英語道(トラスト英語学院のブログ)

トラスト英語学院(長野県伊那市)塾長。英語指導や自身の英語学習雑感、趣味のランニングと筋トレについて綴ります(^^)

熱き想い

2008年04月30日 | 指導現場にて
早稲田を目指し代ゼミで浪人していた1990年の夏、友人から夏期講習のテキストをコピーさせてもらいました。テキストの本文ではなく、“はしがき”のみを・・・。

椿本先生「早大古文ゼミ」のはしがき。この文章は、浪人して早稲田を目指していた私の心の支えとなり、今も私の中で生き続けています。

今日は、その全文をご紹介します。
「早稲田の学生証をもらった時、これまでの人生でいちばん欲しかったのはやっぱりこれだったのだ、ということがはっきりわかりました」という手紙をくれた男がいた。

一文に受かって、上智の外国語学部をけった女の子もいた。学費を払ったのだから上智に行けという田舎の父親を、彼女は懸命に説得した。そして、しめ切りの日の夕方、やっと学費のふり込みに成功したのだった。最後の三日間、彼女は泣き通して父親の心を動かしたのだ。

一点足りずに落ちた男もいた。そのことを知った時、彼のお父さんは息子に「もう一年やれ、俺が応援する」といったそうだ。彼は即座に青学をやめて受験勉強に入った。発表の日、彼がまっさきに合格の報告をしたのは、会社にいる父親であった。

「早稲田が俺を呼んでいる」といいづづけていた男もいた。彼は、親をだまし、すべりどめ校も受けずに早稲田だけ受けた。政経学部の試験日の前日に熱を出し、それでも四日連続の入試に耐えた。受かったのは法学部だけであったが、報告にきた彼は、ほんとにいい顔をしていた。

― こいつらとは、私はいまでも一緒に酒を飲む。これからの長い人生で、こいつらになにが起こるか、私にはわからないけれども、彼らが、人生のその時々に目標を定めることができる奴らであり、その目標に向かっていく闘争心をもっている奴らであることだけは信じている。

あと七ヶ月。― 硬派の早大生になってほしい。そして、僕でよければ、一緒に飲みたいと思う。

(引用:1990年 代々木ゼミナール夏期講習 椿本昌夫「早大古文ゼミ」はしがき)

たかが受験、されど受験。何事にも熱くなれるのは若さの特権です。しかし、大学全入時代の昨今、ここまで大学受験に熱くなれる受験生には、お目にかかったことがありません。

大学受験生の指導者である私が、当時の熱き想いを持ち続けることが大切です。
コメント (2)
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