ドーピングは「男性ホルモン」「蛋白同化ステロイド」「成長ホルモン」などの薬物を使って筋肉増強を図ったり、興奮させたりして、スポーツの記録や成績をあげようとする行為です。<o:p></o:p>
最近では女子短距離陸上界のスター、マリオン・ジョーンズ(シドニーオリンピックで3個の金メダル・米)が家族にあてた手紙で、「禁止薬物を使用していた」と告白し話題になりました。彼女は優れた身体能力を持ち、多種類の競技に挑戦したところから「女性カール・ルイス」というあだ名もあったそうです。
しかしオリンピック委員会では100回を超える検査でもドーピングを見抜けず、はからずも「チェックのいい加減さ」が明らかになってしまいました。つまりひっかからなければOK、周到なスキルや方法を持つ人が有利になるのです。<o:p></o:p>
野球のバリー・ボンズ外野手(サンフランシスコ・ジャイアンツのホームランバッター)も薬物使用が疑われ、最近問題になっています。このような疑惑はスポーツ界に蔓延していることが指摘され、事実たくさんの不祥事も相次いでいます。<o:p></o:p>
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読売新聞11月14日付けに「『ドーピングは悪』なのか」という記事がありました。そもそもドーピングはなぜ「悪」なのか、そのルールは正しいといえるのかを考察しています。その中で印象に残ったのは神戸女学院大教授で合気道暦30年という内田樹さん(57)のことばです。(筆者省略でその一部を書きます)「本来人間の身体能力は、敵に襲われた時逃げるという力だった。だがスポーツはその火事場のバカ力をずっと使う、命を削るような営み」「ドーピングとは体が嫌がることを、金や名誉のために脳が命令し、受け入れさせる。そんな倒錯的なことをするのは人間だけ」だけど脳だけの責任でもない。「脳が体を支配すると考える人が多いが、脳だって臓器のひとつ。脳と体はバラバラではない」その一例として「村上春樹さんはランニングを長年続けることで作家としての能力も高めていった」と説明しています。<o:p></o:p>
記事では「日本人は生き延びるための身体能力をないがしろにしているのでは?脳ばかりが肥大した人間が増えている社会は危険」と問題提起しています。<o:p></o:p>
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でもドーピングは、覚せい剤やアルコールなど他の化学物質の摂取と同じこと。手軽にスピーディに「脳にFireDanceを起こし、身体能力を高める」効果を出そうとする行為なのですが、「悪か、そうでないのか」を議論するところに、「いくばくかの許容姿勢」が見て取れます。それはスポーツの効果をあげるという正当な理由(とされるもの)があるからでしょう。<o:p></o:p>
息子が野球をしていた頃、SAVASプロテインというものを摂取していた時期がありました。いったいなんだろう?なんのために飲むのだろう?と不安はあったのですが、口を出すことはできません。まあこれには変なものは入ってないと思いますが、指導者などから言われると普通は従います。あれが良い、といわれれば飲み、これが効く、と宣伝されればためらうことなく摂取する、というのが普通の感覚になっているのですね。
そこに危険があるという意識があまりないのです。
写真:あやまる岬のハイビスカスと海。
「ここであやまれ!」の場所ではなく、丸く盛り上がった地形があや織りの手まりに似ているからだよ。
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