町を歩いていると、親しそうに男が寄ってきた。
「やぁ久しぶりだねぇ。覚えてる?、僕だよ僕」と。
思い出せないが、人の顔と名前が覚えられない私で
ある。その負い目もあって、誰だかわからないまま
話を合わせていると、
「今何してるの? どこに勤めてるの?今時間ある?」と
矢継ぎ早に話しかけてくる。
「はて、誰だっけ???」そればかりに頭を巡らせていると、
やおら財布を開いて、100万円くらいの札束を見せ、
「僕こんなに儲かったんだ。お茶でも飲みながら話を
しよう」と喫茶店に。
言葉を挟む余地を与えず、一方的にまくしたてる彼。
なんでも、「競艇で、高い確率で当てる人がいて、出資
すると、何倍にも増えて返ってくる。君も出資しないか。
ついては、ここへ振り込めばいいんだ」と振込み先の番号。
ここまで話を聞いて「虚無僧は無一物、金は持たない」。
持たざる者の強みだ。きっぱり断ると、ふてくされて喫茶店を
飛び出ていった。「アノアノ、ここのコーヒー代!???」
800円は痛い出費だった。以前ならコーヒー代の500円も無く、
絶対喫茶店にもはいらなかったが、最近、ちょっと小銭を
持てるようになって、心に隙ができたか。用心用心。
「やぁ久しぶりだねぇ。覚えてる?、僕だよ僕」と。
思い出せないが、人の顔と名前が覚えられない私で
ある。その負い目もあって、誰だかわからないまま
話を合わせていると、
「今何してるの? どこに勤めてるの?今時間ある?」と
矢継ぎ早に話しかけてくる。
「はて、誰だっけ???」そればかりに頭を巡らせていると、
やおら財布を開いて、100万円くらいの札束を見せ、
「僕こんなに儲かったんだ。お茶でも飲みながら話を
しよう」と喫茶店に。
言葉を挟む余地を与えず、一方的にまくしたてる彼。
なんでも、「競艇で、高い確率で当てる人がいて、出資
すると、何倍にも増えて返ってくる。君も出資しないか。
ついては、ここへ振り込めばいいんだ」と振込み先の番号。
ここまで話を聞いて「虚無僧は無一物、金は持たない」。
持たざる者の強みだ。きっぱり断ると、ふてくされて喫茶店を
飛び出ていった。「アノアノ、ここのコーヒー代!???」
800円は痛い出費だった。以前ならコーヒー代の500円も無く、
絶対喫茶店にもはいらなかったが、最近、ちょっと小銭を
持てるようになって、心に隙ができたか。用心用心。