テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 鉄路を彩る《ものがたり》たち ~

2022-05-10 22:22:26 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 なつかしのォ~おれんじィいろッ?」

「がるる!ぐるるるがるーるる!」(←訳:虎です!シンボルカラーです!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 ちょっと懐かしいようなオレンジ色が

 シンボルカラーの車両といえば……

 はい、JR中央線ですね♫

 本日の読書タイムは、中央線をテーマにした

 ↓こちらの御本を、さあ、どうぞ~!

  

 

 

       ―― 中央線小説傑作選 ――

 

 

 編者は南陀楼綾繁(なんだろう・あやしげ)さん、

 2022年3月に発行されました。

 中央線……と言っても、

 う~ん、首都圏にお住まいでない方々には

 ピンと来ないかもしれませんね?

 

「ちゅうおうせんッ、ちゅうおうゥほんせんッ!」

「ぐるるるるが~る!」(←訳:似てるけど違~う!)

 

 《中央本線》は、

 東京駅~新宿駅~塩尻駅~名古屋駅

 を結ぶ鉄道路線です。

 新宿駅発『スーパーあずさ』なんていうのは

 中央本線の特急列車ですね。

 

 《中央線》の方は、

 東京駅~高尾駅を結ぶ路線で、

 この路線を走る特別快速や快速の車両が、

 シンボルカラーとしてオレンジ色を採用しています。

 

 同じ線路を使ってはいるものの、

 《中央本線》は長距離を運行する路線で、

 《中央線》は通勤や通学に使われるカジュアルな路線、

 と、運行体系がややこしくはありますが。

 

 さかのぼれば、《中央線》が開通して以来、

 その沿線に

 多くの文士さんが住んでおられたという事実は、

 活字マニアさんにも鉄道マニアさんにも

 よく知られているのではないかしら。

 

「いッちばんッ、ゆうめいィなのはァ~」

「がるぐる!」(←訳:あの御方!)

 

 太宰治さん(1909~1948)。

 

 青森県北津軽郡金木村に生まれた太宰さんは、

 東京帝国大学在学中の1933年、

 荻窪に移り住み、

 その後も中央線沿線の町々に住み暮らしました。

 

 太宰さんの“最後の家“となったのも、やはり

 沿線の町、三鷹市――

 もはや太宰さんにとって

 中央線に結ばれた武蔵野の町々は

 第二の故郷とも言える土地だったのでしょうか。

 

「いまもォ、ちょッぴりィ~のこッてまスゥ!」

「ぐるがるるる!」(←訳:昔の雰囲気が!)

 

 太宰さんは、『東京八景』『ヴィヨンの妻』などに

 三鷹の情景を描き込んでいますが、

 編者・南陀楼さんがこの御本のために

 選んだ作品は

 『犯人』。

 

 えーと、ネタバレになってしまうので、

 粗筋を記すことは出来ませんが、

 文中には、

 井の頭公園、三鷹、吉祥寺、西荻窪……と、

 中央線沿線の名称が頻出します。

 

「まさにィ、じもとォしょうせつゥ?」

「がるぐっるるるるがるる!」(←訳:好きだったんだね三鷹を!)

 

 太宰治さんの他に、

 内田百閒さん、五木寛之さん、

 井伏鱒二さん、吉村昭さん、松本清張さん……

 といった文豪さんたちの作品全11篇から成る

 《中央線》のものがたり。

 

 現在は小説家さんだけではなく、

 マンガ家さんにも愛されていることで知られる

 鉄道沿線の記憶と記録を、

 活字マニアの皆さま、

 ぜひ、一読してみてくださいね~♪

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする