沖縄での一人暮らし

延べ8年間、沖縄で一人暮らしをしました。歴史・自然・文化を伝えます。

海釣りに誘われて

2006-08-20 | 沖縄の海
船に乗って海釣りしてみないかとお誘いがあった。
思い起こせば20年近く昔、東京湾木更津沖船酔いトイレ閉じこもり事件という、人には語れない苦い経験があった。
以来、船という揺れる乗り物は封印してきたので、躊躇したのだけど、
「揺れないから、内湾だから、港から直ぐ先の目の前のサンゴ礁から少し出たところだから」
という言葉に乗せられて、不安を抱きながらも船に乗ることになった。
不安げな私に酔い止めの薬をそっとくれる方もいて、沖縄の人の心配りに心を打たれるのであった。

船は小型のスピードが出るタイプ。
次々と波を乗り越えて、船が上下にバウンドする。
「今日はちょっと波がありますね。台風の余波でしょうか。」
って、さりげなく、いうじゃない。
早くも、話が違う。
しかも、この船、小型過ぎて、トイレがないじゃない。
危険な展開だ。

やがて、ポイントに着く。船を止めると静かな海だ。
まぶしいオキナワの太陽。青い海。ちょっと揺れる船…。

エサのオキアミをつけて、海底30mまで糸を垂らす。
そして2巻き糸を上げて、様子を見る。

しばらくすると、何か、手ごたえあり。
もう、かかっちゃったのかしら(ーー;)。

何か大きいよ。30cmはあるよ。今日一番の大物だって。
なんか、お客を乗せることが上手な人たちだ。
ヒトスジタマガシラというイトヨリダイの仲間らしい。

写真取ってたら、もう針にエサをつけてくれる。
私がシロートでエサをつけるのも魚から針を外すのがヘタなのを、この人は察してる。

で、また釣れちゃいました。
この魚の名前は不明です。

→タテジマヤッコのオスだそうです。
WEB魚図鑑 に投稿して教えてもらいました(^^♪
横じまと思うけど縦じまなんですね。不思議だ。

この調子でどんどん釣り上げるのが目的なのだろーか。
2匹も釣ったら、晩のおかずとしては十分じゃ。
「あとどのくらいここにいるんですか。」と聞いたら、
「1時間か…2時間。」
カラダ持ちこたえるだろーか。

「はい、次。」っていうから、「自分でゆっくりとやります。」といって、ろくにエサもつけずに意味もなく釣り糸をたれて、遠くの景色を見ていました。

前もそうだった。木更津沖で、誰よりも早くアジを釣り上げて、船長から「初めてとは思えないね~。」とか持ち上げられた後は、船酔いが急にやってきて、その後は陸に戻るまで忘れられない地獄の展開だった。

「今日は30匹釣って、ご近所にも配るぞー」という高い目標と気持ちの張りさえあれば、船酔いを防げるのだろうけど。

この人の編み笠、サマになってるね。

座ったまま、しかも釣竿を握って船の揺れをまともに受けるのはツライ。
立ち上がって両手で頭の上のパイプを握り、遠くの景色を見ながら、カラダの揺れを防ぐ方がずっと楽だ。
転ばぬ先の杖ならぬ、船酔いする先の手すりじゃ。
もう二度と釣り竿を持つこともなく、船の上でバンザイをし続けていました。

やがて、自分より先に体調が悪化し助けを求める人が現れて、一旦、陸に戻ることになった。
これ幸いと、一緒に海から脱出したのでした。
いやー、トイレもない小船の上で気分が悪くなったら、さらに20年間も海釣りを封印しなきゃなんないとこでした。

中央で小さく見える黒い点が釣り船です。
手前の波は浅瀬で、波が砕けているところです。
貴重な楽しい経験をさせてもらいました。
船に乗せてくれた人たちに、厚く感謝です。