テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 時間の罠、崩します。 ~

2022-05-22 22:10:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ♪るるゥ~おおきなァ~のッぽのォ~ふっるどけいィ~♪」

「がるる!ぐるるるるるがる~♫」(←訳:虎です!おじいさんの時計~♫)

 

 こんにちは、ネーさです。

 《時の記念日》に制定されているのは、6月10日。

 今は5月ですから少々フライング気味ではありますけれど、

 本日の読書タイムは、

 《時》をテーマにした作品にご登場いただきましょう。

 さあ、こちらを、どうぞ~!

  

 

 

      ―― 時計屋探偵の冒険 ――

 

 

 著者は大山誠一郎(おおやま・せいいちろう)さん、

 2022年3月に発行されました。

 『アリバイ崩し承ります2』と副題が付されています。

 

 先日ご紹介しました『連続自殺事件』は

 世界中のミステリファンから

 《密室の巨匠》と讃えられる

 ジョン・ディクスン・カーさんの作品でした。

 

 ところが、ここに

 《アリバイ破りの巨匠》が……?

 

「おどろきのォ、はやわざァなのでス!」

「ぐるがるる!」(←訳:瞬殺だよう!)

 

 カーさんの作品の探偵である

 どっしりずっしり迫力満点型フェル博士……に対し、

 この御本で活躍する

 《時計屋探偵》さんは……あららっ♪

 

「たようせいィ~でスねッ!」

「がぅるるーるる!」(←訳:ジェンダーレス!)

 

 年の頃は二十代半ば、

 色白でボブの髪型、つぶらな瞳、

 どことなく白兎を思わせる雰囲気の小柄な女性――

 

 ちょっと階段を上るだけで

 ゼーゼーと肩で息をしてしまうフェル博士を、

 そっくり裏返しにしたような

 美谷時乃(みたに・ときの)さんは、

 『美谷時計店』の店主さんです。

 

「ちいさなァおみせェ、だけどォ~」

「ぐるがるぐる!」(←訳:腕は確かです!)

 

 時乃さんの時計店に、

 またアリバイ破りをお願いしたいんですが……

 と、やって来るのは、

 那野(なの)県警捜査一課の捜査員にして

 物語の語り手である《僕》。

 

 捜査一課でいちばん若く、

 新入り、新人、などと呼ばれている《僕》は、

 アリバイ崩しの名手と思われています。

 

 ホントは、ええ、そうなんです、

 一件5.000円の規定報酬で

 時乃さんにアリバイ破りのアイディアを

 授けてもらっている、のが実情で。

 《僕》はもう、気恥ずかしくて。

 

「それはァ、ともかくゥ~?」

「がるるぐる?」(←訳:今度の事件は?)

 

 今度の事件でもまた、

 容疑者は強固なアリバイを持ち、

 県警の捜査官さんたちを苛立たせます。

 

 第1話『時計屋探偵と沈める車のアリバイ』

 第2話『時計屋探偵と多すぎる証人のアリバイ』

 第3話『時計屋探偵と一族のアリバイ』

 第4話『時計屋探偵と二律背反(にりつはいはん)のアリバイ』

 第5話『時計屋探偵と夏休みのアリバイ』

 

 と、5つの短編作品が収録されていて、

 軽やかにアリバイを打破する《なるほど!》感は

 どのお話からも鮮やかに香り立ちますが、

 私ネーさのイチ推しは、

 『時計屋探偵と一族のアリバイ』……!

 

「むむむゥ~…こいつはァ~…」

「ぐるがる!」(←訳:難敵だぜ!)

 

 いつものように、

 秒速でアリバイ破り完了……したはずが、

 《僕》の受難はまだ続く?

 アリバイを破っただけではまだまだ解けない、

 トリッキーな事件の真相は?

 

 ネタバレ厳禁!なので

 これ以上詳しくは書けませんが、

 時乃さんの《アリバイの匠》っぷりに拍手したくなる全5作品、

 ミステリ好きな活字マニアさんに

 おすすめの一冊ですよ。

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪

 

 

 

コメント
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