朝呼び出しベルの音がした。
妻はゴミ出しに行っているので私が応答した。
妻だった。
「ちょっと来てみて」
何事かと急いで出て行った。
妻は裏口に案内した。
車庫のシャッター前に大きなおーきなカエルがいた。
裏口から出て行った妻だったが帰ってきてからカエルに気が付き、その前を通って家に入れなくなってしまったのだ。
以前使用していた黒いゴミ袋と手袋を用意してお引取り願おうと思った。
準備して現場に戻ってみると彼がいない。
残念ながら一歩踏み込んでいた我が家に。
彼の一歩は1メーター。立ち幅跳びで進むから。
当初目論んでいた箒の柄でつついて袋に入れる方法は断念した。
「狭いところに入り込んでしまう前に彼を掴むことが最も確実で最善策」と瞬時に決断した。
覚悟して近づくとピョンと跳ねた。
力強いピョンを見ると少し産気づく。いや怖気づく。
石臼だの植木鉢だのをいっぱい置いてあるので掴みにくい。
またそれは彼にとってピョンしにくいということでもある。
勇気を出して、というより怖くなる前に「エイヤッ」と掴む。
両手で持ち上げて妻の持っている袋に入れた。
重い。結構な重量だ。筋肉がしっかりしていて固太りである。
袋に落とすと中で跳ねた。黒いビニール袋がバサッと音を立てた。
しかし袋の入り口を閉じてしまうと大人しくなった。そうするために黒色を選んだのだが。
「堤防で放そうか」と言うと
「うん」と言って妻が付いて来た。
私の運ぶ黒い袋。大きくはない。下だけが膨らんでいる。中に何かが入っていることは明確。片手で持つことが出来る重さ。夫婦で大切そうに運んでいる。あまり良い中身ではないと想像するであろう。猫の死体とかヘビとか。
堤防まで歩いていく途中で近所のおばさんと出会った。
「お早うございます」と言うと、はっきり「お早う」を言わずチラチラと袋を見ていた。
堤防で袋を逆さにして彼を草の上に落とした。
彼はその場にしばらくじっとしていた。
妻はゴミ出しに行っているので私が応答した。
妻だった。
「ちょっと来てみて」
何事かと急いで出て行った。
妻は裏口に案内した。
車庫のシャッター前に大きなおーきなカエルがいた。
裏口から出て行った妻だったが帰ってきてからカエルに気が付き、その前を通って家に入れなくなってしまったのだ。
以前使用していた黒いゴミ袋と手袋を用意してお引取り願おうと思った。
準備して現場に戻ってみると彼がいない。
残念ながら一歩踏み込んでいた我が家に。
彼の一歩は1メーター。立ち幅跳びで進むから。
当初目論んでいた箒の柄でつついて袋に入れる方法は断念した。
「狭いところに入り込んでしまう前に彼を掴むことが最も確実で最善策」と瞬時に決断した。
覚悟して近づくとピョンと跳ねた。
力強いピョンを見ると少し産気づく。いや怖気づく。
石臼だの植木鉢だのをいっぱい置いてあるので掴みにくい。
またそれは彼にとってピョンしにくいということでもある。
勇気を出して、というより怖くなる前に「エイヤッ」と掴む。
両手で持ち上げて妻の持っている袋に入れた。
重い。結構な重量だ。筋肉がしっかりしていて固太りである。
袋に落とすと中で跳ねた。黒いビニール袋がバサッと音を立てた。
しかし袋の入り口を閉じてしまうと大人しくなった。そうするために黒色を選んだのだが。
「堤防で放そうか」と言うと
「うん」と言って妻が付いて来た。
私の運ぶ黒い袋。大きくはない。下だけが膨らんでいる。中に何かが入っていることは明確。片手で持つことが出来る重さ。夫婦で大切そうに運んでいる。あまり良い中身ではないと想像するであろう。猫の死体とかヘビとか。
堤防まで歩いていく途中で近所のおばさんと出会った。
「お早うございます」と言うと、はっきり「お早う」を言わずチラチラと袋を見ていた。
堤防で袋を逆さにして彼を草の上に落とした。
彼はその場にしばらくじっとしていた。