家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

ビールは涼しい所で

2019-08-05 11:28:22 | Weblog
明日の早朝道造りという奉仕作業のため春野に宿泊した。

前日のお昼ころ家に到着して雨戸を開ける。

ムンムンしているので窓を開け放して車で5分林道を登る。

小さな川に何本もの沢が流れ込む。

道路には枯れ枝やら山から落下した大小の石が散乱する。

目的地は日陰で家からは2度や3度気温が低いであろう。

車のリアゲートを上げて座り持ってきたおにぎりを食べた。

冷房もないし、きれいなお皿もない。

だが沢から吹く風が、そしてザーザーという沢音が心地よい。

キュウリとモヤシの漬物と一緒に、いつもよりひとつ多くおにぎりを食べた。

車は1台も通らずオートバイが2台通り過ぎていった。

おにぎりを食べた手を山から落ちてくる水で洗った。

極度の冷水で驚く。

続いて近所のお風呂に行く。

ほぼ独り占めの湯船だから、この入湯料の200円は安い。

家に戻りしばらくして夕食の準備をした。

といっても七輪に火を起こすだけだ。

ビールを飲みながらの作業だ。

ビールを飲んでも汗は出ない。

暑くて汗をかいて飲むビールよりも冷房に入って機械的に涼しくした中で飲むビールよりも美味しく感じた。

野外の開放感や木々を通ってくる風がビールの味を変えているのかもしれない。

私の造った屋根の下にクロネコが潜んでいるのは知っていた。

久しぶりに猫のいる生活という感じがして嬉しかった。

偶然落としたソーセージを、ソーっと猫に持っていった。

暗闇の中のクロネコが姿を隠す。

違った場所から姿を確認しようとしたら逃げていってしまった。

「セセセセセセー」とヒグラシの大合唱。

時おり七輪から炎が登る。

肉から滴り落ちる油に引火するのだ。

ススで黒くなったピーマンが美味しい。

この家の周囲の山林には野菜や肉を焼く匂いで充満していたであろう。

だがその夜泊まっても獣の近づく音はしなかった。

翌朝置いておいたソーセージを見に行くと、まだそこにあった。




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