「こんにちわッ、テディちゃでス!
むぎゅぎゅゥ! ひげきィ~なのでスゥ!」
「がるる!ぐるるがる~!」(←訳:虎です!可哀想だよ~!)
こんにちは、ネーさです。
昨日5月15日放送の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』は、
ああ、菅田将暉さん演じる義経さんに涙、涙……
夜闇に去ってゆく後ろ姿に嘆息しながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの文庫作品を、どうぞ~♪
―― 連続自殺事件 ――
著者はジョン・ディクスン・カーさん、
原著は1941年に、
画像の日本語版は2022年2月に発行されました。
英語原題は『The Case of the Constant Suicides』、
旧題『連続殺人事件』を改題・新訳した《密室ミステリ》です。
「みッしつゥ……!」
「ぐーるるるがるるる!」(←訳:カーさんの得意ワザ!)
《密室ミステリ》ジャンルに於いては、
帝王!とさえ言えるJ・D・カーさん(1906~1977)。
米国ペンシルベニア州生まれのカーさんですが、
この物語の舞台は、
スコットランドの古城です。
或る夜、
城主であるアンガス・キャンベルさんが
塔の最上階から転落し、
亡くなったのは……
事故か、自殺か、それとも?
「うゥ~むむむッ?」
「がるるぐるぅ!」(←訳:大論争だよぅ!)
既に第二次世界大戦が始まっていて、
間もなくロンドン空襲が……という、
不穏な情勢の中、
弁護士さんに招かれ、
城へとやって来たのは、
アンガス・キャンベルさんの親戚にあたる
アランさんと
キャスリンさんのふたり。
不審な状況でアンガスさんが亡くなったことを
城に到着して後、
二人は初めて聞かされます。
保険会社は、保険金目当ての自殺だ!と言い、
弁護士さんは、他殺だ!と言い、
いったい何が何やら?
「こんなときはァ、よんでェみようゥ!」
「ぐる~!」(←訳:博士~!)
カーさんの作品の“名探偵“といえば、
ギデオン・フェル博士。
城に着くや否や、博士ははっきり言い切ります。
殺人だ、と。
その根拠は?
動機は?
そして何より、方法は?
「みッしつのォ、つくりィ~かたッ!」
「がるるぐる!」(←訳:教えて博士!)
《密室ミステリ》のキングの作品に相応しく、
悠々&堂々たるテンポで推理を進める
フェル博士。
そうして著者・カーさんは、
物語のそこここに、もうひとつスパイスを加えます。
それは、《笑い》。
御本冒頭の、アランさんとキャスリンさんのやり取りは、
ビリー・ワイルダーさんのコメディ映画を想わせますし、
お城での大騒ぎも……あ、これは、
ネタバレになっちゃいそうなので、
詳しく書けませんけど、
ふふふっ、とにかく笑えます。
「くひひッ♫」
「ぐるるっ!」
はたして、事件の真相は?
《密室》と《笑い》が行き着く先は?
ミステリ初心者さんに、
旧訳版をもう読んでいるミステリマニアさんにも、
おすすめの名作《密室ミステリ》ですよ。
フェル博士の華麗なる“絵解き“を、
皆さま、ぜひ、ご堪能くださいな♪