テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 波頭を越えて、世界のどこへも ~

2022-05-27 23:33:39 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 あしたからァ、こなァ~んッ!」

「がるる!ぐるるーるがるる!」(←訳:虎です!ジムシ―もいるよ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 明日5月28日から三鷹の森ジブリ美術館で開催されるのは、

 『未来少年コナン 展 漫画映画の魅力にせまる!』。

 いつでも元気いっぱいなコナンの笑顔と

 愉快なロボノイドの動きを思い浮かべつつ、

 さあ、読書タイムですよ。

 本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪

  

 

 

  ―― 江戸のジャーナリスト 葛飾北斎 ――

 

 

 著者は千野境子(ちの・けいこ)さん、

 2022年5月に発行されました。

 『HOKUSAI,Journalist of the Edo Period』

 と英語題名が付されています。

 

「ほくさいィさんッ!」

「ぐるるがる!」(←訳:日本の誇り!)

 

 葛飾北斎さん(1760~1849)。

 

 『この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人』に、

 唯一日本人として選出されたのが、

 北斎さん、でした。

 

 ちなみに、1位はトーマス・エジソンさん、

 2位はコロンブスさん、

 ガリレオ・ガリレイさんが4位、

 レオナルド・ダ・ヴィンチさんが5位で、

 北斎さんは86位……

 

 いや、もっと上位にしても良かったんじゃないかしら?

 あら、でもエリザベス一世英女王は88位なのね、

 などと色々考えさせられるランキングですが、

 おそらく……将来的には本当に、

 北斎さんはもっと上位にランクインすることでしょう。

 

 19世紀後半~20世紀の絵画に

 かくも大きな影響を与えた北斎さんの生涯を、

 この御本では

 ”画業“よりも

 “仕事ぶり“を重視しながら

 追いかけてゆきます。

 

「はちじゅうゥ~はちさいィ!」

「がるぐるる!」(←訳:長命でした!)

 

 本所深川に生まれ、

 貸本屋さんの小僧さんになったり、

 彫師について版木を彫る技術を学んだり、

 浮世絵師・勝川春朗(かつかわ・しゅんろう)

 としてデビューしたり、

 兄弟子たちとのゴタゴタの後、

 蔦屋さんから狂歌絵本を出したりと、

 長く険しい山や谷を越えて。

 

 文化三年(1806)、ついに、

 葛飾北斎の名が世に出ました。

 

 翌年には、滝沢馬琴さん著『珍説弓張月』、

 その挿絵がまた、

 北斎さんの名をいっそう高めます。

 

「まだまだァ~ゆきまスゥ!」

「ぐるるがる!」(←訳:登ろう坂道!)

 

 72歳で『富嶽三十六景』、

 75歳で『富嶽百景』。

 

 意外にも、2度も結婚してる?

 粗暴な孫に困らされた?

 オランダ商館のお仕事、

 江戸の町を焼く火事、

 天保の大飢饉に苦しめられ、

 小布施の豪商・高井鴻山さんのもとに滞在し、

 『龍』と『鳳凰』、

 『男浪』『女浪』の怒涛図を描く――

 

 幕末の少し手前、

 黒船が来る前の、

 平穏な江戸の年月が終わろうとしている時代、

 北斎さんは、何を、どう見つめていたのか。

 

「まだまだァ!」

「がるるぐるるる!」(←訳:絵筆は捨てない!)

 

 2020年、

 北斎さんの『富嶽三十六景』が

 パスポートの査証欄に刷り込まれました。

 そして、

 2024年には、

 『神奈川沖浪裏』が

 新千円札の図柄になる予定です。

 

 日本の出来事に、

 世界の文化に、

 目を配り続けた北斎さんの

 “確かな仕事っぷり“。

 

 アート好きな活字マニアさん、

 歴史好きな方々におすすめですよ。

 本屋さんで、図書館で、

 ぜひ、探してみてくださいね~♪

 

 

コメント
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