ケイの読書日記

個人が書く書評

群ようこ「またたび読書録」

2006-06-24 22:35:08 | Weblog
大好きな本・読んだ本

 群ようこの小説はあまり良いとは思わないが、エッセイ、特にこういった読書エッセイは抜群に面白い!

 面白い読書エッセイを書く人は多くない。年末になると新聞や週刊誌に「今年読んだ私のイチ押し3冊」とかいった企画が載るが、堅い本ばかりで私にはつまらない。


 しかし、この群ようこの読書エッセイはひと味もふた味も違う。彼女は濫読家で有名らしく、本当に様々なジャンルの本を読んでいるのだ。

 例えば「生活図鑑」あるいは「宝運暦」。もちろん、いっぱい売れてるんだから読む人は多いだろうが、それを材料に読書エッセイを書いて、出版させちゃう人は他にいないんじゃないだろうか?

 読書エッセイといっても、その本のことはあまり書かず、すぐ自分の日常のてんやわんやや、家族との軋轢などに話がワープし、それがまたすごく面白い。

 また、正統的にその本を取り上げている章もある。例えば、私がぜひ読みたいと思ったのは、若林つや著「野薔薇幻相」。
 戦前の有名女流作家たちの内輪話が正直に書かれている。

その中で若林つやが「私には会わなければ良かったと思っている有名人が3人いますが、その中の一人が与謝野晶子さんです」と書いた箇所があるらしい。

    ‥‥‥‥‥‥‥与謝野晶子って、いったい‥‥

 群ようこは、この箇所を読んで「むむぅ、これは面白い!」と喜びに震えたそうだが、私も喜びにふるえたいね。
コメント
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