テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ とうもろこし倉の、真夜中は? ~

2022-05-02 22:36:22 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ひゅゥ~どろどろんッ♪」

「がるる!ぐるる~る!」(←訳:虎です!どろろ~ん!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ヒュ~ドロドロ……と、

 柳の下にオバケが出る季節には

 ちょっと早過ぎるでしょうか。

 いやいや、良いゴーストストーリーは年中無休さ!

 という訳で、本日の読書タイムは、

 こちらの御本を、さあ、どうぞ~♫

  

 

 

     ―― とうもろこし倉の幽霊 ――

 

 

 著者はR・A・ラファティさん、

 編・訳は井上央(いのうえ・ひろし)さん、

 2022年1月に発行されました。

 『Ghost in the Corn Crib and other stories』

 と英語題名が付されています。

 

「でででッ、でまスかッ?」

「ぐるるるるがる!」(←訳:出るみたいだよ!)

 

 奇妙で、奇怪で、

 ヘンテコで、ファンタスティック――

 独特の味わいで熱烈なファンを持つ

 レイフェル・アロイシャス・ラファティさん(1914~2002)。

 

 この御本には、

 訳者である井上央さんが選び抜いた

 ラファティさんの短編9作品が収録されています。

 全作品とも、

 日本語訳されるのは初めて!なのだそうですが、

 さて、どこからどう御紹介したものでしょうか……。

 

「ふァいッ! ここはァ、やぱりィ!」

「がるぐるる!」(←訳:表題作品で!)

 

 そうね、やっぱりヒュ~ドロドロ……

 つまり表題作品である

 『とうもろこし倉の幽霊』

 の粗筋を、ちょこっとお喋りすることにいたしましょう。

 

 幽霊譚――

 ゴーストが登場する物語は、

 時代を問わず、洋の東西も問わず、

 人びとの心を魅了するようです。

 それは、米国の片田舎でも

 変わらぬらしく。

 

 二人の少年が

 “とうもろこし倉に出る幽霊“の話題で

 盛り上がっておりました。

 

「でるのはァ、まよなかッ?」

「ぐるがるるぐるる?」(←訳:倉のどこに出るの?)

 

 田舎っ子のジミー・ラターデイルくん、

 都会っ子のジミー・ジョンストンくんは、

 幽霊の話をよく知る大人たちに

 訊ねて回ります。

 

 とうもろこし倉で、

 その昔、何が起こった?

 

 幽霊がいる、だけじゃないって?

 

 幽霊が来て

 首を吊らせたっていうのは、

 どういうこと?

 

「みなさんッ、まじめェでスゥ!」

「がるるるぐぅるるるる?」(←訳:オフザケじゃないんだ?)

 

 ええ、そうなんです。

 とうもろこし倉の幽霊は、

 イタズラやフェイクではなく、どうやら本物……

 だからこそ、大人たちも真面目に、

 幽霊についての話をしてくれる。

 

 そうしていつの間にか、

 少年ふたりも吸い寄せられるように、

 深夜のとうもろこし倉へと

 出掛けてゆくことになったのですが……?

 

「もッもうすぐゥ~…」

「ぐるるるがるる!」(←訳:十二時になるよ!)

 

 老犬シェップが唸り声をあげる真夜中、

 とうもろこし倉の幽霊は少年たちに

 何を囁くのか。

 

 S・キングさんや

 レイ・ブラッドベリさんの幽霊譚と異なり、

 良い意味でのんびりした表題作品と同様に、

 奇妙だけれど憎めない、

 ユーモア漂う9つの物語は、

 米国文学好きな方々、

 ミステリ好き&SF好きな活字マニアさんに

 おすすめですよ。

 御本の巻末の

 編・訳者の井上さんによる解説も必読の一冊を、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

 

コメント
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