久々に何も予定がない祭日。JR名古屋駅前に立つ。
日を追って、通行人の心が遠ざかっていくようだ。
もう、虚無僧にケータイのカメラを向ける人もいない。
カメラを抱えた外国人が一人、二人撮ってくれただけ。
3時間吹いて反応ゼロ。空しく帰りかけた時、すれ違い
ざまに、ジャラジャラと男性が投げ銭をしてくれた。
また元気を出して名鉄前で吹く。
年配のご婦人が一人、20代のスーツにネクタイ姿の
青年が小銭を入れてくださる。昼より夜の方がいい。
夜7時を過ぎる頃から、右足の膝下に激痛が走る。
今まで感じたことのない痛さだ。
(さては、骨のガンか?)私の伯父は、エベレストに
行って、足の痛みを感じ、帰国してまもなく骨のガンで
亡くなった。いろいろ悪いことを思いめぐらす。
そこへ、ステキな若い女性が近寄ってきて、「握手して
ください」と。ドギマギしながら握手に応じる。温かい
ぬくもりを感じた。私は子供の頃から握手とか、他人と
肌が触れ合うのが苦手なのである。母と手をつないで
歩いた記憶がないからだろうか。
「握手を求められるなんて、私の方が幸せな気分になり
ます。あなたの幸せを祈らせていただきます」と私。
「ありがとうございます」なんてステキな人だろう。
その瞬間、足の痛みを忘れていた。
彼女に触れた手で膝下の痛い箇所を触わってみた。
原因はすぐわかった。脚絆の紐をきつくしばりすぎて
いたのだ。結び目が膝下の骨に食い込み、血のめぐりが
悪くなっていたのだ。紐を緩めると、痛みは解消した。
彼女は私にとって観音様の再来だったのだ。
日を追って、通行人の心が遠ざかっていくようだ。
もう、虚無僧にケータイのカメラを向ける人もいない。
カメラを抱えた外国人が一人、二人撮ってくれただけ。
3時間吹いて反応ゼロ。空しく帰りかけた時、すれ違い
ざまに、ジャラジャラと男性が投げ銭をしてくれた。
また元気を出して名鉄前で吹く。
年配のご婦人が一人、20代のスーツにネクタイ姿の
青年が小銭を入れてくださる。昼より夜の方がいい。
夜7時を過ぎる頃から、右足の膝下に激痛が走る。
今まで感じたことのない痛さだ。
(さては、骨のガンか?)私の伯父は、エベレストに
行って、足の痛みを感じ、帰国してまもなく骨のガンで
亡くなった。いろいろ悪いことを思いめぐらす。
そこへ、ステキな若い女性が近寄ってきて、「握手して
ください」と。ドギマギしながら握手に応じる。温かい
ぬくもりを感じた。私は子供の頃から握手とか、他人と
肌が触れ合うのが苦手なのである。母と手をつないで
歩いた記憶がないからだろうか。
「握手を求められるなんて、私の方が幸せな気分になり
ます。あなたの幸せを祈らせていただきます」と私。
「ありがとうございます」なんてステキな人だろう。
その瞬間、足の痛みを忘れていた。
彼女に触れた手で膝下の痛い箇所を触わってみた。
原因はすぐわかった。脚絆の紐をきつくしばりすぎて
いたのだ。結び目が膝下の骨に食い込み、血のめぐりが
悪くなっていたのだ。紐を緩めると、痛みは解消した。
彼女は私にとって観音様の再来だったのだ。