安曇野ジャズファンの雑記帳

信州に暮らすジャズファンが、聴いたCDやLPの感想、ジャズ喫茶、登山、旅行などについて綴っています。

ジミー・レイニー MOMENTUM

2014-04-30 19:38:09 | ギター

奥さんが友達と群馬県の草津温泉に行ってきて、温泉や宿の料理に満足したと話をしていました。そこで、僕も温泉に入りたくなり、安曇野市から東の方へ山道を約45分走り、田沢温泉(長野県小県郡青木村)の日帰り温泉施設「有乳湯(うちゆ)」に行ってきました。田沢温泉は、開湯が飛鳥時代後半とも伝えられる歴史のある温泉で、小路の左右に3軒の旅館があります。静かで鄙びた雰囲気は、純粋に温泉を楽しみたい方にうってつけです。シンプルな編成による演奏です。

JIMMY RANEY (ジミー・レイニー)
MOMENTUM (MPS 1972年録音)

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MPSレーベルは、ハンス・ゲオルグ・ブルナー=シュアーが設立したドイツのレーベルで、オスカー・ピーターソンなどピアニストを中心として、500ほどのタイトルがあります。ギター奏者のものも、ジム・ホール「In Berlin」やジョー・パス「Intercontinental」というよく知られた作品がありますが、ジミー・レイニーの「Momentum」も忘れられません。僕は、これらを「MPSギター・トリオ3部作」と勝手に名付けて、たまに楽しんでいます。

メンバーは、ジミー・レイニー(g)、リチャード・デイヴィス(b)、アラン・ドウソン(ds)で、ギター・トリオ編成です。録音場所は、ニューヨークで、プロデュースは、ドン・シュリッテン(プレスティッジやザナドゥ・レーベルで活動)が当たっています。レイニーにとっては、あまり恵まれなかった時期のもので、久しぶりの録音です。

曲は、レイニーの自作とスタンダードです。レイニーのオリジナルが、「Momentum」と「We'll Be Together」、あとはスタンダードで、「Autumn In New York(ニューヨークの秋)、「The Best Thing For You is Me」、「Nobody Eles But Me」、「Just Friends」の全6曲。親しみやすい選曲で、例えば、タル・ファーロー(g)の「Autumn In New York」(Verve)と聴き比べることも出来ます。

トリスターノ派の味わいもある優れた作品です。「Momentum」では、レイニー(g)は、ホリゾンタルなラインを弾いていて、漂う緊張感とメロディラインの気持ちよさは、特筆もの。リチャード・デイヴィス(b)もしっかりと支えています。バラードの「Autumn In New York」は、さりげないプレイに抒情が溢れていますし、テンポの早い「The Best Thing For You Is Me」におけるスピーディーなレイニーのソロ、リラックスして3人がよくスイングしている「Just Friends」など聴きどころがたくさんあります。

【田沢温泉】

住所:長野県小県郡青木村大字田沢
電話:0268-49-0052 (有乳湯(うちゆ)の電話番号です)
観光協会案内:青木村田沢温泉・沓掛温泉案内

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田沢温泉の入り口からの光景。

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島崎藤村も泊まったという、由緒ある「ますや旅館」。

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小路の途中に道祖神があったので、写真に撮ってみました。

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日帰り温泉(共同浴場)の有乳湯(うちゆ)です。
営業時間:6:00~21:30 定休日:無し(年中無休)
料金:大人200円 子供100円
青木村には、沓掛温泉もあるので、今度は、そちらに行ってみたいと思っています。


ホレス・シルヴァー DOIN' THE THING

2014-04-27 08:39:57 | ピアノ

ジャズ喫茶Mーgate(長野県北安曇郡松川村)に挨拶も兼ねて出かけてきました。お店に置いてあった「信州にジャズを広める会」の会報(平成26年3月31日発行)に、マスターの池原和雄さんが「ジャズ喫茶M-gateを開店して」と題して、開店のいきさつやジャズファンになったきっかけ、訪れたお客様のことなどを書かれていて、興味深く読みました。同店では、CDは使わず、レコードをかけています。僕もレコードを取り出しました。

