家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

へんなオバサン

2019-08-09 08:49:07 | Weblog
ショッピングモールに妻と出かけた。

今日はポイントがたくさん付く日なので混み合っていた。

買い物用のカゴが重い場合は私もレジの列に並ぶが、そうでもないし、とにかくレジの列が長いので私は別のところで待つことにした。

少し離れたところにベンチが用意されていて、そこからレジを見張ることにした。

セルフレジの他7から8箇所のレジに列が出来ていた。

妻の位置を確かめてベンチに座った。

スマホのメールなどを確かめたあとは立ち上がってレジを見て、まだ妻の順番は来ないことを確かめて座った。

すると女性が同じベンチにドスンと座った。

私はベンチの真ん中に座っていたわけではないが隅にずれて座り直した。

女は「あ、落としちゃった」と言って勢いよくパンフレットを投げ捨てる。

その声の抑揚のなさから少し変だなと感じた。

続いて「あ、落ちちゃった」を繰り返し始めバッサバッサと捨てる。

ベンチの隣にあるパンフレット用棚からパンフレットを取り出してはチラけていることが分かった。

私はつい「何だこのやろう」と口ずさみ席を立った。

大声ではないが当人には当然聞こえていたはずだ。

私は少し離れて立ち止まり様子を見ていた。

すると、その女も立ち上がって急ぎ足で別の売り場方面に去った。

私は、このことを、このショッピングモールの従業員に伝えたほうが良いと判断して、この売り場のレジを探した。

レジは見つけたがオバちゃんばかりなので男の従業員を探すと運良く近くを歩いていた。

私は首に名札をつけて歩いている男の従業員に今の出来事を告げた。

「どちらですか、それは」と聞かれたので案内した。

するとベンチの周りは思っていた以上にパンフレットがまかれていた。

彼は座ってパンフレットを拾い始めた。

私も手伝おうとすると「いや、結構です。私がやります」と言って続けた。

パンフレットを棚に全部戻し終えると「どんな方でした?」と聞かれた。

「特徴が無いのですよね」と答えた。

「警備に伝えておきます」という彼に女性という情報しか伝えられなかった。

それでも警備に電話している彼の後ろ姿を見た。

自分が恥ずかしかった。

大したことが起きないで欲しいと願った。