Brain Map(ブレインマップ・脳地図)というのは、脳のどの部位でどんな経験や反応を起こしているのか、その場所を示すもので、mapping(マッピング)はその作業のことです。現在世界中で最先端の科学者が参加して、多数の論文が発表されている分野です。<o:p></o:p>
精神的疾患と脳の組み立てや機能の関係がある程度わかってくると、製薬会社はさまざまな神経伝達物質(現在50種類あまりが確認されている)に働きかけて、たとえば衝動的な行動を抑制する薬や、反対に気分を高揚させる薬などが盛んに研究されています。<o:p></o:p>
だけど薬といっても、効果と副作用はつきもの。最近では2007年10月に依存性の高い向精神薬「リタリン」が乱用されていることをうけて、厚生労働省は「うつ病」を適応症からはずし、処方を取りやめるよう決定しました。医師の診断・処方で薬物依存症になってしまうなんて、医療の根本的な信頼を失墜するようなできごとです。これも結局早急に症状をなくしたい、てっとりばやく苦しみから逃れたいという期待と、即効性の薬にたよる医者・患者双方の気持ちから問題が拡大したといえるでしょう。
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写真:西表島に隣接する由布島のちょうちょう園で。オオゴマダラ(まただらちょう科)
リタ・カーターは「薬の次に期待できるのは。遺伝子工学である。かつて私たちの役に立っていたシステムは、暗号化されて遺伝子に記憶されている。その遺伝子にちょっと手を加え。現代人向けの脳を作り出す日は、そう遠くないかもしれない」と言っています。ぎょえー!脳細胞の遺伝子に直接なにかして、作り変えるのか?そんなこと許されるのか? 彼は「でもそんなの問題じゃーねえ」といっているようです(?)。<o:p></o:p>
すでにプラムとカミングスは遺伝子操作の対象候補を発見し、D2R2と名づけたそうです。アルコール依存症、薬物依存症、強迫性の摂食障害、ギャンブル依存症の人の50-80%がそれを持っており、報酬経路の神経細胞にドーパミンが結びつく邪魔をする、というのです。だからこの遺伝子D2R2を持つ人は、より多くのドーパミンを分泌して満足感を得たいがために、ますます依存対象にのめりこんでしまうことになります。プラムとカミングスは「ヒトゲノムをほんのちょっと(!)操作するだけで、筆舌に尽くしがたい苦しみや病気、早すぎる死を救うことができるかもしれない(!)」と言っています。<o:p></o:p>
そしてリタ・カーター自身も「たしかに危険はあるが、時代遅れの道具(!)をいつまでも使っているとそれはそれで危険だ。・・・(中略)長い年月をかけた自然淘汰で私たちは優れた能力を身に付けた。それを活用して、自分たちの作り出した環境により適合できるよう、自らを変えていく時代がやってきた」と結んでいるのです。<o:p></o:p>
みなさまは自らがこころの症状を持ったとき、どうしますか?脳細胞にほんのちょっと手を加えてみますか?でも現実にはいろんな怖いことが密かに進行しているのかもしれないですね。注:( )内と(!)はすべて筆者
★☆★☆心理学の話はしばらくお休みして、次回からは「あいよっこの島々模様 西表島と沖縄本島」が始まります★☆★☆
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