クラウス・マケラ指揮パリ管弦楽団。
3位 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集。ユジャ・ワン(p)、ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィル。

ヒラリー・ハーン(vn)のイザイのソナタは、ちょっと聴いてみたい。ユジャ・ワン(p)演奏のラフマニノフのピアノ協奏曲全集は、発売と同時に購入し持っていました。

   

11位から40位です。このうち、14位と19位のCDを新たに購入しました。あとの方で記します。

   

最も売れたタワーレコード企画盤。古い録音のSACD化など、タワレコは様々取り組んでいて、感心します。

1位 チャイコフスキー:交響曲第4番~第6番。ムラヴィンスキー指揮レニングラード・フィル。SACD。
2位 ブラームス:ヴァイオリン協奏曲他。オイストラフ(vn)、ロストロポーヴィチ(vc)、セル指揮クリーヴランド管弦楽団。SACD。
3位 シャルル・ミュンシュ&パリ管弦楽団録音集。SACD。

3位のミュンシュ指揮パリ管のものが欲しいのですが、現在、迷っています。普通のCDでほとんどの曲目を持っているので、まあいいかと。でも、SACD化で音が良くなっているなら、あってもいいかなと(笑)。

   

タワー・レコードのバイヤーお勧めのCD。曲目よりも演奏者を前面に出しています。コロナ禍で開催されなかったコンサートも再開されて、若手を含めて、活躍する現代の演奏家に注目が集まっているようです。  

(上記冊子に掲載されているCDで、僕が購入したもの

   

クララ&ロベルト・シューマン:ピアノ協奏曲。 ベアトリーチェ・ラナ(p)、ネゼ=セガン指揮ヨーロッパ室内管弦楽団。

クララのピアノ協奏曲を聴きたかったので購入したCDですが、ロベルトの方も素晴らしかった。B・ラナ(p)とネゼ=セガン(指揮)は、結構ゆったりなテンポで演奏していて、冒頭に続く部分など最高。

ベアトリーチェ・ラナは、イタリア出身のピアニスト。2024年5月には、ムジークフェライン・フェスティバルで、カネラスキ指揮ウィーン響とモーツァルトのピアノ協奏曲第20番を、ベルリン・フィル定期でネゼ=セガン指揮ベルリン・フィルとクララ・シューマンのピアノ協奏曲を演奏予定。注目すべきピアニスト。

(参考)ベアトリーチェ・ラナ・ホームページ:BEATRICE RANA Pianist (beatriceranapiano.com)

   
カール・エマヌエル・バッハ(C. P. E. バッハ):ヴュルテンベルク・ソナタ集。キース・ジャレット(p)。

キース・ジャレットが1994年5月に自宅スタジオで録音。未発表であったが、30年の時を経て陽の目をたみたもの。カール・エマヌエル・バッハ(J. S. バッハの息子)の曲は、メロディに甘美なところがあり、なんとなくロマン派寄りかも。キース・ジャレットの演奏は、リズミカルで、聴いていて気持ちが良い。

   

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲全集。ユジャ・ワン(p)、ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィル。

この作品については、発売と同時にCDとレコードを購入しました。ユジャ・ワンのファンでもありますが、ピアノ協奏曲4曲に加えて、「パガニーニの主題による狂詩曲」も入っているので。最近のお気に入り。

(参考)ユジャ・ワン・ホームページ:Yuja Wang | Piano

 

タワーレコードホームページ「クラシック年間TOP40」のページへのリンク:

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