最近の雨は凄まじい勢いと量だ。
雨の後に散歩に出ると多量の雨が、どのように水路に入っていったかが分かる。
水に浮く枯れ葉や紙類がコンクリート製の側溝フタの隙間やグレーチングに向けて大急ぎで流れ入った跡がある。
まるで犯人の足取りのように動きが見て取れる。
私は次の雨に備えて、それらをゴミ袋に片付ける。
散歩道の二級河川である芳川の水路を見ると、かなりの高さまで水が流れたことが分かるように草が下流に向かって倒れこんでいる。
雨が降ってもいいように雨傘を持って出る。
雨傘は透明で日傘は黒い。
去年黒い傘を差していると、いろいろな動物たちが逃げることを知った。
今年も、いつもは、ほとんど逃げない山鳩が慌てて逃げたことを知った。
透明の傘を持っているので実験をしてみた。
水路脇の太いパイプの中にいるカニたちに透明の傘を差してみた。
彼らは驚くこともなく逃げもせず、いつも通りにしていた。
やはり傘が怖いのではなく猛禽類のような鳥の影が怖いのだ。
日陰の多い公園回りを歩いているとグレーチングに大量の枯れ葉が塊となっている。
五ヶ所あるグレーチングの内二ヶ所は、きれいに取り除いてあった。
だが残りはそのままだ。
どうしても、その枯れ葉を取りたくなった。
だが素手では、らちが明かないからホウキとチリトリが欲しい。
このグレーチングの近くの民家で借りられれば良いのだが人の姿も見えないし、かといってわざわざ玄関ホンを鳴らして借りるのも怪しまれそうだ。
しかたなく一旦帰宅して車にそれらを積み込み現場に戻った。
チリトリに枯れ葉を掃き入れると気持ちよくガサッと塊が入る。
雨で枯れ葉がくっ付いているからだ。
取れた枯れ葉は、その元である公園の中に落とし入れる。
公園の柵には枯れ葉が固まって張り付いていて外に出ないから、そのやり方でいいようだ。
別の所も含めて30分で六ヶ所のグレーチングがきれいになった。
子供の頃、溜まっている雨の通り道を傘の先端で作ってやると、その通りに水が移動したことを思い出した。
「同じじゃん」
いまだに同じことをしている。