現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

容疑者Xの献身 1

2008-10-26 22:04:59 | 虚無僧日記
10/24 朝から雨。中川コロナに映画を観に行く。
シアターが14に、ボウリング場、ゲームセンター、
そしてスーパー銭湯が入る複合施設だ。
1,000台入る駐車場は ほぼ満杯。平日なのに、
働いていない人がこんなにいるのかと驚く。
私もその一人か。

ところが、ボウリング場と映画館はガラ空き。
スーパー銭湯が一番人気なのだ。車は高齢者の
ものだった。若者は やはり働いているのだ。

『容疑者Xの献身』を観る。東野圭吾のガリレオ
シリーズで話題の作品。原作に忠実に、いや原作
よりもうまくできていた。数学の授業など、生徒は
誰も聞いてくれない。友達も恋人もいない。人生に
絶望していた時、めぐり会った花岡母娘は、石神に
とって生きる喜びを与えてくれた。だからこそ、
花岡靖子が殺人を犯した時、自分を捨てて(殺して)
まで、彼女を守ろうとした。ただの隣人だったら
警察に通報して、事件(このストーリー)は終わり
だったろう。
事件の真相を解き明かそうとする友人湯川を雪山に
誘うシーンは原作にない。
湯川を遭難とみせかけて殺すのかと緊張が走る。
「登るルートはたくさんあるが、頂上(答え)は一つ」
「自分は今充実している」あの言葉も重要な意味を
持っていた。

見終わってぞっとする。登場人物のそれぞれが
自分とダブルのだ。誰しも、殺人を犯しかねない
可能性を秘めている。「その時、自分なら」と
考えさせられる。

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宗教活動

2008-10-26 10:11:45 | 虚無僧日記
10/25 つづき

夜9時を過ぎて、少しは静まってきた。10人くらいの
若い女性が「世界平和にメッセージ」をと、道行く人に
呼びかけている。どこかの新興宗教団体のようだ。ほと
んど毎日、無視されても、断られても、笑顔を絶やさず、
若い一人歩きの女性を見つけると飛んで行く。宗教の力は
すごいものだ。

若くきれいな娘ばかりだ。こんな娘に声をかけられたら、
自分ならすぐアンケートに応えるのにと思っているのだが、
虚無僧の私などには、全く眼中にはないようだ。無視され
ている。

彼女たちに負けないよう、9時半すぎまで頑張る。
すると、外国人のカメラマンが私を見つけて、カメラを取り
出した。以前にも会ったことがある。トルコ人だったか。
30分近く、アングルを変え撮りまくっている。
すぐ乗る私である。モデルになった気分で、メチャまじめに
吹く。音もフィルには映らないようだが、見る人には見える
のである。

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居場所がない

2008-10-26 09:49:19 | 虚無僧日記
10/25 今日で6日目。
名古屋駅のいつもの階段下に行くと、先客?がいた。
「路上芸人」と札を掲げて、中年おばさんが派手な
化粧にフラダンスの衣装でウクレレを手に、漫談を
やっている。私を見つけて、
「やや虚無僧!名をなのれ!赤童鈴之助だ!」と絶叫。
歌も語りもど素人だが、一生懸命さに、立ち止まって
見物をし、拍手をする人も。以前ならすぐ乗る私だが、
今日はその気になれない。適当にあしらって別の場所へ。

しばらく吹いていると、高校生の一団に取り囲まれた。
ここで「足長育英基金」の募金活動をやりたいから、
場所を代わってくれという。

「まぁいいか」と譲る。近くで尺八を吹いていたが、
彼女たちの張り上げる声はすごい。きちんと全員声を
そろえて絶唱である。男子は傍らで旗を担いでいるだけ。
なんでも女性優位の時代だ。

夕刻から、例のペルーの楽団が、大音量で歌と演奏を
始める。今までなら、そこで尺八を吹く気にはなれな
かったが、今はひたすら「循環呼吸」の練習。大きな音は
出ない。吹いている形だけ。それでもお布施がはいる。
不思議。

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雨上がり

2008-10-26 09:29:36 | 虚無僧日記
10/24 「容疑者Xの献身」を観て、外に出ると雨は
上がっていた。

映画で暗い気持になって、虚無僧に出る。手にした
のは2尺7寸という長管。低音で暗く重々しく響く。

布施の多寡など意識から消えていた。ただひたすら、
『循環呼吸』の練習に打ち込む。長管の吹き方は、
頬をふくらませる。従来の吹き方では鳴らない。
最初は音も出なかった。全く初心者と同じ、スースー。
それでも、喜捨してくださる方がいる。

音にではなく、私の一心不乱、一生懸命な姿になの
だろうか。数学のことしか頭にない石神になりきって
いた私である。染まりやすい私だ。