「こんにちわッ、テディちゃでス!
ひゅゥ~どろどろんッ♪」
「がるる!ぐるる~る!」(←訳:虎です!どろろ~ん!)
こんにちは、ネーさです。
ヒュ~ドロドロ……と、
柳の下にオバケが出る季節には
ちょっと早過ぎるでしょうか。
いやいや、良いゴーストストーリーは年中無休さ!
という訳で、本日の読書タイムは、
こちらの御本を、さあ、どうぞ~♫
―― とうもろこし倉の幽霊 ――
著者はR・A・ラファティさん、
編・訳は井上央(いのうえ・ひろし)さん、
2022年1月に発行されました。
『Ghost in the Corn Crib and other stories』
と英語題名が付されています。
「でででッ、でまスかッ?」
「ぐるるるるがる!」(←訳:出るみたいだよ!)
奇妙で、奇怪で、
ヘンテコで、ファンタスティック――
独特の味わいで熱烈なファンを持つ
レイフェル・アロイシャス・ラファティさん(1914~2002)。
この御本には、
訳者である井上央さんが選び抜いた
ラファティさんの短編9作品が収録されています。
全作品とも、
日本語訳されるのは初めて!なのだそうですが、
さて、どこからどう御紹介したものでしょうか……。
「ふァいッ! ここはァ、やぱりィ!」
「がるぐるる!」(←訳:表題作品で!)
そうね、やっぱりヒュ~ドロドロ……
つまり表題作品である
『とうもろこし倉の幽霊』
の粗筋を、ちょこっとお喋りすることにいたしましょう。
幽霊譚――
ゴーストが登場する物語は、
時代を問わず、洋の東西も問わず、
人びとの心を魅了するようです。
それは、米国の片田舎でも
変わらぬらしく。
二人の少年が
“とうもろこし倉に出る幽霊“の話題で
盛り上がっておりました。
「でるのはァ、まよなかッ?」
「ぐるがるるぐるる?」(←訳:倉のどこに出るの?)
田舎っ子のジミー・ラターデイルくん、
都会っ子のジミー・ジョンストンくんは、
幽霊の話をよく知る大人たちに
訊ねて回ります。
とうもろこし倉で、
その昔、何が起こった?
幽霊がいる、だけじゃないって?
幽霊が来て
首を吊らせたっていうのは、
どういうこと?
「みなさんッ、まじめェでスゥ!」
「がるるるぐぅるるるる?」(←訳:オフザケじゃないんだ?)
ええ、そうなんです。
とうもろこし倉の幽霊は、
イタズラやフェイクではなく、どうやら本物……
だからこそ、大人たちも真面目に、
幽霊についての話をしてくれる。
そうしていつの間にか、
少年ふたりも吸い寄せられるように、
深夜のとうもろこし倉へと
出掛けてゆくことになったのですが……?
「もッもうすぐゥ~…」
「ぐるるるがるる!」(←訳:十二時になるよ!)
老犬シェップが唸り声をあげる真夜中、
とうもろこし倉の幽霊は少年たちに
何を囁くのか。
S・キングさんや
レイ・ブラッドベリさんの幽霊譚と異なり、
良い意味でのんびりした表題作品と同様に、
奇妙だけれど憎めない、
ユーモア漂う9つの物語は、
米国文学好きな方々、
ミステリ好き&SF好きな活字マニアさんに
おすすめですよ。
御本の巻末の
編・訳者の井上さんによる解説も必読の一冊を、
ぜひ、探してみてくださいね~♪