家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

ドブ掃除2019

2019-11-25 08:38:59 | Weblog
回覧板には11月18日の月曜日にドブ掃除で出た泥を回収に来るということだ。

私は14日に作業した。

ずいぶん回収までに日が空いてしまうが、この日が最も私のスケジュールに適していた。

コンクリート製のドブ板は業者がピッタリ嵌めていったため上げ辛い。

大きめのバールと古びたヤスリを使って、やっとの思いで上げた。

中にはびっしりと土が詰まっていた。

この土は近隣の小学校の校庭の土だ。

下水道が完備してからは、このドブには生活排水は入らない。

チリも積もればの例え通り長年の土ぼこりが雨に流されて侵入し、このように土の塊となってドブの中に堆積するのだ。

そのせいで駐車場の隅には雨水が溜まり車を移動させなくてはいけない事態となる。

私が、ほとんどの作業を終えたとき、どこかの爺さんがやってきた。

「あんたえらいなぁ」と褒めてくれる。

「いや、ここは水が溜まるんですよ。どうせこの先が全部詰まっているからやってもしかたないんですけどね」と言うと、爺さんは「よし。俺が言ってやる」と言って近くの自治会長宅に行こうとする。

「やめてください。その先の家は、もう夫婦が亡くなってしまって無理なんです」と言っていると自治会長が出てきた。

「この人は毎年やっているんだ」と言う。

見ている人は見ているものだ。

ドブ板は真上に上げる装置がないと上げるのが大変だが実は戻す方が難しい。

ほんの少し入りきらない箇所に板を当てておいてハンマーで叩き入れた。

私は出した土の塊を山にして置いておいた。

翌日やはり、その山の頂上にはスニーカーの跡があり少し崩れていた。

これを実は待っていた。

「男子児童」とニヤニヤしながら即座に結論した。

だが足跡はひとつだけで終わった。

当日今までは午前中には回収していったのだが、来ない。

ひょっとしたら町内で私だけが出したのかもしれないが。

それにしても、いつまで経っても回収に来ない。

やっと来たのは4日目だった。

それまでに一回雨に当たってしまった。

だが崩れてドブに戻ってしまうことはなかった。

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