HORACE SILVER (ホレス・シルヴァー)
DOIN' THE THING (BLUE NOTE 1961年録音)

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レコードは、国内盤がほとんどですが、輸入盤も少しは持っていて、聴いたのはユナイテッド・アーティストにより再発された「DOIN' THE THING」です。ブルーノートのものでも、再発(東芝直輸入品も含む)なら、そう高くないこともあり、つい衝動買いすることがあります。今日はレコードを楽しむ日にして、ソニー・クラークとカーティス・フラーのものも聴いてみました。ジャケットも下の方に掲げました。

「DOIN' THE THING」は、ニューヨークのクラブ「ヴィレッジ・ゲイト」における実況録音です。メンバーは、ブルー・ミッチェル(tp)、ジュニア・クック(ts)、ホレス・シルヴァー(p)、ジーン・テイラー(b)、ロイ・ブルックス(ds)。ミッチェルとクックというフロント陣も揃っていますが、やはり注目は、シルヴァーのリズミックなピアノでしょうか。

曲は、ホレス・シルヴァーのオリジナルで、「Filthy McNasty」、「Doin' The Thing」、「Kiss Me Right」、「The Gringo」の4曲。最後にシルヴァー・グループのテーマ曲となっている「Cool Eyes」が短く演奏されています。それぞれ、このグループに相応しい曲ばかりです。僕は、「Filthy McNasty」をことに気に入っています。

ファンキーさが溢れた活気あるライブが楽しめ、曲の紹介などアナウンスも録音されていて、雰囲気が伝わります。なんといっても、「Filthy McNasty」が最高です。ミッチェル(tp)が絶好調で、ソロもメロディアスでいいのですが、シルヴァー(p)の力強く調子のよいバッキング、ソロに興奮します。「Doin' The Thing」は、マイナーブルーズと紹介がありますが、テンポも早く、クック(ts)とミッチェルのソロは熱気を帯びて盛り上がり、ブルックス(ds)も派手なソロをとります。

【ジャズ喫茶 M-gate】

住所:長野県北安曇郡松川村85-28
電話:0261-62-2384
営業:11時~20時(ラスト・オーダー 19時) 
定休日:火・水曜日(年末年始は別に定める)

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レコードは現在1700枚で、買い増している最中とのことです。スピーカーはJBLのエベレスト。

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「信州にジャズを広める会」の会報に掲載されたマスターの文章(1ページ目)。

【続けて聴いた東芝EMI(株)による直輸入盤LP】

 

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いずれも中古で購入したものです。右のフラーのものは、シュリンク(薄いビニール)がかかったままです。この2枚は、国内盤LPも所持しています。  


パット・モラン THE PAT MORAN QUARTET

2014-04-23 20:59:05 | ピアノ

陸郷(長野県北安曇郡池田町)の山桜が見頃だというので、先日、安曇野市から少し足を伸ばして行ってきました。ちょうど、長野県内は、北部の方でも桜が満開で、国道19号線を安曇野市から長野方面に走っていくと、道路の左右の山の中腹に山桜が咲いているのが見られます。19号線から少し入りますが、この陸郷地区には、圧倒的に多くの桜の木があります。あたり一帯が華やかで美しく、しばし春の山里の光景に見とれました。美しいハーモニーも聴けるアルバム。

PAT MORAN (パット・モラン)
THE PAT MORAN QUARTET (BETHLEHEM 1956年録音)

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スコット・ラファロ(b)が参加しているトリオ編成アルバムの「This is Pat Moran」(Audio Fidelity 1957年録音)が良く知られているパット・モラン(p)ですが、ヴォーカル(コーラス)とピアノ・トリオの両方が聴ける「The Pat Moran Quartet」は、彼女のグループの魅力をあますことなくとらえていて、僕のようなインスト、ヴォーカルどちらも聴きたいファンには格好のアルバムです。

メンバーは、パット・モラン(p, vo)、ジョン・ドリング(b, vo)、ジョニー・ホワイテッド(ds, vo)、ビヴァリー・ケリー(vo)。女性2人と男性2人によるコーラスで、その中でソロをとるビヴァリー・ケリーの歌声が聴けます。もちろんピアノ・トリオだけによるトラックもあります。楽器だけでなく、ヴォーカルも併せて披露できる芸達者な人たちが集まっており、クラブで評判を呼びました。

