晴れた日に傘を差して歩くのは去年から行っている。
そして、その傘のボタンは既に取れてしまっている。
ボタンとは、開いた傘をたたむためのボタンだ。
ボタンを押せば「ガシン」と鳴って傘の開いた骨が三ヶ所の蝶番によって四つ折りとなって、たたまれる仕組みだ。
そのボタンが外れてどこかに行ってしまったため傘の柄に付いている小さな真鍮製の突起を爪で押して本体を縮め、その勢いで「カシャカシャ」と勢いをつけて柄を押し込んでいくと開いていた傘も折りたたまれる。
本来は傘が折りたたまれて、そこに柄を縮ませるという順序だが、その逆をするしかなかった。
だが、その突起は小さすぎて面倒な上に傘の頂点を持って縮める必要があり不便極まりなかった。
このところ雨降りが多かったため、その間にボタンを直すことにした。
ボタンの付いていた部分には丸い穴があり、その丸い穴は指も爪も届かない。
そこに何かをセットして「カシャッ」とする必要がある。
木を削ってボタンの代用品とした。
確か本来の純正品はプラスチック製の黒い丸い物だった。
木をはめ込んで押すと「カシャッ」となって折りたたまれた。
ところが、その時の勢いで木がすっ飛んでしまう。
「ははあ。これでボタンを無くしたんだな」と気が付いた。
木で閉まることが分かると次は飛んで行かない細工が必要となった。
その木を革に貼り付け、その革を丸い穴の周りに留めてしまえばいいな。
プラスチックに革を留める接着剤が我が家の常備接着剤ではエポキシ2液混合タイプの物だ。
その場で貼り付く瞬間接着剤ではないので接着効果の確実になるまでガムテープで補助した。
さて実際に試してみた。
多少のギクシャク感はあるものの使用には耐えうる。
元通りというのは便利なものだ。