第3385回や第3580回などでこれからの船は昔からの帆船の知恵と太陽光発電を生かしたものを考えるべきだと書いてきましたが、いよいよその動きは本物になってきているようです。
帆が伸び縮み 燃料3分の1のエコ船、東大などが開発へ 2009年12月10日
船上に「伸び縮みする帆」を設けることで、燃料消費を従来の3分の1に少なくする大型風力推進船を東京大や日本郵船、商船三井、帝人などの研究グループが開発する。5年以内の実用化をめざしている。
グループの発表によると、全長約300メートルの船に、炭素繊維を含んだ複合材料製の高さ50メートル、幅20メートル、重さ約30トンの帆を9本設ける。コンピューター制御で動かし、風が弱いときは電動モーターでスクリューを動かす。入港時には小さく畳んで収納する。
帆の部分の建造には約10億円かかるが、大型のエンジンを積む必要がなくなるため、同じ規模の船の1~2割増しの建造費ですむという。
国際海運の二酸化炭素(CO2)排出は8.7億トン(07年)で、ドイツ1国分の排出量に相当する。研究グループの大内一之・東京大特任教授(船舶海洋工学)は「昔はなかった新しい材料やハイテクを結集させる」と話す。(山本智之)
昔の帆船と違って材料が良くなっているのでコンピューター制御との組み合わせで想像もできないような性能を発揮する可能性がありそうです。これに太陽光発電などを組み合わせればきっと脱石油の船はできるのじゃないでしょうか。
もう一つそんな船が紹介されていました。
ロンドン(CNN) オーストラリアの企業が開発した太陽光と風力で動力を得るフェリーを開発し、このほど香港でお披露目された。石油代替燃料への切り替えがなかなか進まない船舶業界に、一石を投じるものとして期待されている。
開発した豪ソーラーセーラー社によると、すでに4隻が完成しており、1隻は世界でも2番目に混雑するとされている香港の港で、来年1月から運行を開始する。また、上海やサンフランシスコなど航行船舶数の多い港に売り込んでいく。
ソーラーセーラー社の開発したフェリーは、太陽の方向に向けて角度を変えられるソーラーパネルを装備。風力でも動力を得られることから、太陽が出ていない場合も航行が可能。船舶から排出される二酸化硫黄など、環境破壊の原因となる有害ガスの削減が見込める。
同社のロバート・デーン最高経営責任者(CEO)は、「事業を始めた1999年は、原油価格が1バレル10ドルほどで、地球温暖化の議論も起こっておらず、ハイブリッド車もまだまだ出ていない時期だった。しかし、今や原油は1バレル73ドルまで値上がり、地球環境に対する意識も変わった」として、太陽光や風力で動く船舶の普及が進むと見ている。
なんだか夢の実現は近いような気がしてきました。これでスピードなどを求めなければ今すぐにでも実現しそうな気がします。クルマと同じで切り替えには耐用年数との兼ね合いはあるにしてもそう遠い未来ではなく実現される可能性もあるかもしれません。このあたりも、政治の力で規制すれば早そうです。
地球の未来のために世界的なリーダーシップが望まれるところです。日本の政治家にそれを望むのは無理でしょうね。
残念です!