「こんにちわッ、テディちゃでス!
ごろにゃにゃァ~んッ♪」
「がるる!ぐぅるがぅる!」(←訳:虎です!にゃごにゃご!)
こんにちは、ネーさです。
春……それは、
予防注射のためにワンコたちを獣医さんに連れていったり、
恋するニャンコたちの騒音に悩まされたりする季節。
という訳で、本日の読書タイムは、
すべてのニャンコたちの幸せを祈りたくなる
↓こちらの御本を、どうぞ~!
―― 猫怪々 ――
著者は加門七海(かもん・ななみ)さん、
単行本は2011年11月に発行されました。
現在は文庫版も刊行されています。
そう、これは……
とあるちびニャンコちゃんに
見込まれてしまった作家さんの物語……
いえ、
仔猫の生命を守るべく闘った日々を詳述した
ノンフィクション《ニャンコ》エッセイ、
と申せましょうか。
「みこまれたのがァ、うんのォつきィ!」
「ぐるがるるるるる!」(←訳:もう離れられない!)
犬好きさんならワンコたちと。
猫好きさんならニャンコたちと。
毎日一緒に、楽しく暮らすのは、
夢であり、生き甲斐でもありますよね。
著者・加門さんも、
そんな“野望“を抱いて、
新居へ引っ越してまいりました。
生まれ育った町に近くて、
歩いて駅に行ける立地で、
商店街があって銭湯があって本屋さんがあって、
いい神社さん、またはお寺があって、
等々の条件をクリアした物件は、
また何よりも第一に。
ペット可であること。
「むふゥ! そこがァ、かんじんッなのでス!」
「がるぐるるる~!」(←訳:探し出したぞ~!)
ペット可の物件、
そんな家に移り住んだら
ニャンコを迎えよう。
と決意しつつ、《縁》を待つこと、半年。
その瞬間は、突然やって来ました!
「ぎゃわわァ! ぜんぽうゥ、ちゅういィ~!」
「ぐるーる!」(←訳:ブレーキ!)
自転車の前に飛び出してきた、一匹の若猫。
ブレーキをかけ、
塀の脇に逃げ込んでゆく若猫を
視線で追えば、そこに。
灰色の、埃の塊のような何かが。
「ちッ、ちいさいィ~…!」
「がるぐる!」(←訳:仔猫だよ!)
掌サイズの、小さな猫。
しかも、具合が悪そうなのは一目瞭然です。
瞼は目やにで塞がり、動きもぐったり鈍く。
どうしよう、どうしよう、と
加門さんは動揺しましたが。
僅かな温もりを感じた途端、
とてももう、出来ません。
もう一度道端に捨て置くなんて、無理、絶対ムリ。
「びょういんッ、びょういんへッ!」
「ぐるる~!」(←訳:急ごう~!)
このままでは仔猫は死んでしまう。
どうにかこうにか夜間診療をしてくれる動物病院を見つけ、
仔猫を診てもらっても、
ああ、まだまだ気を抜くことは許されません。
ウィルス性の風邪であるだけでなく、
後日、猫白血病の陽性反応も出てしまったのです。
仔猫というだけでもタイヘンなのに、
風邪引きで、
病気も持っていて……いや、でも、諦めては駄目だ。
拾ったからには、生かしてみせる。
できることはなんでもする。
「たたかいのォ、はじまりィでスよゥ!」
「がるぐるるる!」(←訳:本気だもんね!)
名前は、のの。
“視えてしまう”タイプの作家さんである、加門さん。
動物病院で標準的な治療を進める一方で、
人脈とコネクションを駆使し、
ののちゃんを護り、育ててゆきます。
新居がニャンコの爪とぎ場になってしまっても、
旅に出掛けられなくなっても、
室内にヤバい気配が感じられても。
「ののちゃんのォ、ためならッ」
「ぐるるるがるるる!」(←訳:不思議と頑張れる!)
幼い生命を、守り、育てる。
ニャンコ好きさんなら、
いえいえ、ワンコ好きさんでもウサギ好きさんでも、
大いに共感共鳴し、
そうよ、そうだよ、と頷かずにはいられない
仔猫育成の克明な記録です。
ののちゃん、今頃元気でやっているかしら?
大きくなったら、それはそれでまた可愛いのよね!
などと空想&想像させられる一冊は、
動物好きさんに、いえいえ、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♫