テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 飛びゆく影は ~

2022-05-04 23:38:11 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 ふァふゥ! まるでェ~べつものッ??」

「がるる!がっるるぐるる!」(←訳:虎です!ビックリでした!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 今日5月4日、NHK総合では

 朝ドラ『カムカムエヴリボディ』の総集編が放送されました。

 大胆な編集っぷりに驚き、

 その大胆さに拍手を送りながら、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♫

  

 

 

       ―― 飛行士たちの話 ――

 

 

 著者はロアルド・ダールさん、

 原著は1945年に、画像の日本語・新訳版は

 2016年8月に発行されました。

 英語原題は『OVER TO YOU  Ten stories of flyers and flying 』、

 ダールさんのデビュー作品を含む

 短編10作品が収録されています。

 

「ちょこれいとォ!」

「ぐるるが~る!」(←訳:ワンカさ~ん!)

 

 ええ、そうなんですよね。

 ロアルド・ダールさんといえば、

 幾たびも映画やアニメになってきた

 『チョコレート工場の秘密』の作家さんです。

 

 いやでも、

 ミステリ好きな方々にとっては

 名作『あなたに似た人』の著者さん、

 として認識されているかもしれませんね。

 

 そのダールさんが、

 小説家になるより前の職業というのが。

 

 飛行士さん、でした。

 

「ほんもののォ、ぱいろッとさんッ!」

「がるぐるる!」(←訳:凄腕なんだ!)

 

 第二次世界大戦中、

 ダールさんは英国空軍のパイロットとなり、

 北アフリカ戦線等で出撃、

 “エース“の呼称を獲得するほどの

 戦果を挙げます。

 

 しかし…1940年、搭乗した戦闘機が不時着、

 ダールさんは重傷を負ってしまい、

 どうにか生命は取りとめたものの、

 後遺症との闘いは晩年に至るまで続きました。

 

「そこでェ、ほうこうウてんかんッ、なのでス!」

「ぐるるがるる!」(←訳:ペンを持とう!)

 

 戦闘機の操縦桿を

 ペンに持ち換えて、

 小説家ダールさんが誕生しました。

 

 ダールさんの第一作とされているのは、

 この御本の59ページ……

 『ちょろい任務』、

 英語原題『A Piece of Cake』。

 

 ダールさんの実体験を基にしている、

 としか思えない短篇です。

 

 エジプトの飛行場から

 今しも飛び立とうとしている戦闘機。

 語り手である《私》の目的地は、

 イタリア軍が善戦しているという、

 マルサの町。

 

 こんなのチョロイ任務だぜ、

 なんてことないさ、

 と《私》と同僚は笑い合いますが、

 彼らを待っていたのは……?

 

「あうううゥ!」

「がるるる!」(←訳:怖いよう!)

 

 『ちょろい任務』と併せて

 読んでいただきたいのは、

 『彼らは歳を取るまい』(205ページ)。

 

 宮崎駿さんに多大な影響を与えた

 “飛行機乗りの物語”は、

 やるせなく、美しく、狂おしく、

 どこまでも切ない……。

 

「たぶんッ、ここにもォ~…」

「ぐるるがる?」(←訳:経験を投射?)

 

 飛行機乗りたちは、

 どこに向かって飛んでゆくのか。

 

 児童文学とも、

 トリッキーなミステリ作品とも、

 異なる趣きのダールさんの初期作品は、

 全活字マニアさんにおすすめですよ。

 GWの読書リストに、

 ぜひ、加えてみてくださいね~♫

 

 

コメント
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