家訓は「遊」

幸せの瞬間を見逃さない今昔事件簿

元気は浮気?

2012-03-21 07:42:57 | Weblog
叔母さんのところに叔父さんと母を連れて行った。

「今日はちょと別のところへ寄って行ってくれ」というので案内通りに車を走らせた。

和菓子屋だった。

「赤飯を頼んであるで」というので手伝いが必要だと思い私も店の中に入っていった。

「できてますよ。オジさんの言うとおりに作っといたでね」と店の人が言った。

ここでも自分の思ったように作ってもらったのだなと感じた。

「なんだか自分の老後を見ているようだ」と車で待つ母に伝えると笑っていた。

今日は3人の今年初めての顔合わせだ。

私は叔父さんと母に買った時に合わせて買っておいたピンクの靴下を渡した。

母は蒸かしたサツマイモを直接車椅子の叔母さんに渡し叔父さんは赤飯を叔母さんの亡くなったご主人の遺影の前に置いた。

「たいへんだったねぇ」と叔母さんが叔父さんに言うが叔父さんには聞こえない。

毎回私が通訳のように叔父さんの耳元で大きな声で伝える。

リハビリ担当の男性が入ってきて叔母さんの身体を揉み始めた。

「今日は明るいね。毎日皆さんに来ていてもらいたい」と言う。

私たちが訪れたときに見せている叔母さんの姿は毎日の姿ではないことを知った。

叔母さんは叔父さんの死からの奇跡的な生還を驚くとともに喜んだ。

叔父さんは、こともなげに「どの薬が効くのか時間がかかった」と伝えた。

急な病が治ってみれば最高齢の叔父さんがイチバン健康そうだ。

仙台の病院からセントレア空港を経由して、やはりそこから浜松の病院までは救急車で運ばれた。

救命士やら看護士など複数の人たちが懸命に仕事をする姿も教わった。

叔父さんの健康な姿は彼らの期待に応えたものでもあるのだと感じた。

叔母さんの昼食時刻が近づき食堂まで送っていった。

「あんたやはり○○に似ているね。元気そうで」というので

「今がイチバン元気だよ。悪いとこ全部治っちゃった」と答えた。

「それじゃぁ浮気でもしなきゃ」と言う。

少し返答に困って

「それはいいなぁ」と苦笑いして言った。

叔母さんも母も嬉しそうだった。

元気の意味がそんなところに結びついたかと驚いた。

叔父さんはテーブルに着いた叔母さんと握手した。

叔母さんは今日は泣かなかった。

食堂に他の人たちがいたからだろう。

気を使う毎日の生活は老人にとって必要でもあり気の毒でもあると感じた。



最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (山水)
2012-03-21 20:32:16
元気は浮気ですかユニークなお祖母さんですね
冗談は若さですね
返信する
山水様 (無職無収)
2012-03-22 07:12:57
その冗談で驚いてしまった私は老人ですかね。
親戚から浮気の話が出るとは思ってもみなかった。
いや決してやましくないですよ。
返信する

コメントを投稿