肥満も拒食も食に対する強いこだわりからといいました。最近「拒食症」で話題になったのは「痩せすぎたフランス人モデルを起用したヌード写真」の広告で、TV報道などで目にして少なからずショックを受けた人も多いでしょう。製作したイタリアのファッションブランド「Flash&Partners」は、大きく「No Anorexia(拒食症)」と書いていることに対して、「拒食症の実情を示すため」と言っているようです。この広告が多数の関心をひいたと思えるのは、検索エンジン「Yahoo!JAPAN」2007/9月24日 - 30日のワードランキングで第1位だったことを見てもわかります。
広告は数年前に、拒食症で死亡したブラジル人モデル事件をふまえて製作されたものであることはご存知でしょう。今年もスペインでは、07/08年秋冬マドリード・ファッションウィークで、5人の「やせ過ぎモデル」が出場禁止になるとの発表がありました。少女や若い女性にとってファッションモデルは今やあこがれの対象であり、そうしたやせすぎの体型を理想として追い求めています。そんな美の観念に対して各国政府やファッション界は対処する必要が出ているのです。<o:p></o:p>
前回もふれた「厚生労働省の平成16年国民健康・栄養調査」によると「20歳代と30歳代では予備軍を含めてもメタボリック症候群の該当者は男性で20%と低い。女性はゼロに近い。これはダイエットの影響と見られる」としています。参考のためにこの後も続けます。「だが40歳を境に急増し、40~74歳の男性では、有病者と予備軍の合計は50%を超えた。女性の合計も20%近くに達した」となっています。特に若い女性がやせすぎでNO、といわれる一方で、多くの男性や中高年はメタボ(内臓肥満)でNO、なんとかしないと早死にだよ、と不安をあおられているのです。<o:p></o:p>
今は平均年齢が世界中で最も高い日本人だけど、そのうち一位の座を明け渡すことになるのでしょうか?人類にとって有機体の維持は大問題だし、食欲を満たすことは大きな喜びでもあります。適正といわれる体重の保持や食行動のコントロールがどんなに難しいことか、まるで高い山の尾根を歩いているようなものだなあ、とつくづく感じるのです。
写真:沖縄中城(なかぐすく)城跡で、つわぶきが花盛り。2007/12/13
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<o:p> </o:p>前置きが長くなってしまいました。ここからが本題だよ。さて拒食症と一口に言いますが、食にこだわって症状がでる障害は摂食障害(Eating Disorder=略してED。ん?男性の ED(Erectile Dysfunction、勃起不全)と混同することはないのか?心配!)と称し、神経性無食欲症(AnoreXia Nervosa=AN、いわゆる拒食症)と神経性大食症(Bulimia Nervosa=BN、いわゆる過食症)、そして特定不能の摂食障害(Eating Disorder Not Otherwise Specified)に分類されます。区別する指標として、正常最低限体重を維持してない場合は拒食症となります。それからもわかるように症状の違いがあっても、基本的には同じ要因から発症するということでしょう。<o:p></o:p>
女性に多く見られることから、「女性問題」「ジェンダー(社会的・文化的な性差)」の視点から議論されることが多く、母と娘の「共依存」に関係しているという説があります。そしてもうひとつは、特に恋愛関係などで「やせているほうが好ましい」というイメージが存在していることです。いわゆる「やせ願望」といわれるものです。<o:p></o:p>
これらの説明は次回に。<o:p></o:p>
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