テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 博士に尋ねよ ~

2022-05-16 23:43:10 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 むぎゅぎゅゥ! ひげきィ~なのでスゥ!」

「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!可哀想だよ~!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 昨日5月15日放送の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、

 ああ、菅田将暉さん演じる義経さんに涙、涙……

 夜闇に去ってゆく後ろ姿に嘆息しながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪

  

 

 

        ―― 連続自殺事件 ――

 

 

 著者はジョン・ディクスン・カーさん、

 原著は1941年に、

 画像の日本語版は2022年2月に発行されました。

 英語原題は『The Case of the Constant Suicides』、

 旧題『連続殺人事件』を改題・新訳した《密室ミステリ》です。

 

「みッしつゥ……!」

「ぐーるるるがるるる!」(←訳:カーさんの得意ワザ!)

 

 《密室ミステリ》ジャンルに於いては、

 帝王!とさえ言えるJ・D・カーさん(1906~1977)。

 

 米国ペンシルベニア州生まれのカーさんですが、

 この物語の舞台は、

 スコットランドの古城です。

 

 或る夜、

 城主であるアンガス・キャンベルさんが

 塔の最上階から転落し、

 亡くなったのは……

 事故か、自殺か、それとも?

 

「うゥ~むむむッ?」

「がるるぐるぅ!」(←訳:大論争だよぅ!)

 

 既に第二次世界大戦が始まっていて、

 間もなくロンドン空襲が……という、

 不穏な情勢の中、

 弁護士さんに招かれ、

 城へとやって来たのは、

 アンガス・キャンベルさんの親戚にあたる

 アランさんと

 キャスリンさんのふたり。

 

 不審な状況でアンガスさんが亡くなったことを

 城に到着して後、

 二人は初めて聞かされます。

 

 保険会社は、保険金目当ての自殺だ!と言い、

 弁護士さんは、他殺だ!と言い、

 いったい何が何やら?

 

「こんなときはァ、よんでェみようゥ!」

「ぐる~!」(←訳:博士~!)

 

 カーさんの作品の“名探偵“といえば、

 ギデオン・フェル博士。

 

 城に着くや否や、博士ははっきり言い切ります。

 殺人だ、と。

 

 その根拠は?

 動機は?

 そして何より、方法は?

 

「みッしつのォ、つくりィ~かたッ!」

「がるるぐる!」(←訳:教えて博士!)

 

 《密室ミステリ》のキングの作品に相応しく、

 悠々&堂々たるテンポで推理を進める

 フェル博士。

 

 そうして著者・カーさんは、

 物語のそこここに、もうひとつスパイスを加えます。

 それは、《笑い》。

 

 御本冒頭の、アランさんとキャスリンさんのやり取りは、

 ビリー・ワイルダーさんのコメディ映画を想わせますし、

 お城での大騒ぎも……あ、これは、

 ネタバレになっちゃいそうなので、

 詳しく書けませんけど、

 ふふふっ、とにかく笑えます。

 

「くひひッ♫」

「ぐるるっ!」

 

 はたして、事件の真相は?

 《密室》と《笑い》が行き着く先は?

 

 ミステリ初心者さんに、

 旧訳版をもう読んでいるミステリマニアさんにも、

 おすすめの名作《密室ミステリ》ですよ。

 フェル博士の華麗なる“絵解き“を、

 皆さま、ぜひ、ご堪能くださいな♪

 

 

コメント
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