テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

~ 海辺に、浜辺に、潮風に ~

2022-05-26 23:41:38 | ブックス

「こんにちわッ、テディちゃでス!

 はらはらはらッ! どうしようゥ!」

「がるる!ぐるがるるる!」(←訳:虎です!心臓ドキドキ!)

 

 こんにちは、ネーさです。

 何気なくTVを見ていたら……あら、カルガモ親子の引っ越し?

 しかも場所は私たちの地元・八王子の神社さん?

 おお、チビたちよガンバれ! 無事に川へ辿り着いてくれ~!

 よしやったぜ! 川に着いた!……と一喜一憂拍手喝采した後は、

 さあ、カルガモ一家の長寿を祈願しながらの読書タイムですよ。

 本日は、こちらの御本を、どうぞ~♪

  

 

 

     ―― 江ノ島は猫の島である ――

 

 

 著者は鳩見すた さん、2022年2月に発行されました。

 可愛いカルガモ親子……ではなく、

 江ノ島に住む猫たちが“主役“の短篇集ですよ。

 

「えのしまッ♫」

「ぐるる~!」(←訳:いいな~!)

 

 江ノ島。

 弁財天さまが祀られていることで有名な、

 昔むかしからの観光地は、

 ニャンコたちにも好まれているようです。

 

 黒と薄灰色のキジトラ模様で

 尻尾の先だけが黒い

 ワガハイくんも、

 江ノ島に暮らす地域猫なのですが――

 

「むむゥ? わがはいィ??」

「がるぐるるる?」(←訳:猫でワガハイ?)

 

 おっと、早とちりしてはいけません。

 ニャンコで、ワガハイ。

 と言えば、あの文豪さんのあの名作を

 誰もが思い浮かべることでしょう。

 

 ニャンコにワガハイと名付けるなんで、

 まるでパロディのようですけれど、

 いえいえ、パロディや贋作にはあらず。

 

 その人は、文豪さんの名作をリスペクトし、

 敢えて、猫にワガハイと命名したのです。

 

「そのォひとッてェ~?」

「ぐるるがる?」(←訳:飼い主さん?)

 

 世間の風からさり気なく

 ワガハイくんを保護してくれていたその人は、

 ふた月ほど前に

 雲の彼方へ旅立ってゆきました。

 

 それで、ワガハイくん、怒っているのです。

 

「おッ、おこるゥ??」

「がるぐっるるる?」(←訳:なぜ怒ってるの?)

 

 その人のお墓は、

 ワガハイくんの足でも歩いていける

 江ノ島からごく近い霊園にあるのですけれど。

 

   お花が、ない!

   息子や孫は何してるんだ!

   お墓参りに来いっ!!

 

 ってね、墓前で嘆いては怒っているのですよ。

 

「ううゥむッ! こうなッたらァ?」

「ぐるるるるがるるるる!」(←訳:体育館裏に呼び出しだ!)

 

 いえその、江ノ島に体育館はなさそうですので、

 ワガハイくんは策略を練ります。

 

   猫語は話せずとも、

   猫の意思をくみ取ってくれる

   察しのいい人間はいないものか?

   あ、いるいる、いるぞ、

   綾野(あやの)のじいさんだ!

   あのじいさんに頼もう!

   お墓参りしてやってくれ、って。

 

 という次第で、綾野さん宅を訪ねたワガハイくんが

 目にしたのは。

 

「あれれッ? あのォひとォ??」

「がるるるるぐぅるるる?」(←訳:おじいさんじゃないよ?)

 

 綾野さんの家にいたのは、

 みたこともない、ひとりの青年。

 これだけでも尻尾の毛を逆立てるに充分な衝撃、ですが、

 さらなる衝撃がワガハイくんを襲います。

 

   この人間、猫の言葉がわかる……!

 

「わひゃひゃッ!」

「ぐるるぅ?」(←訳:本当にぃ?)

 

 かくて出会った、

 ワガハイくんと小路(こうじ)くん。

 はたして、

 ワガハイくんのこころは、願いは、

 小路くんに通じる、のでしょうか。

 

 短編4作品から成る

 江ノ島と猫の物語は、

 ニャンコ好きさんにはもちろん、

 湘南の風物が大好きなんです♪という御方にも

 おすすめですよ。

 相模湾と富士山の晴れやかな絶景を想像しつつ、

 ぜひ、手に取ってみてくださいね~♫

 

 

 

コメント
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