家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

旅行 その3

2006-02-22 08:31:16 | Weblog
旅立ち

ペンションは西側に急傾斜するみかん畑の中に建っていて駿河湾が一望できる。

チェックインと同時に露天風呂を予約した。ペンションに隣接して建てられた小屋の中で海を見ながら肩を並べて湯船に浸かった。土肥から清水に向かうフェリーがおもちゃの船のように浮かんでいる。夕日は次第に赤さを増し、あっという間に遠くの対岸のシルエットの中に消えていった。


ロブスターやお刺身をつまみに赤ワインで乾杯した。

「去年は母のことでお世話になりました」
妻は他人行儀と思えるほどかしこまった挨拶をした。
そうだ忘れていた。今日は昨年妻の母親を送り出したあと延び延びになっていた二人だけの打ち上げに来ていたのだった。
間近に見える海や野趣溢れる露天風呂ですっかり良い気持ちになってしまって肝心なことを忘れるところだった。

「父も母も喜んでいると思うよ」と妻は私の行動を褒めてくれた。

「それなら嬉しいな」と答えて大きめのワイングラスを「チーン」と妻のグラスに当てた。


父母と子ども二人の6人揃って行った旅行を思い出す。子育てが終わり親の介護も終わってしまったこれからは、このような二人だけの旅行を楽しむことになる。


いくつ目かの旅立ちが始まっている。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
露天風呂 (xsd)
2006-02-23 09:52:32
とても素晴らしい旅行だったようですね。

二人での旅は、マイペースで行けるから

良いですね。



露天風呂が素晴らしいですね

返信する
XSD様 (無職無収)
2006-02-23 18:08:48
旅行は計画を立てたり、お金を工面したり行く道中も楽しいし帰宅しても思い出話ができるし遊びの王様又はホームラン王です。
返信する

コメントを投稿