ケイの読書日記

個人が書く書評

若竹七海ほか「競作 50円玉20枚の謎」を読んで

2005-11-24 15:11:46 | Weblog
大好きな本・読んだ本

 これは作家の若竹七海さんが学生時代の不思議な出来事の謎を、同業者や一般の人に解いてもらおうと、解決編を募集し、その優秀作品をまとめたもの。

 確かに、不思議な出来事ではありますが、手に汗握る、という謎ではないので、正直言ってプロ、アマ12の解決編を読むのは、ちょっと飽きてしまいますね。


その謎というのはこうです。


 昭和55年の頃、大学生の若竹さんは本屋でアルバイトをしていた。
 ある土曜日の午後の夕方、中年のぱっとしない男が店に入って来るなり、まっすぐレジに近づいてきて、50円玉20枚を千円札と両替してくれと頼む。
 両替の最中も、早く早くといったイライラした態度で、両替が終わると礼もいわず千円札をひったくるようにして店を出て行く。
 次の土曜日も、そのまた次の土曜日も、若竹さんがバイトをやめるまでの数ヶ月間同じ事をくりかえす。


 それにしても、この男はいったい何者なのか。
 どうして毎週同じ事を繰り返すのか。
 その50円玉は、どうして毎週彼の手元に20個もたまるのか。(自分の経験から言っても50円玉というのはたまりにくい硬貨である)


 私としては、アマの谷英樹さんの解決編が一番リアリティがあったと思います。
 少々、ショボい解決編ですが、こういったものは「なーんだ、そんなことか」という謎解きになることが多いですから。

 また、私の大好きな法月綸太郎の作品があまりにも低水準なので驚きました。
というのか、解決編になっていない。
コメント (5)
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