19日㈮、今日のフィンとロッキーの朝食は和洋折衷で。おにぎりは「ライスボール」と言っていたので知っているのだろう。
朝、事務所で打ち合わせの後、議会のため、久しぶりに京都へ。12時半から議員団会議、13時半から文化生活・教育常任委員会に出席した。
「児童生徒の読解力の向上に向けて」というテーマで、京都教育大学の植山俊宏教授の話をお聴きしたが、「これでは日本の教育力は低下していくだろうな」と思った。
高校の「論理国語」は「論理的思考力」を身につける教科にはなっていないし、「文学国語」と「論理国語」に区分けするのも意味が分からない。
「論理」は「真理の追究」のためのツールであって、数学、文学、語学など全て「論理」の先にある。「論理」がなければ「文学」もない。
「文学」の持つ情緒性は点数をつける類いのものではないので、大学受験を目標とする日本の教育(学校)制度にはなじまない。だから、ほとんどの高校が「文学国語」を選択しないのであって、それと「文学」の価値は関係ないし、学校での「文学」への揺り戻しなどはあるはずもない。
綾部市では出口汪先生の「論理エンジン」を使った「論理教育」を綾部小学校、中筋小学校、吉美小学校で数年前から進めているが、今年度は綾部中学校でも導入いただくと聞いている。
世の中がトンチンカンなことをしているうちに、綾部市においてはこれからの時代に必要とされる「論理的思考力」を幼少期から身につけられる教育システムを創り出していくつもりだ。
夕方、綾部に戻り、夜はフィンとロッキーとのお別れの晩餐として、「たこ焼きパーティ」をした。
たこ焼きやお好み焼き、焼きそばはオーストラリアにはないらしい。たこ焼きのことは「オクトパス ボール」と言っていたので、存在を知ってはいるようだった。タコやショウガが食べられないかとソーセージなども用意してみたが、それらは全く問題ないと言っていた。
うちの父が綾部市長時代の21年前に実施された第1回「中東和平プロジェクトIN綾部」のDVDを彼らに見せようと持って来たので、それをみんなで観た。涼子も温二郎も当時は生まれていないので、初めて観る映像だった。
フィンとロッキーに内容が理解できたかは分からないが、イスラエルとパレスチナの中高生がホームステイする様子や綾部の水無月まつりや綾部高校で体験した綾部太鼓の演奏、英語で話している参加者の言葉などには興味を持っていた。
涼子や温二郎は知っている人が皆、非常に若いことを驚き、我々はすでに亡くなられた懐かしい方々を久しぶりに見ることができた。
父がお土産にと、餅などを渡していたが、フィンとロッキーは「餅に何が入っているのか?」を何度も聞いてくるので、なぜか?と思っていたら「食べ物は税関を通せないかもしれない。持って帰れないと困るから、餅は今、食べたい」と言い出した。
なぜ餅にそれほど興味を持っているのかと聞いてみると、綾部高校の由良川キャンパスで餅つき体験をさせてもらっていたようだ。餅の作り方は知っていたが、その際には食べなかったのだろうか、餅をすごい食べたがった。
焼いて醤油をつけてあげると、喜んで餅を延ばしていた。
その後はフィンとロッキーが御礼の手紙をくれ、オーストラリアのカードゲームなども改めてプレゼントしてくれた。
妻が花火を用意していたので、その後は花火大会。オーストラリアにも空に打ち上げる花火はあるが、手持ち花火はしたことがないようだった。
線香花火の情緒が彼らに理解できただろうか?
花火の後はこちらからもプレゼントを渡した。妻があやべ特産館や百均でいろんなものを買ってきていた。ポケモングッズはすごく喜んでいた。
僕はフィンとロッキーのお母さん達に黒谷和紙の端切れをプレゼントしたらどうかと提案し、「For Your Mathers」と渡した。
一日の終わりは、やっぱりカードゲーム。ロッキーが「最後は全員でUNOがしたい」と言うので、今日は我々も入ってUNOで遊んだ。
この数日間で、彼らを自分の子どものように思うようになった。明日別れたら、今後会うことはないかもしれないが、彼らの記憶の中に綾部市で過ごした思い出が残り続けてくれたら嬉しいと思う。
子ども達も「外国の人と話すのが怖くなくなった」と言っていたし、妻も「引き受けて良かった。小源太が出て行った時より別れるのがさびしい」と言っていた。
温二郎は今夏、綾部市の事業でオーストラリアに語学研修に行き、ホームステイも体験するので、その事前準備として大変良い機会だったと思う。