家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

夫婦で小春荘

2019-03-21 14:48:53 | Weblog
この時期西伊豆の小春荘に泊まりで出かける。

それは車好きのオヤジたちの集まりだった。

だが今年は夫婦で出かけた。

昨年11月23日に猫のマロ君が20歳で召された。

我々夫婦は、その痛手を癒すために「どこか温泉に行きたいね」と話していた。

どこがいいだろうか、と言っている間に妻が鼓膜形成術を受けることになり旅行どころではなくなった。

術後の経過は良いがドクターからは「風邪をひかないように」と厳命を受けている。

温泉どころじゃないから「美味しいお魚でも食べに行きたいね」ということになったが、そうこうしているうちに妻のピアノ教室の発表会が近づいてきて、それもできなくなった。

妻はピアノ演奏には絶対手抜きしないタイプで生徒の完成度が低いと過分にストレスを感じるのだ。

その中で私が計画したのは西伊豆小春荘だ。

男同士でワイワイ飲んだり食ったりする場所と考えていたので妻に合うだろうかと少し心配はあった。

伊豆には数々出かけているが今回は初めて通る道を見つけた。

沼津港を過ぎて狩野川放水路に掛かる長塚橋を通って県道134号線に入る。

その道は、いちご街道と呼ばれ、やがて富士見パークウエーとつながる。

そのままつながる韮山峠ICから伊豆スカイラインを走る。

平日なので車の台数も少なく快適に走れた。

伊豆スカイラインを冷川ICで降りてIC近くの「野喰家いかばた」という古民家の店で昼食をとることにした。

古民家の木の扉を開けると本物の土間があり高い天井と薄暗い空間が待っていた。

メニューは手のばしうどんを中心にいろいろある。

私は天ぷらと手のばしうどん妻は麦トロ飯などを頼んだ。

麺には透明感が有り美味しく頂いた。

その後大沢温泉に行き貸切風呂に入った。

「私頭洗うんだ」という妻に「シャンプーなんてないよ」と告げると「えっ」となった。

古びた扉を開けると湯船があり、出洗い場に桶が置いてあってそれだけだ。

風呂の窓は全開にしてあり外の川の向こう側の道路から丸見えだ。

あわてて窓を閉める。

湯に浸かるだけというシンプルな温泉だ。

だが湯がとてつもなく熱くて入れたものではない。

水道で薄めて入ると、それはそれで気持ちよかった。

一回50分までにしてください、と書かれていたが冗談じゃない50分も入ったら茹で上がってしまう。

その後無事小春荘に到着しのんびり風呂上がりのビールを楽しんでいると夕食になった。

刺身は伊勢海老とサザエと真鯛、金目鯛の煮付けとカサゴのフライそしてカニなどテーブルに乗りきれないほど並ぶ。

茶碗蒸しやカサゴのフライなど温かいものから優先的に食べていく。

私は、もう途中で棄権状態になったが妻は「これが食べたかったの」と言って全部食べた。

「やるときゃやるな」と褒めた。

酒を楽しむ間がないと私は感じるのだが妻は酒より料理なので良いらしい。

ポンポコ狸のようになって部屋に戻ると椅子の生活に慣れた我々には畳に座る生活はきびしい。

正座か寝転ぶしかない。

食べ過ぎたあと寝転がってTVを見ていれば眠くなる。

妻を癒すために企画した旅行だが妻の寝息を聞いて私の役割を果たせたという思いになった。

かくして老夫婦の幸せな夜は早めの就寝で片付いた。

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