大好きな本・読んだ本
「とむらい機関車」があまりにも面白かったので、同じ創元推理文庫にあるこの「銀座幽霊」も読んでみる。
期待があまりにも大きかったので、ちょっとガッカリした作品もあるが、それでも全体的に優れていると思う。
ただ「三狂人」を除いて他の作品は、発表当時さんざんな悪評だったらしい。
どうしてかなぁ。地味な展開だけど、きちんとした論理的な推理で、私には好感が持てます。
この作家の最大の特長は、正統的本格派というよりユーモアセンスにあると思う。描写がどことなくユーモラスなのよね。こうゆう探偵小説家ってすごく珍しい。
例えば、惨殺したいの描写など、横溝正史だったら死臭が漂い死肉にわいたうじ虫が這い上がってくるような感覚がするものだが、大阪圭吉の場合、あまりにもストレートに描写してあるので、死体が白骨化し理科室の標本のようなカラッとしたイメージになる。
それは決して作者の力量が不足しているからじゃなくて、そういった持ち味なんでしょうね。
短所としては、探偵役にあまり魅力が無いこと。青山喬介など、もっと多くの小説に登場させたら、キャラクターもはっきりしてきたかもしれない。残念。
昭和12年7月に日中戦争勃発。戦争は、彼の小説の中にも暗い影を落としています。昭和20年7月2日フィリピン・ルソン島で戦病死。享年32歳。
ああ、無事に生き抜いたら、どんな探偵小説を書いたでしょうか。
「とむらい機関車」があまりにも面白かったので、同じ創元推理文庫にあるこの「銀座幽霊」も読んでみる。
期待があまりにも大きかったので、ちょっとガッカリした作品もあるが、それでも全体的に優れていると思う。
ただ「三狂人」を除いて他の作品は、発表当時さんざんな悪評だったらしい。
どうしてかなぁ。地味な展開だけど、きちんとした論理的な推理で、私には好感が持てます。
この作家の最大の特長は、正統的本格派というよりユーモアセンスにあると思う。描写がどことなくユーモラスなのよね。こうゆう探偵小説家ってすごく珍しい。
例えば、惨殺したいの描写など、横溝正史だったら死臭が漂い死肉にわいたうじ虫が這い上がってくるような感覚がするものだが、大阪圭吉の場合、あまりにもストレートに描写してあるので、死体が白骨化し理科室の標本のようなカラッとしたイメージになる。
それは決して作者の力量が不足しているからじゃなくて、そういった持ち味なんでしょうね。
短所としては、探偵役にあまり魅力が無いこと。青山喬介など、もっと多くの小説に登場させたら、キャラクターもはっきりしてきたかもしれない。残念。
昭和12年7月に日中戦争勃発。戦争は、彼の小説の中にも暗い影を落としています。昭和20年7月2日フィリピン・ルソン島で戦病死。享年32歳。
ああ、無事に生き抜いたら、どんな探偵小説を書いたでしょうか。