テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ てのひらの、ちいさなぬくもり ~

2022-05-17 22:45:36 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ごろにゃにゃァ~んッ♪」

「がるる!ぐぅるがぅる!」(←訳:虎です!にゃごにゃご!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 春……それは、

 予防注射のためにワンコたちを獣医さんに連れていったり、

 恋するニャンコたちの騒音に悩まされたりする季節。

 という訳で、本日の読書タイムは、

 すべてのニャンコたちの幸せを祈りたくなる

 ↓こちらの御本を、どうぞ~!

  

 

 

         ―― 猫怪々 ――

 

 

 著者は加門七海(かもん・ななみ)さん、

 単行本は2011年11月に発行されました。

 現在は文庫版も刊行されています。

 

 そう、これは……

 とあるちびニャンコちゃんに

 見込まれてしまった作家さんの物語……

 いえ、

 仔猫の生命を守るべく闘った日々を詳述した

 ノンフィクション《ニャンコ》エッセイ、

 と申せましょうか。

 

「みこまれたのがァ、うんのォつきィ!」

「ぐるがるるるるる!」(←訳:もう離れられない!)

 

 犬好きさんならワンコたちと。

 猫好きさんならニャンコたちと。

 毎日一緒に、楽しく暮らすのは、

 夢であり、生き甲斐でもありますよね。

 

 著者・加門さんも、

 そんな“野望“を抱いて、

 新居へ引っ越してまいりました。

 

 生まれ育った町に近くて、

 歩いて駅に行ける立地で、

 商店街があって銭湯があって本屋さんがあって、

 いい神社さん、またはお寺があって、

 等々の条件をクリアした物件は、

 また何よりも第一に。

 

 ペット可であること。

 

「むふゥ! そこがァ、かんじんッなのでス!」

「がるぐるるる~!」(←訳:探し出したぞ~!)

 

 ペット可の物件、

 そんな家に移り住んだら

 ニャンコを迎えよう。

 

 と決意しつつ、《縁》を待つこと、半年。

 

 その瞬間は、突然やって来ました!

 

「ぎゃわわァ! ぜんぽうゥ、ちゅういィ~!」

「ぐるーる!」(←訳:ブレーキ!)

 

 自転車の前に飛び出してきた、一匹の若猫。

 ブレーキをかけ、

 塀の脇に逃げ込んでゆく若猫を

 視線で追えば、そこに。

 

 灰色の、埃の塊のような何かが。

 

「ちッ、ちいさいィ~…!」

「がるぐる!」(←訳:仔猫だよ!)

 

 掌サイズの、小さな猫。

 しかも、具合が悪そうなのは一目瞭然です。

 瞼は目やにで塞がり、動きもぐったり鈍く。

 どうしよう、どうしよう、と

 加門さんは動揺しましたが。

 

 僅かな温もりを感じた途端、

 とてももう、出来ません。

 もう一度道端に捨て置くなんて、無理、絶対ムリ。

 

「びょういんッ、びょういんへッ!」

「ぐるる~!」(←訳:急ごう~!)

 

 このままでは仔猫は死んでしまう。

 どうにかこうにか夜間診療をしてくれる動物病院を見つけ、

 仔猫を診てもらっても、

 ああ、まだまだ気を抜くことは許されません。

 ウィルス性の風邪であるだけでなく、

 後日、猫白血病の陽性反応も出てしまったのです。

 

 仔猫というだけでもタイヘンなのに、

 風邪引きで、

 病気も持っていて……いや、でも、諦めては駄目だ。

 

 拾ったからには、生かしてみせる。

 できることはなんでもする。

 

「たたかいのォ、はじまりィでスよゥ!」

「がるぐるるる!」(←訳:本気だもんね!)

 

 名前は、のの。

 

 “視えてしまう”タイプの作家さんである、加門さん。

 動物病院で標準的な治療を進める一方で、

 人脈とコネクションを駆使し、

 ののちゃんを護り、育ててゆきます。

 

 新居がニャンコの爪とぎ場になってしまっても、

 旅に出掛けられなくなっても、

 室内にヤバい気配が感じられても。

 

「ののちゃんのォ、ためならッ」

「ぐるるるがるるる!」(←訳:不思議と頑張れる!)

 

 幼い生命を、守り、育てる。

 

 ニャンコ好きさんなら、

 いえいえ、ワンコ好きさんでもウサギ好きさんでも、

 大いに共感共鳴し、

 そうよ、そうだよ、と頷かずにはいられない

 仔猫育成の克明な記録です。

 

 ののちゃん、今頃元気でやっているかしら?

 大きくなったら、それはそれでまた可愛いのよね!

 などと空想&想像させられる一冊は、

 動物好きさんに、いえいえ、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♫

 

 

コメント
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