現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

酔客

2008-10-29 09:53:56 | 虚無僧日記
朝8時から6時間。夕方5時から吹いて、夜10時。
まだ200円ちょっと。これでは帰れない。さらに
がんばる。目もショボショボ、意識も時々スーと
なくなる。ふと目を開けると、太った中年男性が
私の目の前に1万円札をチラつかせてフラフラ
立っている。一瞬“ドキン”である。はっと我に
帰って尺八を吹き始めると、
「要らない? あそう、いらない」と、1万円札を
しまいこみ、ふらつく足で去って行ってしまった。

「なんだったの?」である。一睡の幻影だったか。
また気を取り直して、尺八を吹く。

すると今度は、女性連れの紳士。二人で飲んで帰り
だろう。気分もよさそう。女性が私の方を見て、
はっと口に両手を当てて驚きの声をあげた。
すると男性も立ち止まって、しばらく私の方を見て
いて、小銭を出して近づいてきた。穏やかな笑顔の
紳士である。
2尺4寸と2尺と1尺6寸の3本を持っていたので、
「どう違うのか」と聞いてくる。そこで3本の尺八
をそれぞれ吹き分けると、ひとつひとつ感動して
くれ、1,000円札と、彼女も 500円玉を入れてくれた。

これで今夜は帰れる。延々12時間立って吹いて、
1700円。地下鉄代を差し引いたら 1,200円。時間給
100円。ワーキングプアだ。でも、いただけただけでも
仏に感謝。いただけることが奇跡、ありえない、あり
難いことなのだ。

「尺八と一休語りの虚無僧一路」のホームページも見てください。

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一日1,000円

2008-10-29 09:23:50 | プロとアマ
名古屋駅周辺の路上では、通行人を目当てに様々な人が
動めいている。ティッシュやチラシ配り、キャッチセールス、
宗教の勧誘、足長育英基金や盲導犬育成のための募金、
パントマイムやら剣玉などの大道芸人、ギター弾き、素人歌手、
詩人、色紙や絵の販売、占い師、そして虚無僧。托鉢の偽せ
坊主は最近姿を消した。物を売らずに稼いでいるのは“占い師”。
みんな夜遅く、10時過ぎまで頑張っている。

虚無僧は「日の出から日没まで」と限られていたが、それは
江戸時代の話。現代は、夜の方が人通りが多く、収入になる。
私も皆に負けず励むことにした。「一日1,000円はいるまでは
家に帰らない」という決めて、毎晩10時、11時である。この
時間まで働いて? 漸く連続4日間 1,000円達成。

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