友人の娘さん夫婦が始めた店に行ってきた。
掛川市という少し地理的には少し離れている場所だ。
しかしドライブがてら寄るには、ちょうどよい距離だとも言える。
店を娘さんがFacebookで紹介していたので、それは見ていた。
店は薪をくべて、その熱を利用した釜で料理を作る。
その釜は店の外から薪を入れ内側から食べ物を入れる仕組みになっている。
その釜は友人親子(父と息子)が作った。
東海道五十三次の25番目の宿場にあるこの店の名前は日坂宿 橘屋(にっさかじゅく たちばなや)という。
その娘さんは森町の橘という所の出身なので、そこから名前をいただいたのかと思っていた。
しかしこの宿場の家には、それぞれ名前が付けられていて、それがこの場所の名前として偶然橘屋だったという。
この娘さんが、まさに、この場所に導かれたという因縁めいていることを強く感じる。
釜で温められたキッシュを食べてみた。
肉や野菜が、程よくお互いの主張を受け入れキッシュという食べ物になっている。
ソテーされた豚肉も美味しく仕上がっていた。
それと合ったパンがまた美味しかった。
特筆すべきはわらび餅だ。
私が知っているわらび餅は白い。
しかし、それはわらび餅と言えない物であったようだ。
出された物はこげ茶色の物で、これがわらびという植物の根を利用して作った本物のわらび餅だったというのだ。
69年間生きてきて、この日に初めて本物のわらび餅を食した。
黒蜜もきな粉も用意されていたが、そのまま何も着けずにわらび餅を味わうのが最良だと感じた。
2019年11月に掛川駅から金谷駅までを歩いた時に、この店の近くの旧東海道を通った。
ヘトヘトになるほどの急坂だったことを思い出した。
この坂の前後の宿場町は、この坂に対するための生活必需であったことだろう。
若夫婦の努力と幸運で、この宿場町と共に地域住民と共に橘屋として、ずーっと繁盛してもらいたい。