「こんにちわッ、テディちゃでス!
あしたからァ、こなァ~んッ!」
「がるる!ぐるるーるがるる!」(←訳:虎です!ジムシ―もいるよ!)
こんにちは、ネーさです。
明日5月28日から三鷹の森ジブリ美術館で開催されるのは、
『未来少年コナン 展 漫画映画の魅力にせまる!』。
いつでも元気いっぱいなコナンの笑顔と
愉快なロボノイドの動きを思い浮かべつつ、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらのノンフィクション作品を、どうぞ~♪
―― 江戸のジャーナリスト 葛飾北斎 ――
著者は千野境子(ちの・けいこ)さん、
2022年5月に発行されました。
『HOKUSAI,Journalist of the Edo Period』
と英語題名が付されています。
「ほくさいィさんッ!」
「ぐるるがる!」(←訳:日本の誇り!)
葛飾北斎さん(1760~1849)。
『この1000年で最も重要な功績を残した世界の人物100人』に、
唯一日本人として選出されたのが、
北斎さん、でした。
ちなみに、1位はトーマス・エジソンさん、
2位はコロンブスさん、
ガリレオ・ガリレイさんが4位、
レオナルド・ダ・ヴィンチさんが5位で、
北斎さんは86位……
いや、もっと上位にしても良かったんじゃないかしら?
あら、でもエリザベス一世英女王は88位なのね、
などと色々考えさせられるランキングですが、
おそらく……将来的には本当に、
北斎さんはもっと上位にランクインすることでしょう。
19世紀後半~20世紀の絵画に
かくも大きな影響を与えた北斎さんの生涯を、
この御本では
”画業“よりも
“仕事ぶり“を重視しながら
追いかけてゆきます。
「はちじゅうゥ~はちさいィ!」
「がるぐるる!」(←訳:長命でした!)
本所深川に生まれ、
貸本屋さんの小僧さんになったり、
彫師について版木を彫る技術を学んだり、
浮世絵師・勝川春朗(かつかわ・しゅんろう)
としてデビューしたり、
兄弟子たちとのゴタゴタの後、
蔦屋さんから狂歌絵本を出したりと、
長く険しい山や谷を越えて。
文化三年(1806)、ついに、
葛飾北斎の名が世に出ました。
翌年には、滝沢馬琴さん著『珍説弓張月』、
その挿絵がまた、
北斎さんの名をいっそう高めます。
「まだまだァ~ゆきまスゥ!」
「ぐるるがる!」(←訳:登ろう坂道!)
72歳で『富嶽三十六景』、
75歳で『富嶽百景』。
意外にも、2度も結婚してる?
粗暴な孫に困らされた?
オランダ商館のお仕事、
江戸の町を焼く火事、
天保の大飢饉に苦しめられ、
小布施の豪商・高井鴻山さんのもとに滞在し、
『龍』と『鳳凰』、
『男浪』『女浪』の怒涛図を描く――
幕末の少し手前、
黒船が来る前の、
平穏な江戸の年月が終わろうとしている時代、
北斎さんは、何を、どう見つめていたのか。
「まだまだァ!」
「がるるぐるるる!」(←訳:絵筆は捨てない!)
2020年、
北斎さんの『富嶽三十六景』が
パスポートの査証欄に刷り込まれました。
そして、
2024年には、
『神奈川沖浪裏』が
新千円札の図柄になる予定です。
日本の出来事に、
世界の文化に、
目を配り続けた北斎さんの
“確かな仕事っぷり“。
アート好きな活字マニアさん、
歴史好きな方々におすすめですよ。
本屋さんで、図書館で、
ぜひ、探してみてくださいね~♪