現代の虚無僧一路の日記

現代の世を虚無僧で生きる一路の日記。歴史、社会、時事問題を考える

マニュアル化の功罪

2011-05-18 16:02:45 | 社会問題
40年前、NHKのあるTV番組で「アメリカの自動車工場」の
様子が映し出された。

「車のボディが ベルトコンベアーで、少しずつ移動してくる。
近代的なオートメーション工場というやつだ。ところが、
そこで働く労働者は、部品を取り付けるだけの単純作業だから、
くわえ煙草で仕事している。そして その吸殻を 車体の中に
ポイと捨てたのだ。そして、当人は「最後に、車内をきれいに
掃除する者が居るから いいのだ」と 笑って答えていた。

「これが、アメリカの実態か。いつかは 日本はアメリカを
追い抜ける」と、日本人なら誰しもが思ったものだ。


福島原発1号機が建設されたのは、その頃のこと。昭和41年。
日本人にとっては、誰もが未知の建設作業。すべてはGEの
マニュアル通りに進められたという。

そして、その後のメンテナンスも、出稼ぎ労働者でもできるよう、
マニュアル化された単純作業。ボルトの締め方がわからぬ者でも、
マニュアルにのっとって作業を進めればできるはずだった。
「放射線を浴びるのだから、20秒以内にボルトを閉めなければ
ならない」と マニュアルにある。ところが、時計があるわけで
なし。急いで飛んで行って、もう20秒たったかな?と思うと、
ボルトが完全に締め終わらなくとも、そのままにして、急いで
戻った。

マニュアル通りきちんと締められているという前提で、それを
チェック確認する人はいなかった。

「検査官も ボルトの締め方などわからぬ官僚がやってくるの
だから、そのままに見過ごされてきた」との、原発工事に
携わった人の証言。

ロシア人なみの官僚主義も、おそろしや。




会津会会員にメール便

2011-05-18 15:15:35 | 虚無僧日記
名産詰めて「あいづ宅急便」 県外人も応援、注文続々(朝日新聞) - goo ニュース

会津若松商工会議所が、県外向けに、地元の農産物や民芸品を
毎月届ける「ふるさとあいづ宅急便」を始めた。全国3カ所の
「会津会」の会員約740人に案内したところ、約1割が
申し込んだとのニュース記事。

そう、私の所にも来た。何か買おうかと思ったが、3万円と
5万円コースのどちらかを選び、先にお金を振り込む。すると
「毎月、何かが送られてくる」というもので、何が送られて
くるのかは不明。不要なモノが送られてきても困る。今の
私には その余裕はない。

それにしても、会津会会員が、わずか740人しかいないとは
がっかり。その1割では74人。一人(3と5の)平均4万円としても、
わずか300万円弱だ。商工会議所としては、これで3億円を
集めたい意向のようだが、雀の涙の1%。なんとも 気の毒。

一方、福島県の特産品を販売する「福島県八重洲観光交流館」
(東京都中央区)では、来場者が急増し、4月の売り上げは、
昨年の10倍に膨らんだとのこと。

私の従姉の嫁ぎ先も、会津では有名な老舗の「漆器店」だが、
観光客が激減で、土産品でさえ売れないし、大変なようだ。
福島県を応援しようとの方々の御好意と応援で、これらの
特産品が売れたなら、ありがたいことだ。 感謝です。

「忠臣蔵」の善悪論争

2011-05-18 03:45:29 | 虚無僧日記
映画『最後の忠臣蔵』が評判になった。(もう忘れられているが)。

「赤穂事件」については、歴史学者はほとんど論じていない。
歌舞伎で脚色され、さらに多くの作家によって、さまざまに
作り変えられてきた。日本人は「美談」として好む。しかし
ネットで若い人のこんな質問があった。
  
①『最後の忠臣蔵』がアメリカでも公開されるようですが、
 日本のやった真珠湾攻撃は、浅野長矩のやった刃傷事件や
 赤穂浪士の討ち入りと同じではないですか?

②この映画をアメリカ人が観たら、「日本人は首狩り族」と
 思うのではないですか?

③法を無視して、人家に押し入って、人を殺傷する集団を
 英雄視する日本人が、中国や北朝鮮を「法治国家でない」と
 批判するのは矛盾していませんか?

④赤穂浪士が吉良義央を「浅野内匠頭のかたき」と狙うのは
 筋違い。仇討ちが合法だった江戸時代でも、赤穂浪士の
 したことはただの「殺人」ではなかったですか。

この質問に対して、今のところアンサーはない。大人は無視。


あなた殺していいですか?

2011-05-18 03:33:26 | 虚無僧日記
「人を殺してはいけない」なんて子供でも判っている。
ところが、毎日殺人事件が起きる。「アメリカのオバマ
大統領が「ビンラディン」の殺害を命じて、実行させた」
そんなニュースも当然の如くに報じられる。この世は
「殺(や)るか、殺られるか」だ。

仏教では、仏教徒が守るべき五つの戒がある。その
第一が「殺生戒」。「生き物を殺してはいけない」と
いうもの。「いかなる生き物」だから、蚊も蝿もゴキブリも
殺してはいけないのだ。だが、現代の僧侶は、肉、魚を
食べ、蚊も殺す。

それで「命は大切です」なんて教育をすることはできない。
「週刊ポスト」5.20 『世界屠札畜紀行』を書いた内澤旬子
と登山家 服部文祥の対談でも、同様のことが書かれていた。

今朝のラジオ深夜便で、三浦朱門が「学徒動員され、戦後
無事生還してきた学生も、敵を殺し、部下や同僚を見捨てて
帰ってきた連中だ」という趣旨の話しをしていた。これも、
ここだけ書き抜くと誤解を招くが、「青少年は純心、純粋な
(美しい)心」と 云われたことへの、反発として語っているもの。

戦争になれば、敵を殺し、部下を死に追いやることが義務
となる。

そんな時、純心無垢な青少年が利用される。「白虎隊」は
そうした青少年の洗脳教育に利用された。アフガンや
エチオピアの内紛で、子供がさらわれ、少年兵士として
「人を殺すためだけの教育訓練」がほどこされるという。

人を殺して罪になるならば、戦争で敵を殺した人、部下を
死に追いやった上官、出征兵士を歓喜して送り出した国民
全部が、処罰されねばなるまい。