4月1日㈪、新年度に入り、一気に春らしくなってきた。新任の挨拶にも順にお越しになる。
15時にはアグリネクスト㈱の寺本浩文社長と後藤正芳取締役を高橋輝市議に紹介した。お二人は綾部を中心に事業型の農業を考えておられるので、今後、情報交換や連携をしていってもらえたらと思っている。
少し前に、輝くんから「今日、誰のために生きる?アフリカの小さな村が教えてくれた幸せがずっと続く30の物語」という本を借り、数日前にサラッと読めたので、その感想や久しぶりに様々なことを話した。
今は2001年の「9.11」の頃と世相が似てきているとも感じている。アメリカが行き詰まり、日本にも閉塞感が漂う。
この本を読んで思い出したのは「地域通貨」のことだった。今から22年前の2002年1月1日に地域通貨ゆーらを発行したが、その前に地域通貨研究会で「お金」の問題を研究していた。
研究を始めた時にドイツの児童文学作家ミヒャエル・エンデとNHKが合作した「エンデの遺言~根源からお金を問う」という番組を観た。エンデは「人間の価値とお金はイコールにならない」と説いた。
「お金は人間が造った概念に過ぎないのに、人間の手を離れて人間を苦しめる悪魔のような存在になっている」と言ってはいないが、そういうことを言いたかったのではないかと感じた。
「信用創造」という概念がこの「悪魔」の根幹であり、それによって「忙」しくされた人間は心を失ってしまい、幸せになろうとして不幸せになってしまっているというのがエンデの指摘で、それはもっともだと思っている。
エンデの有名な著作「モモ」では時間を奪いに来た「灰色の男たち」によって、村の人達の生活は忙しくなり、心を失って争いを始めていく様子が描かれている。
「今日、誰のために生きる?」の本に出てくるタンザニアのブンジュ村には、まだ「灰色の男たち」が来ておらず、人間らしい暮らしが営まれているようだ。
映画「イエスマン」(ジム・キャリー主演、2008年)に通じるところもある。
映画では主人公があるセミナーで「どんな事に対しても『イエス』と答えることが、意味のある人生を送るための唯一のルール」と教えられるが、この本には「感謝の気持ちを伝えることが夢を叶える方法」だと書いてある。
この本のSHOGENという著者は綾部市の隣りの京丹波町出身だそうだ。全ての存在は繋がっているのだろう。