習皇帝の一帯一路(BRI)の要とも言えるパキスタンの領事館を閉鎖だそうです。とうとう追い詰められたと言うことでしょうか。
宮﨑さんが取り上げてくれています。これは面白くなりそうですね。習皇帝もいい加減諦めれば良いのですが、そこはやはり終生皇帝を狙っているだけに有り得ないのでしょう。
しかし、ねばれば粘るほど傷が大きくなるのは見えています。まさか、これでも生き残るとは信じたくないですが、世界の金の亡者達がなにをやらかすか分からないだけに不気味です。
「宮崎正弘の国際情勢解題」より 令和五年(2023)2月18日(土曜日)弐 通巻第7644号
中国、パキスタン領事部を閉鎖。治安悪化で一帯一路は頓挫した
両国関係は「全天候型」では? IMFはパキスタンと「キャッチ22」状態
IMFはパキスタンの財務状況を改善するため、度重なる協議を続けてきたが、「どうにもこうにも解決策がない」。IMFは匙を投げた格好である。
パキスタンは戦後、14回ほどデフォルトに陥っている。それゆえインドの新聞が書いた。「パキスタンのIMFとの交渉はキャッチ22状態だ」と。
『キャッチ22』(Catch22)は、ジョセフ・ヘラーの小説が発祥。どうにもならない状況を意味する。この作品から、英語で「ジレンマ」、「板挟み」、「問題解決を阻む状況や規則」、「落とし穴」を指すスラングとなった。
作中の軍規22項の運用(例えば、狂気に陥ったものは自ら請願すれば除隊できる。ただし、自分の狂気を意識できる程度ではまだ狂っているとは認められない)から来ている。邦訳『キャッチ22』は飛田茂雄訳(早川書房)。
さてパキスタンにおける中国の立ち位置である。
「中国パキスタン経済回廊」は650億ドルを注ぎ込んだ習近平「一帯一路」の目玉のプロジェクトである。鉄道、高速道路、パイプライン、光ファイバー網。グアダール港の近代化、工業団地、大學に病院にハイテクラボ。。。。。。。
パキスタン国内の武装勢力はおおきく三つ。。
最大かつ凶暴テロを繰り出すのはTTP(パキスタン・タリバン)で、爆弾テロを繰り返す。TTPはパキスタン国内の中国人をターゲットにしている。CPECを阻止し、パキスタン政府の政策を追い込んでいけば、政権転覆に繋がるとする。
IS(イスラム国)はアフガニスタンのISK(イスラム国ホラサン)と連携している形跡があるが、1月下旬にペシャワールの警察モスクを爆破した。95名が犠牲となった。
もう一つはパロチスタン独立運動の武装組織で、パロチスタンはパキスタンに帰属しない独立した王国であるとし(げんに国王は英国亡命中)、パキスタン政府に闘いを挑む。
かれらの行動範囲はパロチスタン地方が主舞台である。
最近でもグアダールにあって中国人宿泊が多い豪華ホテルが襲撃され、またクエッタでは中国大使宿泊先のホテルが爆破された(大使は無事だった)。
21年には発電所建設現場で8人の中国人エンジニアが殺害された。
22年には大学入り口で女性テロリストの自爆。中国人三名が犠牲となるなど枚挙するいとまがないほどに中国人を標的とするテロがパキスタン全土で吹き荒れている。
いずれもTPPかパロチスタン独立運動のテロ組織の仕業と言われる。
▲パキスタン、外貨払底。洪水被害以後、猛烈なインフレ
2023年2月16日、「イスラマバード」の中国大使館は領事部業務を休止した。再開は状況次第となった。つまりこれは一帯一路の頓挫を非公式に認めたと道議である。
中国は「パキスタンとは「永遠の友情」で固く結ばれた、「全天候型」であり、いかなる援助も惜しまない」としながら新規融資を渋り、IMFとの債務削減交渉に委託するかたちをみせた。徐々にパキスタンから手を引こうとしているようである。
パキスタンは一年前の外貨準備は160億ドル前後だったが、20123年一月末には29億ドルに激減した。22年6月の大洪水で国土の三分の一が水没し、以後停電と物価高に陥った。経済はドン底状態だ。
中国主導のCPECの見通しが暗いのは次の事由による。
第一に治安の悪化である。
第二にパキスタンの対中感情が極度に悪化している。
第三にアフガニスタンとの関係が微妙であり、TTPはカブールにタリバン政権が出来て以来、むしろ中国人へのテロを強めている。
第四に在留中国人の安全確保であり家族の帰国をうながしている。パキスタンに駐在する中国企業並びに中国人がすっかりやる気をなくしていることだ。
そのChinaでは麦畑に異常が出ている上に講義活動も相変わらずのようです。
妙佛 DEEPMAXさんが毎日情報をアップしてくれています。
ここまで追い詰められて、それでも延命に成功したら、習皇帝の評価も変わるのじゃないでしょうか。そうならないことを祈るしかない。
まさか、習皇帝が最後の皇帝とならないなんてことは有り得ないと思いますが、やはり、何が起きるかは分からないだけに心配です。