「こんにちわッ、テディちゃでス!
なつかしのォ~おれんじィいろッ?」
「がるる!ぐるるるがるーるる!」(←訳:虎です!シンボルカラーです!)
こんにちは、ネーさです。
ちょっと懐かしいようなオレンジ色が
シンボルカラーの車両といえば……
はい、JR中央線ですね♫
本日の読書タイムは、中央線をテーマにした
↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~!
―― 中央線小説傑作選 ――
編者は南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)さん、
2022年3月に発行されました。
中央線……と言っても、
う~ん、首都圏にお住まいでない方々には
ピンと来ないかもしれませんね?
「ちゅうおうせんッ、ちゅうおうゥほんせんッ!」
「ぐるるるるが~る!」(←訳:似てるけど違~う!)
《中央本線》は、
東京駅~新宿駅~塩尻駅~名古屋駅
を結ぶ鉄道路線です。
新宿駅発『スーパーあずさ』なんていうのは
中央本線の特急列車ですね。
《中央線》の方は、
東京駅~高尾駅を結ぶ路線で、
この路線を走る特別快速や快速の車両が、
シンボルカラーとしてオレンジ色を採用しています。
同じ線路を使ってはいるものの、
《中央本線》は長距離を運行する路線で、
《中央線》は通勤や通学に使われるカジュアルな路線、
と、運行体系がややこしくはありますが。
さかのぼれば、《中央線》が開通して以来、
その沿線に
多くの文士さんが住んでおられたという事実は、
活字マニアさんにも鉄道マニアさんにも
よく知られているのではないかしら。
「いッちばんッ、ゆうめいィなのはァ~」
「がるぐる!」(←訳:あの御方!)
太宰治さん(1909~1948)。
青森県北津軽郡金木村に生まれた太宰さんは、
東京帝国大学在学中の1933年、
荻窪に移り住み、
その後も中央線沿線の町々に住み暮らしました。
太宰さんの“最後の家“となったのも、やはり
沿線の町、三鷹市――
もはや太宰さんにとって
中央線に結ばれた武蔵野の町々は
第二の故郷とも言える土地だったのでしょうか。
「いまもォ、ちょッぴりィ~のこッてまスゥ!」
「ぐるがるるる!」(←訳:昔の雰囲気が!)
太宰さんは、『東京八景』『ヴィヨンの妻』などに
三鷹の情景を描き込んでいますが、
編者・南陀楼さんがこの御本のために
選んだ作品は
『犯人』。
えーと、ネタバレになってしまうので、
粗筋を記すことは出来ませんが、
文中には、
井の頭公園、三鷹、吉祥寺、西荻窪……と、
中央線沿線の名称が頻出します。
「まさにィ、じもとォしょうせつゥ?」
「がるぐっるるるるがるる!」(←訳:好きだったんだね三鷹を!)
太宰治さんの他に、
内田百閒さん、五木寛之さん、
井伏鱒二さん、吉村昭さん、松本清張さん……
といった文豪さんたちの作品全11篇から成る
《中央線》のものがたり。
現在は小説家さんだけではなく、
マンガ家さんにも愛されていることで知られる
鉄道沿線の記憶と記録を、
活字マニアの皆さま、
ぜひ、一読してみてくださいね~♪