「こんにちわッ、テディちゃでス!
もふッ♪ こんどはァ、よしつねェさんッ!」
「がるる!ぐるるるるる?」(←訳:虎です!演じるのは誰?)
こんにちは、ネーさです。
『光秀のスマホ』『土方のスマホ』に続いて
NHKが放つSF時代劇《スマホ》シリーズ新作は
『義経のスマホ』……!
いったい誰が義経さんを演じるのか、もうワクワクです♫
23日深夜0:25からの放送を待ちわびながら、
さあ、読書タイムですよ。
本日は、こちらの御本を、どうぞ~!
―― 絵の中のモノ語り ――
著者は中野京子(なかの・きょうこ)さん、
2021年12月に発行されました。
通信販売カタログ誌『通販生活』、
その後、月刊誌『エクラ』に連載された
計32の美術エッセイが収録されています。
「ここにもォ、すまほッ、でまスかッ?」
「ぐるるる!」(←訳:でません!)
画家さんが絵画の中に描き入れた
“モノ“――さまざまなアイテムには、
特別な意味や、意図が込められています。
小さな蝶々一匹、
剣ひとふり、
一粒の水滴。
そういった何気ない“モノ“が、
ときにスマホやPCをも軽く上回る情報を、
観る者にもたらすこともあります。
たとえば、
御本の表紙になっている
ウィリアム・ホルマン・ハントさん(1827~1910)作
『イザベルとバジルの鉢』。
「ばじるゥ?」
「がーるぐる!」(←訳:ハーブだね!)
若い女性が抱きかかえる、
大きめの、ハーブの鉢。
別に奇妙な点はない……と見えますが、
う~ん? いや、ちょっとヘン、かな?
イタリア料理ではお馴染みの食材・バジルって、
こんな風に室内で育てるんでしたっけ?
お金持ちのお家なら、
食材に相応しく、
果樹用の温室あたりで育てた方がよいのでは……
と思いますけれど。
実は。
この鉢には、ある“モノ“が隠されていたのでした。
それは、
愛の物語であり、
計略と打算の凶刃であり、
こころが裂かれるほどの嘆きであり、
犯罪の証拠物件でもある“モノ“です。
隠されているその“モノ“が
日のもとに曝されれば、
大騒ぎになることは間違いありません。
「あううゥ、おそろしィ~…!」
「ぐるがるぅ!」(←訳:悪夢だよぅ!)
ただのモノではない“モノ“。
著者・中野さんが取り上げるのは、
『提灯』『百科事典』『猫』
『箒』『馬そり』『日傘』
『パイプオルガン』『甲冑』……
といった多種多様な“モノ“たち。
どの“モノ“にも、
ドラマがあります。
バジルの鉢には或る犯罪の物証が隠匿されていましたが、
メキシコ人画家フリーダ・カーロさんの自画像(92ページ)、
その首元に描かれたハチドリには、
フリーダさんの絶望と希望、
それに慟哭も……。
「むむゥ~…」
「がるるる~…」(←訳:せつない~…)
“モノ“の背後にゆらめく、
ヒトの思いと、
長大で重厚なものがたり。
中野さんの《怖い絵》シリーズファンの方々、
アート好き&歴史好きな方々にも、
おすすめですよ。
ぜひ、手に取ってみてくださいね~♪