初めてこのアルバムを見たのは、20数年前で、かつて新宿西口にあったレコード店「コレクターズ」においてでした。壁に展示してあったLPは神々しく、値段も10万円ほどだったと記憶しています。これでは生涯聴くのは無理だと思っていたのですが、国内盤LPが出され、現在ではCDが容易に入手できます。

ピアノ・トリオの曲が、「A Foggy Day」、「Have You Met Miss Jones」、「The Best Things in Life Are Free」、メドレーで「Spring is Here」と「It Might As Well Be Spring」の4曲、コーラス入りが、「This Can't Be Love」、「What a Difference A Day Makes」(恋は異なもの)、「I Shoud Care」、「Gone With The Wind」、「Somebady Loves Me」、「Sunday Kind of Love」、「Two Sleepy People」、「Pick Yourself Up」の8曲。

一粒で2度美味しい、グリコ的なアルバムです。パット・モラン(p、vo)は、メリハリのよく効いた乗りのよいプレイをピアノ・トリオの演奏で行っていて、そちらの代表は、「Have You Met Miss Jones」あたりでしょうか。4人のコーラスは、はじめの曲「This Can't Be Love」から軽快にスイングし快調ですが、ビヴァリー・ケリー(vo)のクールに響く高音も美しい「What a Difference A Day Makes」や「Sunday Kind of Love」にうっとりと魅了されます。

【陸郷の山桜】

住所:長野県北安曇郡池田町陸郷7454-6
問合せ先:池田町観光協会 0261-62-9197

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ピーク時には、4000本の山桜が咲くということです。

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カーティス・フラー FOUR ON THE OUTSIDE

2014-04-20 08:44:00 | トランペット・トロンボーン

この前の日曜日、長野市から松本市へ移動途中、長野道上り線の姨捨サービスエリアに休憩を兼ねて寄りました。この3月に新装オープンしたそうで、建物が明るくなり、飲食コーナーやお土産コーナーが充実していました。その一画で、千曲市は杏の産地ということもあってか、杏のソフトクリームを売っていたので、初めて買って食べてみました。杏の香りと味がほんのりとして、美味しくいただきました。味わいのあるアルバム。

CURTIS FULLER (カーティス・フラー)
FOUR ON THE OUTSIDE (TIMELESS 1978年録音)

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カーティス・フラーは、大好きなトロンボーン奏者で、50年代~60年代はじめにかけて録音した「BLUES-ETTE」(SAVOY)や「SOUTH AMERICAN COOKIN'」(EPIC)などはよく聴いていました。フラーは、非常に長い間活躍している息の長いミュージシャンですが、70年代以降にもこのようないい録音を残しています。

メンバーは、カーティス・フラー(tb)、ペッパー・アダムス(bs)、ジェームス・ウィリアムス(p)、デニス・アーウィン(b)、ジョン・ヤーリング(ds)。トロンボーンとバリトン・サックスによるアンサンブルやアダムスのプレイが注目されますし、当時新鋭のウィリアムス(p)をはじめとしたリズム陣にも興味が湧きます。

曲は、カーティス・フラーのオリジナル中心です。フラー作の「Four On The Outside」、「Suite Kathy」、「Little Dreams」、「Ballad For Gave-Wells」の4曲に、スタンダードの「Hello Young Lovers」(ハロー・ヤング・ラヴァーズ)、作者不詳の「Corrida Del Torro」の全6曲。フラーの自作曲は、いずれもメロディアスで、「Four On The Outside」では、「Under Paris Skys」(パリの空の下)に似たメロディが現れます。

フラー(tb)の柔かさと、アダムス(bs)の豪快なプレイの対比も面白く、ハード・バップ・ベースの快演が繰り広げられています。早いテンポの「Four On The Outside」は、はじめの方でベースが打ち出すパターンが印象的で、モード色もあり新鮮な演奏。ウィリアムス(p)の爽快なソロも登場します。「Hello Young Lovers」では、フラー(tb)、アダムス(bs)とテクニックのあるところを聴かせ、バラードの「Ballad For Gabe-Wells」では、フラーの暖かみのある音色にほっとします。

【姨捨サービスエリア(上り)】

住所:長野県千曲市大字八幡字柳田7340
ホームページ:ドラぷら姨捨SA上りホームページ

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売店です。左側にみえる「月の里カフェ」で杏ソフトクリームを買いました。

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杏ソフトクリームです。右写真は、長野県下伊那郡大鹿村の「山の塩」(湧出している温泉からつくった塩)を使ったチョコとようかんです。前任地の飯田下伊那地域のものがあったので喜びました。

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サービスエリアの庭の光景。こぶしの白い花が咲き始めていました。


ビル・エヴァンス EMPATHY

2014-04-16 21:11:13 | ピアノ・トリオ

長野市にも「コメダ珈琲店」が出来たと聞いたので、先週の土曜日に行ってきました。この3月まで飯田市に2年間いたので、飯田市や名古屋市内にある同店にはたまによっていました。実は、名古屋市内で最も好きな喫茶店は、大須や栄地下街などにある「コンパル」で、濃い目の珈琲とそこに加える小さなピッチャーに入ったミルクの味は忘れられません。次いで、コメダが気に入っていて、落ち着いて読書できるのがありがたいところです。ゆっくりと落ち着いて聴きたいアルバム。

BILL EVANS (ビル・エヴァンス)
EMPATHY (Verve 1962年録音)

   Empathy

年度初めということもあって、宴会やちょっとした飲会が多く、財布も身体も疲れています。居酒屋あたりでも、管楽器入りのジャズを流すところが増えていますが、静かめのピアノ・トリオを流しているお店はないような気がします。あまり、じっくりと静かでは、お酒を呑むピッチが上がらないし、賑やかさがほしいということもあるのでしょうか。

ビル・エヴァンス(p)のアルバムは高水準なものが多いと思いますが、ヴァーヴ・レーベルのものも好んでいます。このアルバムのピアノ・トリオは、臨時編成ですが、ベースがエディ・ゴメスではなく、モンティ・バドウィッグなのがありがたい。ビル・エヴァンス(p)、モンティ・バドウィッグ(b)、シェリー・マン(ds)というメンバーです。

曲は、スタンダード中心です。アーヴィング・バーリン作曲の「The Washington Twist」と「Let's Go Back To The Waltz」、アイルランド民謡「Danny Boy」(ダニー・ボーイ)、リチャード・ロジャース作「With A Song In My Heart」(我が心に歌えば)、ゴードン・ジェンキンス作「Goodbye」(グッドバイ)、フランク・レッサー作「I Believe In You」の全6曲。いずれも親しみやすいメロディのものばかりです。

Empathy(感情移入)というタイトルは、三者による相互に触発するインタープレイのことを指しているのでしょうが、ベース、ドラムスは控えめに聴こえるので、エヴァンス(p)のプレイに焦点が集まります。「The Washington Twist」は、エヴァンスが明るくはずみ、シェリー・マン(ds)のバッキングも面白い。「Danny Boy」は、短い演奏ながら、エヴァンスはきれいに原メロディを浮き立たせ、情緒が溢れています。「Let's Go Back To The Waltz」は、ワルツからスタートし、テンポアップして、スインギーなプレイに移っていくところが聴きもので、マンのブラシによるプレイも小気味よい。

【コメダ珈琲店 長野東和田店】

住所:長野県長野市東和田508-1
TEL : 026-219-3345

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昨年(平成25年)の12月にオープンしたそうです。東和田は、自宅から少し離れているので、お休みの日に寄るくらいになりそうです。

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入り口の右側にテラス席が設けられてありました。初夏くらいになればいいかもしれません。

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注文したのは、ミニシロノワール(パンの上にアイスクリームを乗せた「シロノワール」のミニ)とアメリカン珈琲です。珈琲には、左手前にありますが、豆菓子が一袋付いてきます。

【コンパルとコメダのレギュラーコーヒーの粉】

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ちょっと前になりますが、この2つのお店で、珈琲の粉を買い求めました。どちらも、ペーパードリップで自分で作って飲むのですが、コンパルの方は、どうやってもお店で飲むような味にはなりませんでした。