「こんにちわッ、テディちゃでス!
ふァふゥ! まるでェ~べつものッ??」
「がるる!がっるるぐるる!」(←訳:虎です!ビックリでした!)
こんにちは、ネーさです。
今日5月4日、NHK総合では
朝ドラ『カムカムエヴリボディ』の総集編が放送されました。
大胆な編集っぷりに驚き、
その大胆さに拍手を送りながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫
―― 飛行士たちの話 ――
著者はロアルド・ダールさん、
原著は1945年に、画像の日本語・新訳版は
2016年8月に発行されました。
英語原題は『OVER TO YOU Ten stories of flyers and flying 』、
ダールさんのデビュー作品を含む
短編10作品が収録されています。
「ちょこれいとォ!」
「ぐるるが~る!」(←訳:ワンカさ~ん!)
ええ、そうなんですよね。
ロアルド・ダールさんといえば、
幾たびも映画やアニメになってきた
『チョコレート工場の秘密』の作家さんです。
いやでも、
ミステリ好きな方々にとっては
名作『あなたに似た人』の著者さん、
として認識されているかもしれませんね。
そのダールさんが、
小説家になるより前の職業というのが。
飛行士さん、でした。
「ほんもののォ、ぱいろッとさんッ!」
「がるぐるる!」(←訳:凄腕なんだ!)
第二次世界大戦中、
ダールさんは英国空軍のパイロットとなり、
北アフリカ戦線等で出撃、
“エース“の呼称を獲得するほどの
戦果を挙げます。
しかし…1940年、搭乗した戦闘機が不時着、
ダールさんは重傷を負ってしまい、
どうにか生命は取りとめたものの、
後遺症との闘いは晩年に至るまで続きました。
「そこでェ、ほうこうウてんかんッ、なのでス!」
「ぐるるがるる!」(←訳:ペンを持とう!)
戦闘機の操縦桿を
ペンに持ち換えて、
小説家ダールさんが誕生しました。
ダールさんの第一作とされているのは、
この御本の59ページ……
『ちょろい任務』、
英語原題『A Piece of Cake』。
ダールさんの実体験を基にしている、
としか思えない短篇です。
エジプトの飛行場から
今しも飛び立とうとしている戦闘機。
語り手である《私》の目的地は、
イタリア軍が善戦しているという、
マルサの町。
こんなのチョロイ任務だぜ、
なんてことないさ、
と《私》と同僚は笑い合いますが、
彼らを待っていたのは……?
「あうううゥ!」
「がるるる!」(←訳:怖いよう!)
『ちょろい任務』と併せて
読んでいただきたいのは、
『彼らは歳を取るまい』(205ページ)。
宮崎駿さんに多大な影響を与えた
“飛行機乗りの物語”は、
やるせなく、美しく、狂おしく、
どこまでも切ない……。
「たぶんッ、ここにもォ~…」
「ぐるるがる?」(←訳:経験を投射?)
飛行機乗りたちは、
どこに向かって飛んでゆくのか。
児童文学とも、
トリッキーなミステリ作品とも、
異なる趣きのダールさんの初期作品は、
全活字マニアさんにおすすめですよ。
GWの読書リストに、
ぜひ、加えてみてくださいね~♫